日本の空は安全か?航空会社の安全性ランキングと、飛行機の機種毎で見る事故確率とは
今回も航空機事故について取り上げます。
今回は航空会社の安全性ランキング、航空機の機種毎の事故率、そして日本の空の安全性についてのお話になります。
旅行や出張などで、皆さんが普段良く利用される航空会社は果たして安全なのか?皆さん気になるかと思います。
では、果たしてどこの航空会社の安全性が高いのでしょうか。
これについては、様々なランキングが公表されていますが、今回は一例として、航空会社の安全性を格付けしているAirline Ratingsから、2013年度のランキングが発表されていますのでご紹介します。
調査対象は全世界の448社の航空会社で、そのトップ10は以下の通りです。
参考までに、エミレーツ航空、エティハド航空、ヴァージン・アトランティック航空は割と創立間もない航空会社ですが、その他の航空会社は、創立から時間が経過している老舗(レガシーキャリア)と呼ばれる航空会社です。
本当に安全性が高いと言えるのはレガシーキャリアの方かもしれませんね。
この他様々な格付け会社のデータが公開されています。
会社により指標の取り方が異なりますので、必ずしも同じ順位とはなりませんが、登場する航空会社の顔ぶれはほぼ同じと言えると思います。
航空会社の安全ランキングを見てみましたが、では航空機の機種別の安全性はどうなのでしょうか。
こちらはairsafe.comからデータが公開されています。
データは2013年までのデータです。
航空機は航空会社によって運航されますが、同じ機種でも安全度の高い航空会社は、機体の整備をきちんと行っていると言えます。
そのため、一概に航空機の機種により安全度が違うとも言い難い面もあります。
MはMillion(100万回)UNK:データなし
(現在日本の国内線で乗れる機種は朱書きしてあります。)
此処で注意して頂きたいのは航空機の機種毎の事故割合ですが、同じ機種でも更に航空会社ごとの事故率の差が大きく出ます。
事故率が低い機材でも、事故率が高い航空会社が使う機材はどうしても事故率が高めに出る傾向があります。
航空機の本当の安全性とはハード(機材)とソフト(航空会社)の全体バランスが大事と言う事ですね。同じ機種でも、古いタイプか新しいタイプかにより事故率も変化が出ます。
一例ですが、ボーイング747型機、クラシックジャンボと呼ばれる747-400型以前の機種は、100万回当たりの事故件数1.02に対し、ハイテクジャンボと呼ばれる747-400型は0.07となっています。同じ747型機でも、違いがあるのが判ると思います。
国土交通省の運輸安全委員会(JTSB)から、国内航空会社の事故件数及び発生率が公開されています。
以下のグラフは、1974年から2014年10月現在までの、航空事故の推移です。
年により変動はありますが、年々減少傾向にあることが分かると思います。
残念ながら、減ってはいますが、まだ事故がゼロといった年はないですね。
航空事故発生件数推移
下の表は、重大インシデントと呼ばれる航空事故の推移を示したグラフです。
航空法第76条の2では、航行中に他の航空機との衝突・接触の恐れがあった場合と、「事故が発生する恐れがあると認められる、国土交通省令で定める事態が発生したと認めたとき」(同法)は、機長が国土交通大臣に報告することが義務付けられています。
この報告義務が発生する事態のことを、重大インシデントとしています。
少し難しいですが、乗客乗員の怪我等が発生した場合に該当することが多いようです。
こちらもその年により変動がありますね。
航空事故重大インシデント件数推移
航空事故の死亡者についてですが、国内の航空会社では、1999年7月23日に発生したANA61便ハイジャック事件で、人質となった操縦士1名が残念ながら犠牲(殺害)となられましたが、1984年8月12日に発生したJAL123便の墜落事故以来、今日現在まで約29年間、乗客が死亡する航空事故は発生していません。
国内航空会社の安全性は世界トップレベルにあると言ってもいいでしょう。
過去の事故やトラブルの教訓、再発防止策等により、航空機自体の安全性は日々向上しています。
これからも、航空需要は右肩上がりとなると思います。
統計データから見ても、航空機は安全な乗り物の一つといえると思います。
更に、安全性を高めた新鋭機の登場等、航空を取り巻く世界は変化すると思います。
これからも安全最優先で、事故のない空を目指してほしいですね。
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