スクラップ帳の作り方と活用のコツ第三弾 -カフェ「木琴堂」流・とっておきのスクラップブック篇-

執筆者: 猫町フミヲ 職業:古雑貨カフェ経営
とっておきのスクラップブックを作ろう

これまで2回にわたって新聞記事のスクラップについて見てきました。
まず基本的なやり方として、A4サイズのコピー用紙を使った台紙に貼りつけてファイリングする方法。
次に、サイズの大きなものについてはサイドポケットタイプのクリアファイルを使ったり、A3サイズのクリアファイルを使うなどの方法。


しかし、これらの方法はどちらかというと「情報整理」という色合いの強いものでした。
時系列順に並べやすくする工夫であるとか、できるだけコストをかけずにスクラップを保存する方法であるとか。

そこで今回は、機能性やコストよりもむしろ、「好きだから大切に保存したい」という素朴な気持ちに重きをおいたスクラップブック作りについて見ていきたいと思います。

黒い台紙を使う

まずおすすめなのが、黒い台紙を使う方法。
アルバムの台紙には黒いものが多いですが、確かに黒い台紙に貼り付けただけでぐっと豪華な写真に見えたりしますよね。

黒い紙はコピー用紙のように安くはありませんが、とっておきのスクラップのためには贅沢も必要。
エトランジェ ディ コスタリカのフリーペーパーシリーズの黒色(ブラン・ド・ノワール)などは、大きな文房具屋さん、もしくはLOFTや東急ハンズなどで入手できると思います。
A4サイズがあるのでファイリングには魅力的。

 

 

 

黒い台紙を使う場合も、あらかじめ台紙に穴を開けてリングファイルに綴じてもいいのですが、あくまでも特別感を出すために台紙ごとクリアファイルに入れてもいいと思います。
貼り付けた記事は守られ、見栄えもよく、まさにとっておきのスクラップブックといえるでしょう。

 

 

お気に入りのノートに貼る

もっと手っ取り早いのは、お気に入りのノートに貼ってしまうという方法。
雑貨屋でたまたま見つけた異国のノートであるとか、雰囲気のあるノートであるとか。
そういう素敵なノートにとっておきのスクラップを貼りつけていくのはいかがでしょうか。
ノートだけですでに特別感があるので、スクラップブックが完成した時の感動は相当なものになるでしょう。

私の場合はこちらのノートがそれ。
不思議な猫たちがいっぱいのイタリアのノート。
単に字を書くのではもったいないので使うのに尻込みしていたのですが、スクラップブックにすることにして大正解。

 

 

文房具に関する記事だけを何年にも渡って貼り付けています。
幸い文房具に関する記事は小さなものが多く、B5サイズのノートにもまとめることができていますが、大きなサイズのものは別途ファイルに入れています。


いかに「好きな気持ち優先」とはいえ、スクラップのサイズとノートのサイズなど、我に返る必要がある要素があるのも事実。
そこは冷静に判断したいですね。

 

 

 

長期保存をみすえた工夫

このように、「好きだから大切に保存したい」という気持ちでスクラップブックを作るのはとても楽しいことです。
しかし、楽しいだけでは失敗してしまうこともあるので、以下にスクラップの長期保存をみすえた工夫についてまとめてみたいと思います。

長く同じシリーズで保存したい場合

好きな記事を好きなノートに貼るのも確かにわくわくするのですが、この先もずっと同じノートにスクラップし続けたい!と思う場合もあるかもしれません。
特別感のあるノートを棚にいくつか並べるのも素敵ですが、同じシリーズのノートをずらっと並べるのもなんだかかっこいいですよね。
その場合はロングセラーになっているアイテムを選ぶ必要があります。

例えばこちらはマルマンのスケッチブック。
見た目も可愛いし、このシリーズで揃えるのも楽しそう。
スケッチブックなので紙が丈夫なのもいいですよね。


 

が、いくらロングセラーといえども、絶対にメーカーが仕様を変更しないと言い切れないのがつらいところ。


コクヨのキャンパスノートなどですら数年おきにロゴや背表紙の色が変わるわけで、「絶対」というのはないことも心に留めておきたいものです。
ただし、100円ショップのアイテムなどよりはロングスパンで考えることができるでしょう。

かさ張るクリアファイルが気になる場合

次に、スクラップの整理にクリアファイルを使う場合のファイルの選び方について。
クリアファイルにはいろいろな種類があり、それらの多くは100円ショップでも入手できますが、ファイルに少しお金をかけることでファイリングが快適になることもあるのです。

例えばクリアファイル独特の「かさ張り」。
長期保存でクリアファイルの数も増えてくると、こうしたこともストレスになりがち。

その点を改良したアイテムに、コクヨの「ノビータ」というクリアファイルのシリーズがあります。
中身の容量に応じて背幅が広がるという仕組みなのですが、ポケット数の割にスリムで重宝しています。
安さのみに走らず、さまざまな工夫がこらされたメーカー品を賢く使うのも必要な知恵です。


 

 

のりの変色が気になる場合

最後に、スクラップを貼り付ける場合の「のり」について。
新聞記事をノートに貼り付けたはいいが、時間の経過とともに変色してしまったということはありませんか。
これはのりに含まれている「酸」が原因だと言われています。

そこでのりを選ぶ時の目安として、「アシッドフリー」という表示に着目する方法があります。
これは「のりに酸を含んでいない」ことを意味する表示で、酸による写真や紙の変色や劣化が抑えられることから、スクラップブッキング等に推奨されています。

テープのりやスティックのり、液体のりなど、各メーカーが商品の開発に力を入れていますので、店頭で商品を選ぶ時の参考にしてみてはいかがでしょうか。
あまりこだわりすぎるとコストもかかってしまうので、優先順位をつけて使用するのが賢いと思います。

ちなみに私は日々の新聞のスクラップには普通のスティックのりを使い、前述の文房具のスクラップにはアシッドフリーのテープのりを使っています。
前者は仮に変色しても、それも「思い出」と受け入れるつもりでいます。

おわりに

スクラップの整理というとなんだか面倒くさかったり、大がかりだったりするイメージを持たれるかもしれませんね。
確かに「失敗しないようにやろう」と思うと、始める前にあれこれ方法を考える必要があり、それだけで疲れてしまうこともあります。

しかし「この記事は捨てられないから置いておきたい」「大好きな記事ばかりを集めてノートを作りたい」という当初のわくわくした気持ちを思い出し、とにかく出来ることから始めてみるというのが一番いいのかもしれません。
そしてその中でいろいろな失敗があり、次はこうしてみよう、ああしてみよう、と思いながら、しだいに自分らしいスクラップブックができるのではないかと思います。

長々と書いてきましたが、これまでに挙げた方法のどれか一つでもヒントになれば幸いです。
私自身もまだまだ模索を続けながら、楽しくスクラップを続けていけたらと思っています。

 

著者 猫町フミヲさんの経営するカフェ
古雑貨・手づくり雑貨カフェ「木琴堂
http://mokkindou.exblog.jp/

〒678-0174
兵庫県赤穂市砂子(まなご)95-6
営業日 木・金・土曜日
営業時間 10:00-16:00

 

 
 コラムニスト情報
猫町フミヲ
現在地:兵庫県赤穂市  |   職業:古雑貨カフェ経営

はじめまして。
猫町フミヲと申します。
古雑貨カフェ「木琴堂」を経営しています。

いろいろなことを考えたり、感じたりしながら毎日を丁寧に生きたいと思っています。
文房具と猫と相撲と月と青と一人でいることが好きです。
どうぞよろしくお願いします。

◆木琴堂ブログ「月、火、水、木琴堂。」
http://mokkindou.exblog.jp/

◆文房具ブログ「無罫フォント」
http://mukeifont.exblog.jp/

 

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