和食作法の基本、日常の食卓マナーとは -お箸の順番と扱い方・おかわりの仕方・汁物やお椀蓋の扱い方-
こんにちは。マナーサロン「ノブレス」の野村英子でございます。
さて、大人の嗜みとして、和食マナーはぜひ身に付けておきたいものですが、まずは日々の食卓の中でのマナー、お箸のこと、ご飯について見直して参りましょう。
日常のお箸の上げ下げが、いざというときの所作に出ます。
忙しさに流されがちな日常の食卓に、新鮮な風を入れることが出来るでしょう。
箸は、6世紀に仏教の伝来とともに、中国から伝わったとされています。
箸は元々、神様にお供え物をするときの「神器」でした。
箸は、古事記の中にも、スサノオノミコトが出雲の国で、箸が川の上流から流れてきたのを見て、上流に人が住んでいたことを知り、このことがヤマタノオロチ退治につながったという話もあります。
時を経て8世紀の奈良時代に、箸食文化が浸透してきました。
「箸先は左」には、きちんとした理由があります。
箸先を左に向けるのは、お日様のエネルギーを箸先に宿すためだとといわれています。
南に向かって座ると、太陽は東の左から昇ります。
この考えは中国から伝わりました。
皇帝は、不動の北極星を背に、南に向かって座るとき(天子ハ南面ス)、お日様は左(東)から昇ります。
日の昇る左が上位。
よって、日本の礼法では左上右下(さじょううげ)のルールに従っています。
おさらいしておきましょう。
三手で、ワルツのリズムように。
- 右手親指、人差し指、中指で、中央から少し右を上から取ります。
- 次に左手は、箸下に軽く添えます。
- 右手を、箸に沿って右の方向に滑らせ…
- 箸の中心より右の位置を、下から持ちます。
- 左手を離します。
お箸置きは、代わり映えしない食卓に彩りを添えます。
また、リーズナブルなものでも、可愛い箸置きを見付けるのも楽しいものです。
そして何より、お箸の上げ下ろしが自然と丁寧になります。
「作法」というと、堅苦しいイメージかもしれませんが、その意味を知ると「なるほど!」と実践していただけると思います。
日本人にとって大切な米、ご飯もやはり、左側にセットします。
おかわりをするときは、両手で「おかわりお願いします」の心でお茶碗を差し出します。
そして受け取る側は、両手でお茶碗の縁に手をかけないように持ちます。
このとき、両手とも、3本の指で持つと美しく持つことが出来ます。
ご飯を装うときは、親指と人差し指でお茶碗の糸底を摘むように持ち、他の指で茶碗を支えます。これは、お相手のお茶碗の縁を汚さぬようにという心遣いです。
蓋付きのお椀の場合、利き手の親指と人差し指で摘むようにして、まずは半分ほど、縁に沿って空けていくと美しい所作となります(もう一方の手は、お椀に添えると良い)。
空けた蓋は、お椀の右上辺りに裏返しにしておきます。
また、下の写真のような手のひらに乗る大きさの器は、手に持っていただきます。
汁が垂れるのを、手で受ける手盆(手皿)はしないように。
和食は、器を手にとって楽しむものでもあります。
ただし、天ぷらや刺身などの大きな器は、持たないようにして下さい。
いかがでしたでしょうか。
先人から伝わる日本の心を、日常の食卓にぜひ活かして下さいね。
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はじめまして。マナーサロン「ノブレス」主宰(madam-n.com/)
野村英子(ひで子)です。
京都呉服商の家に育ち、国際線CAを経て、PHP研究所等でマナー講師として活躍後、現在のマナーサロン「ノブレス」を主宰。
国際的マナーから伝統的な日本のマナーを「いまどき」にアレンジして
日常に活かせるマナーを提案しています。
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