妊娠中の肌荒れトラブル、原因は?症状別スキンケアポイント

妊娠中の肌荒れトラブル、原因は?症状別スキンケアポイント (1/2)

スキンケアカウンセラー 松原 好克
はじめに

こんにちは、スキンケアカウンセラーの松原好克と申します。

「おめでた」が分かった後は、お腹の赤ちゃんのことで精一杯。
そのお気持ちは、よく分かります。

 

 

ポイントを押さえたスキンケアなら、1日たった10分弱

しかし、出産後も美肌を維持するためには、妊娠中も最低限の手入れは必要です。
難しいことではなく、ポイントを押さえたスキンケアを実践すれば、1日10分も掛かりません。

このコラムでは、妊娠中に出やすい3つの肌トラブルと最適なスキンケアについて、詳しくお伝えします。

妊娠すると、肌の調子が乱れるって本当?

妊娠すると、肌の調子が乱れるというイメージがありますが、実はそうでもありません。
人によって個人差があります。

 

肌状態が良くなる人も

妊娠前と比べて、逆に良くなる人もおられますし、ほとんど変わらない人もおられます。
そのような人は、今までと変わらないスキンケアを続ければ問題ないでしょう。

肌状態が悪化しても慌てない

注意が必要なのは、明らかに肌状態が悪化した場合ですが、ここで大切なことは、決して慌てないことです。
妊娠中の肌トラブルは、大抵一時的なもので、出産後に改善することが多いのです。

頬骨辺りに、左右対称にモヤッと。シミの一種「肝斑」

「肝斑」はシミの一種で、女性ホルモンのバランスが崩れることで発症すると言われています。

 

肝斑の特徴

頬骨辺りに、左右対称にモヤッと広がるようにできるのが特徴です。

 

薄い茶色や灰褐色のものが多く、比較的形ははっきりしています。
稀に、鼻下(口上)や額にできる人もおられます。

老人性色素斑と間違えやすい

注意が必要なのは、一般的なシミ(紫外線や加齢による老人性色素斑)と間違えやすいということです。
専門的な書籍を見ると、「肝斑だと思い込んでいた人の大多数が、実は老人性色素斑だった」というデータもあります。


つまり、肝斑の割合はそれほど多くないと考えられるため、判断に迷う人は、皮膚科を受診しましょう。

紫外線対策を忘れずに

肝斑は、出産後に徐々に薄くなる人がほとんどなので、意識過剰になる必要はありません。
しかし、シミの仲間には変わりはなく、日焼けをすると沈着してしまうこともあるので、紫外線対策は行いましょう。

 

肌負担の少ないパウダーファンデーションがベスト

肌への刺激が大きい日焼け止め専用化粧品ではなく、負担が少ないパウダーファンデーションの活用がお勧めです。
ファンデーションの顔料に含まれる酸化チタンや酸化亜鉛は、紫外線散乱剤として使われているため、UV表示のないものでも、日常生活レベルの紫外線はカットしてくれます。

内服薬も有効

肝斑は、「トラネキサム酸(トランサミン)」や「トランシーノ」という内服薬が有効です。
ただし、ごく一部の人に対しては、効果が無いことが確認されています。

 

また、肝斑以外のシミには、高い作用は見込めないようです。

 

胎児への影響を考えて、まずは皮膚科に相談を

心得ていただきたいのが、妊娠中の薬の服用は、胎児に影響を及ぼすこともあるため、市販の肝斑薬は自粛して、必ず皮膚科での判断を仰ぐことです。

 

ホルモンバランスの変化が原因 「敏感肌」

妊娠すると、肌が敏感になる人がいます。

 

  • 手、髪、タオル等が肌に触れただけで、痒みや発赤などが出る
  • 長年問題なく愛用している化粧品が、ピリピリしみるようになる 

 

など、ホルモンバランスの変化が主な原因で、僅かな刺激に反応するようになります。

なるべく肌に触れない

刺激は、敏感肌にとって大敵です。
気になるのはわかりますが、なるべく肌に触れることは避けてください。

 

 

クレンジングや洗顔は、優しく、手短に

敏感な肌は、摩擦によってさらに進行しやすくなるため、クレンジングや洗顔は、優しく手短に行うことです。
マシュマロがへこむか、へこまないか程度の力加減が最適で、それぞれ1分以内に済ませましょう。

化粧水を止め、保湿化粧品のみで様子を見る

化粧水は、敏感な肌には不向きです。

肌が敏感になった時は、保湿美容液や保湿クリームのみで様子を見ましょう。

 

配合されている保湿成分は、セラミド・ヒアルロン酸・コラーゲンなどが良いです。

なお、多くの成分が入り混じっている化粧品ほど、刺激反応を起こすリスクが高くなるため、全成分がシンプルなものを選ぶこともポイントです。

 

保湿化粧品をつけただけでもしみる場合

市販のワセリンを塗布し、肌が落ち着くのを待ちましょう。

 

メイク料は軽いものにする

メイク料は、肌に優しいパウダーファンデーションがベターで、クレンジングが不要で洗顔料のみで落とせるルースパウダー(粉おしろい)がベストです。

十分な睡眠を摂る

皮膚の回復を助ける睡眠を、1日7時間以上確保しましょう。

バランスの摂れた食事を心掛ける

ビタミンが豊富な、緑黄色野菜(ニンジン・春菊・ほうれん草・ピーマン・かぼちゃなど)を中心とした食生活を心掛けましょう。
加えて、大豆食品(豆腐・納豆・豆乳など)やヨーグルトも、毎日摂り入れると良いですね。

妊娠中は、皮脂腺が活発に!「オイリー肌」

妊娠すると、皮脂腺が活発になり、皮脂(顔の脂)の分泌が増える人がいます。
その影響で、ニキビが出やすくなる、毛穴が開き詰まりやすくなる、メイクが崩れやすくなるなどのトラブルに繋がります。

ビタミンC誘導体入りの化粧水を使う

ビタミンC誘導体は、若干ですが、皮脂の分泌を抑える作用と皮脂の酸化予防効果があります。

 

  • パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na
  • 3-O-エチルアスコルビン酸
  • リン酸アスコルビルMg
  • アスコルビルリン酸Na


と表記されたビタミンC誘導体がお勧めです。

 

これらは、水に溶ける水溶性成分なので、化粧水やローションに多く配合されています。

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