イタリア・トスカーナのワインに囲まれた豊かな生活 -キャンティの歴史、文化と特徴-
イタリアは、全ての州でそれぞれ特徴のあるワインが作られています。
イタリアのワインは、ワイン規定DOCG、DOC,IGT,VDTの4つにランク付けされていますが、特にトスカーナ州は、品質の良いワインが数多くあります。
ご存じの方も多いと思いますが、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ、ヴェナッチャ・ディ・サンジミニャーノなどが挙げられます。
トスカーナには、スペール・トスカーナと呼ばれているワインがあります。
規定ではテーブルワインのクラスですが、生産量が少ない為、レストランなどでは200ユーロ以上する希少価値のあるワインもあります。
また、キャンティ・クラシコという有名なワインもあります。
そこで今回は、キャンティ・クラシコ地域のワインのある暮らしについて、ワイン作りをしていた祖父から話を聞いてみました。
イタリアのキャンティワインと言えば、藁で包まれたボトルで有名です。
昔は、日本でもスーパー等に並ぶ、不味い、安価なイメージがありました。
それはキャンティとラベルを貼れば大量生産で売れ、偽物が流通されたこともあったらしいです。
その後法律が改正され、この地方の歴史と伝統のあるワイン生産者達は、キャンティの名前を守る為に組合を作りました。
この地域(ガイオレーインキャンティ、カステッリナーインキャンティ、ラッダインキャンティなど7つのコムーネ(市)の地区)が、特定指定地域とされキャンティ・クラシコとしてシンボルのガッロ・ネロ(黒雄鶏)のラベルが、ビンの口に貼られるようになったそうです。
これらの生産地は、自然指定地域にもなっており、葡萄畑とオリーブ畑が丘陵地帯に広がり、トスカーナの田園風景が、季節ごとにとても綺麗な場所でもあります。
イタリア(トスカーナの人達)にとって、ワインはとても身近なものです。
ワイナリーではなくても、葡萄農家の人達は、自分達の飲むだけのワインを作っていたり、ワイナリーへ瓶を持って行きリットル単位で買っています。
1ℓのテーブルワインだと2ユーロぐらいからあり、誰でも買うことが出来ます。
彼らにとって、暮らしには欠かせない飲み物なので、食卓にはいつもワインがあるのです。
10月になれば、それぞれの街でワイン祭りや収穫祭があります。
それぞれのワイナリーが、自慢のワインを披露し、世界中から訪れる買い付けの人達で賑わいます。
収穫祭は、中世の衣装を身にまとい、街をパレードすることにより、大地の恵みに感謝し、収穫を祝う伝統的な秋祭りなのです。
秋には、ポルチーニ(日本の松茸のような茸)、栗、トリュフなどが収穫されます。
午後、夕食までの時間に焼き栗をつまみながらワインを飲んだり、バール(イタリア・スペインなどの軽喫茶店)で一杯のワインを飲みながらお喋りしたり。
特別なことではなく、むしろ自然な暮らしの1コマのように感じます。
イタリアの人達にとって、ワインはすごく身近な飲み物で、気取らずに楽しんでいます。
食卓で会話を楽しみ、食事を美味しく食べる為のワイン。
そのような存在なのです。
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トスカーナ州のシエナ郊外の街でイタリア人夫と猫1匹。
毎日笑いあり怒りあり、アバウトな事ありありのイタリア暮らし。
イタリア生活:ブログ名(イタリアからピアッチェレー)http://soloitalia.exblog.co.jp
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