赤ちゃんの肌荒れ「乳児湿疹」の原因とケア方法!石鹸洗浄と保湿を行い、乾燥を予防しよう

執筆者: colonna
生後数週間~4ヶ月頃までの乳児湿疹

生まれて数週間を過ぎた頃、ツルツルだった赤ちゃんの皮膚に異変が起こり始めます。

眉毛の上・髪の毛の生え際・おでこ・ほっぺたなどに、赤い小さな湿疹やフケのようなカサカサしたものが出てきます。

 

これは「乳児湿疹」の中の「脂漏性湿疹」というタイプのものです。

お宮参りの頃に悪化してしまうケースも多く、慌てて皮膚科へ駆け込むご両親もいるようです。

 

 

脂漏性湿疹の原因

この「脂漏性湿疹」の原因は、赤ちゃんの皮脂にあります。

 

赤ちゃんは意外と皮脂が多いのです。

特に母親のホルモンの影響が大きい生後3~4ヶ月までの間は皮脂分泌が多い期間になります。

 

さらに、皮膚の毛穴や代謝機能も未熟なので、どうしても大量の皮脂が毛穴に詰まりやすくなってしまいます。

この皮脂が毛穴に詰まり、炎症を起こしてしまうことが、初期の乳児湿疹(脂漏性湿疹)の原因です。

 

このタイプの乳児湿疹の場合は、後に説明する「洗浄」と「保湿」の中でも、「洗浄」に重点を置いてあげると良いでしょう。

もちろん、洗浄してきれいになった毛穴にきちんと蓋をしてあげるために、保湿も欠かさないようにして下さいね。

 

 

生後4~6ヶ月以降も発症する乾燥性湿疹

乳児湿疹が最もできやすい時期は、秋~春(9月~翌4月)頃と言われています。

それは、薄くて弱い0歳児の皮膚が、冬の乾燥に耐えられないためです。

秋~冬生まれの赤ちゃんは、月齢が低いうちに冬を迎えてしまうため、特に乳児湿疹が悪化しやすいと言われています。

 

乾燥が原因の乳児湿疹の特徴は、顔だけでなくお腹・太ももなど、体中の乾燥しやすい部位に出来ることです。

おむつのテープが当たる腰の部分も注意が必要です。

 

加湿器などを使って、湿度を保った部屋にいる時間を長くすることで悪化を防ぐことも可能です。

部屋の湿度を50~60%程度に保ちましょう。

 

しかし家庭環境によってはどうしても外出の機会が多くなってしまうと思います。

外出は皮膚が乾燥し、炎症が強くなりやすいので、保湿には充分気を配る必要があります。

ベビーカーにはカバーをかけてあげたり、顔回りや手足に直接風が当たらないように気を付けることも大切です。

 

 

脂漏性湿疹と、乾燥性湿疹が続けて起こる場合

皮膚が弱い赤ちゃんの場合、最初は脂漏性湿疹ができ、続いて乾燥性湿疹が起こってしまうケースも少なくありません。

 

特に、夏~秋に生まれた赤ちゃんは、ちょうど脂漏性湿疹が治まる頃に乾燥する冬を迎えるため、スキントラブルが継続してしまいがちです。

皮膚の状態をよく観察し、皮膚科医とも相談しながらスキンケアを変えていくと良いでしょう。

乳児湿疹のケアの基本は「洗浄」と「保湿」
大切な石けん洗浄

痛々しい発疹が出来ていると、どうしてもその部分をそっとしておきたくなります。

しかし、皮膚を洗わなかったり、お湯だけでそっと洗っていると、皮脂がしっかり落ちずに炎症が悪化してしまいます。

ベビー用の石鹸をよく泡立て、手のひらで優しくこするように顔・体を洗ってあげましょう。

赤ちゃんを片手に抱いて固形石鹸を泡立てるのが難しい場合は、ポンプ式の泡石鹸がおすすめです。

 

特に皮脂が多い赤ちゃんの場合は、ベビーソープよりも、無添加の固形の石鹸(石鹸素地100%または純石鹸分99%と表記されるもの)が良いと言われます。

 

 

保湿剤は赤ちゃんに合ったものを

赤ちゃん用の保湿剤は、ローションタイプ、クリームタイプ、オイルタイプなど、様々なタイプのものが売られています。

 

美容にも効果のある、バーユ(馬油)が良かったという声もあります。

どのタイプの保湿剤が合うかは、赤ちゃんの体質によって異なります。

数種類は試す覚悟で、最初は大瓶よりも小さなパッケージのものを購入して試すと良いでしょう。

 

皮膚科で処方される保湿剤は、「プロペト」と呼ばれるものがほとんどです。

これは、ワセリンの不純物を取り除いたもので、皮膚に潤いを与えるというよりは、皮膚から水分を蒸発させない役割を持っています。

余計な成分が入っていないため、皮膚が荒れてしまうことがないのも特徴です。

 

市販では、ワセリンがほぼ同じ役割を果たしてくれるお薬です。

 

皮膚科に行くか迷ったら

赤ちゃんがいるお母さんが一番気になるのは、「皮膚科に行くべきかどうか」だと思います。

しっかり洗浄・保湿を行っても改善が見られないのであれば、なるべく早い段階で皮膚科に行った方が、結果的に治りが早くなります。

 

ステロイド剤を使うのが心配という声もよく耳にしますが、赤ちゃん用に弱いステロイド剤を処方してくれるので心配はいりません。

逆に皮膚の炎症を長引かせることで本格的なアトピーへ移行してしまったり、強いステロイド剤を使わなければいけない程炎症が悪化してしまうケースもあります。

 

受診する科は、小児科ではなく皮膚科を選びましょう。

乳児湿疹は、赤ちゃん自身が痒がって掻き壊してしまったり、よく眠れなかったりと、母子共に辛いものです。

すぐに痒み・炎症を取り除いてあげたいならば、やはり皮膚科を受診し、指示の通りに保湿や薬を使ってあげるべきです。

皮膚が丈夫になってきたら、少しずつ市販のローションなどで様子を見るように移行していくと良いでしょう。