見てるだけで楽しい!空港で働く車5種(ANA編)

空港で飛行機を牽引したり、コンテナを運搬したりしている、カッコいい車を紹介。グランドハンドリング業務で使用するGSE車両の名称や役割の内容がわかります。

執筆者: 奥之園 誠 職業:航空アナリスト
飛行機周辺で見かける「グランドハンドリング業務」で活躍する車たち

飛行機周辺や滑走路で働く「グランドハンドリングスタッフ」。

以前、その業務内容についてお話ししました。

 

●関連コラム

空港で働きたい女子に人気!「グランドハンドリング」の仕事とは(ANA編)

 

今回は、少し視点を変え、グランドハンドリング業務で活躍する車たちにスポットを当てて、ご紹介したいと思います。

 

航空業界用語!グランドハンドリングに使われる車両の総称は「GSE」

グランドハンドリングに使われる車両は、いずれも特殊な車両で、その用途により様々な車両が存在します。

それらの総称は、「GSE(Ground Support Equipment)」と呼ばれます。

 

出発前の航空機の周りには、車がたくさん!

出発前に、ぜひ展望デッキへ上がり、自分の搭乗する航空機を眺めてみてください。

航空機の周りには、多くの車両と、きびきび動くグランドハンドリングスタッフの姿が見えると思います。

例えば、下の写真のように。

 

出発前の航空機の周りは、こんなにたくさんの車両がいるのです。

どの車両が、どんな作業をしているか、各車両の名前と用途をご紹介していきましょう。

 

出発準備中の航空機の様子

力持ちの航空機牽引車「トーイングタグ」

グラハンの醍醐味は、やはり航空機の牽引やプッシュバックではないでしょうか?

この航空機牽引車は、通称「トーイングタグ」と呼ばれます。

 

航空機は自力でバックできないため、この航空機牽引車が、自力滑走できる位置まで航空機を押し出してくれます。

大型トーイングタグでは、全長:7m、幅:2.8m、自重:40 – 50t、エンジン排気量は14,000 - 15,000 cc、で300t以上もある大型機をプッシュバックできます。

 

トーイングタグは、前後どちら向きでも運転しやすいように、操縦装置が両方の向きに取り付けられているのが特徴です。

牽引やプッシュバックの際など、航空機の前輪(ノーズギア)は「トーバー」と呼ばれる棒で連結されます。

 

航空機のプッシュバックの様子(オレンジ色の棒がトーバー)

乗客の手荷物を運ぶ「豆タグ」&「コンテナドーリー」

空港カウンターで預けた手荷物は、専用のコンテナに入れて航空機に搭載されます(一部機種によりコンテナを搭載できない機材あり)。

そのコンテナを運ぶ台車を「コンテナドーリー」と呼びます。

 

なお、複数台接続したコンテナドーリーは、「トーイングトラクター」という車両で牽引されます。

この「トーイングトラクター」は、航空機を牽引するトーイングカーとの混同を避けるため、“豆タグ”とも呼ばれ、小型ながら2t~4tの牽引能力があります。

 

展望デッキからこのトーイングトラクターとコンテナドーリーを見ていると、まるでウミヘビが泳いているようにも見えます。

 

コンテナドーリーを運ぶ「豆タグ(トーイングトラクター)」

航空機へのコンテナ積み込みはお任せ!「ハイリフトローダー」

トーイングトラクターで牽引されたコンテナの航空機への積み込みは、「ハイリフトローダー」と呼ばれる車両で行います。

 

昇降機を備えているので、地上のドリーの高さから、航空機の貨物室の高さまでコンテナを上下します。

床面にはローラーがついており、重たいコンテナもスムーズに航空機内へ収納することができます。

なお、ハイリフトローダーの運転席には椅子はなく、立ったまま運転します。

 

コンテナを搬出中の「ハイリフトローダー」

バラ積み荷物は、ベルトコンベア搭載の「ベルトローダー」で搬入

一部の機材を除き、機体の後部に設けられたバラ積み貨物室に荷物を出し入れするときに使われる車両で、「ベルトローダー」と言います。

車体にベルトコンベアが搭載されており、荷物の搬入・搬出を行います。

 

なお、この後方貨物室を「バルクカーゴルーム」といいます。

バルクカーゴルームは、客室同様に与圧されており、ペット等はここにゲージごと搭載されます。

 

バルクカーゴルームへ荷物を搬入中。「ベルトローダー」のベルトコンベアが大活躍!

 

機内食の搬入もグラハンの仕事?

みなさんが機内で召し上がる機内食や飲み物も、特殊な車両を使って機内へ搬入します。

こちらもグランドハンドリングの業務だと思われがちですが、実は違います。

機内食や飲み物を機内に搬入するのは、ケータリング会社のスタッフです。

 

機内へのケータリングに使用される車両を「フードローダー」と言います。

機内食工場で作られた機内食を運搬する車両で、荷台が旅客機のドアの高さまで持ち上がり、カートに収納された機内食などを機内に搬入します。

 

ケータリング作業の様子(中央のトラック)

航空機1機に携わるグランドハンドリングフタッフは、何名?

機材にもよりますが、到着から次の出発まで間に、国内線で約50分~60分、国際線で60分~100分程度の時間が必要となります。

 

この間に、グランドハンドリングフタッフは、コンテナや手荷物の搬出・搬入を含めたさまざまな作業を行うわけですが、1機あたり何名体制で担当すると思いますか?

羽田空港においては、基本3名体制で行います。機種や手荷物や貨物の量によっても変動します。

 

まさに、彼(彼女)らのチームワークが必要不可欠なのです。

 

ANAグループで使われているGSE車両の一部をご紹介しました!

航空機の定時運航に向けて作業をテキパキとこなすグランドハンドリングスタッフ。

従来は男性の仕事というイメージがありましたが、最近は女性の進出も多く、女性スタッフも多く見かけますね。

雨の日も、風の日も、暑い真夏でも、凍える真冬でも常に屋外で、定時運航に向けて真摯に作業に取り組むグランドハンドリングスタッフには、賞賛を送りたいですね。

 

また、グランドハンドリング業務に使われる車両(GSE車両)は、今回ご紹介した以外にもまだまだあります。

機会がありましたら、またご紹介したいと思います。

 

なお、本コラムにおける車両の呼称や、グランドハンドリング業務の内容については、ANAグループでの呼称、内容であり、航空他社では異なる場合がありますのでご注意願います。

 
 コラムニスト情報
奥之園 誠
性別:男性  |   職業:航空アナリスト

航空ブロガー、航空検定1級。

はじめまして。
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