うま味たっぷり万能調味料!「昆布と焼き干し魚の和風レモンソルト」の作り方レシピ
こんにちは、昆布料理研究家の岩佐優です。
日本の「だし汁」はインスタントです。
近年は、料理人でも鰹節を削らない人が多いそうですね。
今は「最初から削ってある物」で、だし汁を取る人が大半なのだそう。
鰹節を削る専門の業者さんが沢山あるのですね。
また最近は、削りかすが出るから嫌だと「液体調味料」を使う人も増えているそうです。
海外(主にヨーロッパ)ですと、フォン(だし汁)を取るのに、数時間はかけています。
しかし、日本の「だし汁」は、鰹節と昆布を沸騰させる時間が少々あれば完成しますね。
これは、鰹節や昆布自体に相当の時間と手間を掛け、それ自体がほぼインスタントの「だし汁の素」として完成しているからです。
なので、昆布鰹節だし汁は、少し手を加えるだけで、だし汁が簡単に引けます。
ただお湯が沸く間に、鰹節を削ったりする手間が掛かるだけなのです。
しかも、良質なタンパク質を20~30種類も含んでいて、必須アミノ酸もバランス良く含んでいます。
ある意味天然のアミノ酸飲料なのですよ。
今回は、そんな昆布と塩を使ったさっぱり万能調味料をご紹介します。
レシピ紹介の前に、だしについていくつかお伝えしたいことがあります。
料理家である私は、二種類のだしを使い分けます。
簡単に言うと「薄味のだし汁」と「濃い口のだし汁」です。
濃い口のだしは、文字通り、濃い味のだし汁です。
昆布主体と鰹節主体の二種類があります。
昆布主体の場合は、昆布を20分以上煮出して、鰹節を入れてさっと漉します。
鰹節主体の場合のポイントは、写真のような厚削りの鰹節を、たっぷり使います。
この場合、昆布は早めに引き上げて、鰹節を入れて20分以上煮出します。
うどん、蕎麦つゆ用のだしが完成です。
昆布のグルタミン酸を前に出すか、鰹節のイノシン酸を前に出すかで変わってくるのですね。
味が優しく、上品な香りと昆布と鰹の風味を楽しむ「お吸い物」は「薄味のだし汁」です。
前のコラムでご紹介した「一番だし」です。
日本の「だし汁」は、古来から簡単で、且つ必要な栄養分までバランス良く兼ね備えた、究極のインスタント食品です。
ただし、削った瞬間から、酸化が始まり劣化していきますので、削ったらすぐに使う、もしくは食べるようにして下さいね。
朝、味噌汁を作ります。
作らないところもあるでしょうね。
この味噌汁は、近年「だし入りの味噌」といった「味噌汁の素」が、たくさんスーパーの食品棚に並んでいますが、基本は味噌汁に「だし汁」は要りません。
「昆布水」があれば申し分ないのです。
味噌は発酵食品であり、それだけで美味しいスローフードです。
長寿で有名な沖縄料理の優れたところは、濃い口の鰹だし汁を主体とした、だしの味で料理の味を決めることです。
その証拠に、長寿県の沖縄の鰹節の使用量は日本一です。
なんと日本平均の5倍弱。
塩の使用量は、全国平均の50%。
典型的な減塩生活です。
塩をだし汁で置き換えたら、今すぐ減塩生活が出来ます。
しかも、ビックリするほど美味しいです。
厚削りの鰹節を見直してみませんか?
きっと、カツオパワーに驚くはずですよ。
私の定番の昆布を使った調味料をご紹介します。
昆布と焼き干し魚のレモンソルト。
塩味の効いた、昆布の薫る磯の香り。素直に美味しい一品です。
杜松(ねず)の実と一緒にどうぞ。
- 国産のレモン 4コ
- 粗塩 1と1/2カップ
- 切り刻んだ昆布 10g
- 焼き魚のあら 適量
(もう一度こんがり焼きます) - ジュニパーベリー・杜松(ねず)の実 4粒
(無くてもOKです) - ローズマリー 数本
- タイム 数本
1.
レモンを洗います。
水気を拭き取り、1個を4~5等分の乱切りにします。
2.
清潔な瓶に、塩・レモン・昆布、香辛料、焼き魚、塩の順に重ねて入れ、一番上に塩がくるようにして詰めます。
冷蔵庫で保存をし、時々瓶を振って上下を返し、様子をみましょう。
1週間後から使えますよ。エキスが出てくるのは1ヶ月後です。
サラダに、お造りのタレに、餃子のタレに。様々な料理に使えますので、組み合わせを自在にアレンジして下さいね。
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