あるカップルの指輪に関する物語

こんにちは、リングプランナーの飯田馨です。

 

プランニングをする際には、単に婚約指輪や結婚指輪の指輪そのものを作る以上に、「作るコンセプト」を大切にしたご提案をしています。

 

その中には、これまでの常識に縛られない感動と喜びを増やす自由な発想で、想いを指輪に込める喜びと幸せを二人で共有して絆を深めて欲しいという願いが込められています。

 

婚約指輪と結婚指輪は別々のもの?

多くの方は、婚約指輪と結婚指輪は贈るタイミングや意味、デザインの違いなどから、別々のものと思っていませんか?

 

例えば、婚約指輪は、宝石などをあしらった比較的華やかなものをイメージしたり、宝石は「硬く、永く続く愛」などの意味合いを込めてダイヤモンドが相応しい、「想いが変わらない」などと意味合いを込めてプラチナを選ぶことが一般的になっています。

 

 

華やであるものが故に、現在では婚約指輪のいる・いらないと世論が分かれる原因のひとつにもなっています。

 

そもそも、男性が「結婚を決めた証」として女性に贈ったことが始まりで、婚約指輪には想いが込められたカタチであることには変わりありません。


今回は、あるカップルの物語をご紹介したいと思います。

 

最初は、彼が婚約指輪を自分で手作りしたのが始まり

プロポーズをすることを決め、指輪は自分の想いを形に残したいと言って、婚約指輪を自分で手作りした彼。

 

そこには宝石こそありませんでしたが、完成した指輪を見て本当に自分で作った指輪なのかという程の出来栄えに感動され、手に取った時に特別な意味を感じたそうです。


数週間後、プロポーズの成功報告のご連絡を頂きました。

 

プロポーズ成功後、今度は、彼女が結婚指輪を手作りすることに!

それから数か月間が経過しました。

結婚の日取りが決まり、今度は、彼女が彼の結婚指輪を自分で手作りしたいとのご連絡を頂きました。

 

彼とは数か月ぶりの再会で、新婦になる彼女さまと3人で打ち合わせしました。

彼女が指輪についてどう思っていたのかが気になり、話を聞くと、「彼が一生懸命手作りしてくれた、一生の宝物だし、周りからの評判も良い」と誇らしげに語ってくださいました。

 

婚約指輪も、婚約期間中に身につけるものとしての役割を、しっかりと果たしていました。

 

 

手作りの指輪をもらった喜びと幸せを共有したい

この喜びと幸せを一生懸命手作りしてくれた彼にも味わって欲しくて、彼女も結婚指輪を自分で手作りすることを決意したそうです。

 

目標は、1年前に彼がプロポーズしてくれた日に決定しました。

 

指輪制作へ

数週間後、おひとりで工房にお越しになり、指輪を制作して頂きました。

彼女がどんなデザインを作るかは、完成した指輪を贈るまでのサプライズとなります。

 

彼が手作りした指輪を元に、彼女がデザイン

彼女が考えたデザインは、彼が手作りした指輪から誕生しました。

その段階を踏むことで、彼女の婚約指輪は結婚指輪と変わります。

 

指輪は、誓いの証から、愛の証に!

つまり、誓いの証から愛の証になるのです。

結婚指輪は「結婚の証」であり、夫婦の絆を深めるものです。

 

今回、彼女が手作りをしたことで、彼の自分への想いをさらに理解を深めるきっかけにもなったそうです。

 

 

おわりに

今回ご紹介したカップルは、婚約指輪から始まり、結婚指輪で完結する長期的なコンセプトがありました。

 

彼が望んだ結婚指輪が、女性からの婚約の意味を含めた手作りの結婚指輪だったとすれば、悠久の婚約指輪と結婚指輪の意味と歴史において自然な流れであり、とても素敵な物語ではないでしょうか。

この記事を書いたコラムニスト

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