地震、津波、土砂災害…土地の危険度を記した「ハザードマップ」活用方法

執筆者: 田井能久 職業:不動産鑑定士

こんにちは、不動産鑑定士の田井能久と申します。

 

先日、広島で大規模な土砂崩が起き、多数の犠牲者が出る痛ましい災害が発生してしまいました。

天災とはいえ、何らかの予見が出来なかったことが、悔やまれるところであります。

 

持ち出す術がないのが不動産の欠点

命の確保が最優先ではありますが、あのような災害が発生してしまうと、最も高価な貴重品といえる不動産は、持ち出す術がなく、その価値を一瞬にして無くしてしまいます。

 

その点が銀行預金や貴金属との大きな違いで、不動産の最大の欠点であります。
それを回避するためには「災害が起きにくい場所」を選んで、不動産選びをする必要があります。

 

それための方法として、前回のコラムでは地名を一つの参考にすることや、古い地図を見て歴史を探ることの必要性を述べました。

 

そしてさらに「ハザードマップ」も合わせてご覧頂くと良いと思います。

 

ハザードマップについて

「ハザードマップ」とは、洪水、津波、土砂などの想定される様々な災害に対し、このエリアはどのぐらいの危険性があるということを図示したもので、各地方自治体が中心となり作成されています。

 

良く、市役所の防災対策課などで配布されているものでもありますが、国土交通省でも全国の状況が分かるポータルサイトを作り、その周知を図るようにしています。

 

国土交通省ハザードマップポータルサイト
http://disapotal.gsi.go.jp/index.html

 

Wikipedia引用

 

ハザードマップの活用方法

この図面を見て、改めてご自身の土地や、ご自身が購入予定であったり、引越しをする予定の地域が、どのような危険性があるのかを認識しておくことが、災害に備えるための第一歩になるのではないかと思います。

ただし、この図面を過信するのは厳禁です。

事実、広島で発生した土砂災害に関しては、このハザードマップ上で、豪雨などが起こった場合にその発生の危険性が極めて高い「レッドゾーン」として指定されている場所もありました。

しかし、そのような指定を受けていない場所でも被害が起きています。


あくまでも、このような資料は、今までのデータに基づいて作成されるので、前代未聞とか想定外の事象にはとても弱い側面があるのです。

 

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

安全な土地探しの重要なポイントは、自らで少しでも情報を集め、業者さんや他人の評判を鵜呑みにしないことであると思います。

ハザードマップも、情報収集の一つの手段として活用してみて下さい。

 
 コラムニスト情報
田井能久
性別:男性  |   現在地:愛知県名古屋市  |   職業:不動産鑑定士

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