冬の綺麗な星空、時期と観察ポイント -オリオン座・冬の大三角形・ふたご座-
空が澄んでくる冬は、星も綺麗に見えます。
ぜひ、星空を眺めてみませんか?
今回は、冬の星空案内を致します。
オリオン座は、冬の星座の代表格です。
季節ごとに見える星座は、変わっていきます。
年中見えるわけではないので、その点は少し注意が必要です。
昇るオリオン座
12月なら、夜8時頃に東の空に見えますが、2月になると、同じ夜8時でもほぼ南の空高くに位置します。
また、12月でも、0時にはほぼ南に見えます。
明るい星が多く特徴的な星並びですので、位置さえ気をつければ、すぐに見つけられると思います。
オリオン座
ほぼ南に見える時は、写真の様に真っすぐに立っているように見えます。
昇ってくる時の写真と比べると、傾きが違うので、探す時には注意して下さいね。
オリオン座には、明るい2つの1等星があります。
赤いベテルギウスと、青白いリゲルです。
ベテルギウスは、超新星爆発を引き起こすかもしれないと話題になりましたので、聞き覚えがある方もいらっしゃるでしょう。
三つ星という明るい3つ並んだ星を挟んで、対峙しているように見えることから、赤いベテルギウスを平家星、白いリゲルを源氏星と、平家の赤旗、源氏の白旗に見立てた和名もあります。
日本でも、古来から親しまれてきた星々なのでしょう。
オリオン座自体にも、鼓星(つづみ星)の和名があります。
さて、明るい三つ星の下(南)に、縦に3つ小さく星が並んでいるのが、写真で○で囲んだ小三つ星です。
肉眼でも、縦に3つ星が並んでいる様子が見えます。
このうち、真ん中の星が、ぼんやりと滲んでいる様に見えます。
これが有名なオリオン座大星雲です。
もしお持ちなら、ぜひ双眼鏡で眺めてみて下さい。
双眼鏡で見たオリオン座大星雲(イメージ)
淡くぼんやりとした星雲の広がりが見られます。
郊外の様な街明かりの影響が少ないところでは、この写真のイメージよりもさらに広がって、鳥が翼を広げた様な姿を見ることが出来ます。
540mmF5.4 屈折望遠鏡による撮影
写真に写すと、とてもカラフルで美しい天体なのですが、残念ながら双眼鏡では色まで感じることは出来ません。
固定撮影法でも、小さいながらも赤い星雲が写りますので、前回・前々回のコラムを参考に、撮影にもチャレンジしてみて下さい。
オリオン座を見付けたら、次は冬の大三角形を探してみましょう。
星座探しの基本は、1つの星座を見付けたら、その周りから探していきます。
冬の大三角形
これは西に傾いている時の写真ですので、実際に探す時には角度に気を付けて下さい。
オリオン座よりやや遅れて、明るい星が東から昇ってきます。
オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウスの3つの1等星を結んで出来る三角形を、冬の大三角形と呼びます。
特に、おおいぬ座のシリウスは、ギラギラと明るく輝いています。
惑星を除けば、最も明るい1等星です。
『焼き焦がすもの』という意味があります。
冬の大三角形の真ん中には、天の川が流れています。
固定撮影法でも、暗い空の下では、天の川の星々がしっかり写ってくれます。
ふたご座
冬の大三角形の上に、もう1つ明るい星があります。
ふたご座のγ星アルヘナです。
明るさは2等星ですが、冬の大三角形の上にあるので、見付けやすいことでしょう。
この星は、ふたご座の足にあたります。
さらに東側に2つ並んだ明るい星が、頭の部分のカストルとポルックスです。
写真を参考に、ふたご座もぜひ探してみて下さい。
毎年、12月14日前後にふたご座流星群がピークを迎えます。
14日に限定という訳ではなく、前後1、2日は比較的活発な活動が見られます。
1時間に60個ほどの流れ星が見られますが、実際には、全天を見渡せるわけではない為、1時間に見られるのは15~20個ほどです。
流れ星を見たことが無い人は、ぜひ夜空を見上げてみて下さい。
ふたご座流星群
今年は夜半から月が出てくる為、ふたご座が昇ってくる22時頃から夜半頃までがチャンスです。
写真にも、比較的写しやすい流星群ですので、ぜひ撮影にもチャレンジしてみて下さい。
今回は、オリオン座を中心とした冬の星空の紹介をしました。
初詣など、夜に出かける機会に、ぜひ夜空も見上げてみて下さい。
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銀河鉄道999や、ボイジャー2号の写真などで、子供の頃から宇宙に興味を持って以来、天文に興味を持ちました。
デジタルカメラのおかげでアマチュアでも、図鑑の様な写真が撮影できる様になり、すっかりとのめり込んでしまいました。
星空の魅力を伝えていければと思って、天体観望会のお手伝いなどもしています。
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