それって「季節性うつ病」かも?! 秋冬になると、気分が落ち込む・甘いものが無性に食べたくなる…。
秋から冬にかけて症状がよく見られる「季節性うつ病(冬季うつ)」と「非定型うつ病」の違いを紹介。寒い時期にはやる気が出ず、食べる量や睡眠時間が増えるのに、春になると治るなら「季節性うつ病」かも?
こんにちは。メンタルケア心理士の桜井涼です。
「怠けているだけじゃないの?」と言われがちな『非定型うつ病』は、多くの人に知られるようになってきました。
一方、寒い時期だけうつ症状が出てくる『季節性うつ病』というものもあります。
この2つは、似たような症状がありますが、違う病気です。
寒い時期になると、急にだるくなったり、ひどい疲れを感じたりするなどの症状でお困りの方が多いと聞きます。
今回は、その違いについてみていきましょう。
会社に行かなければならなくなると具合が悪くなり、休日や趣味などを行っているときは元気になる。
こういった症状の出方をする『非定型うつ病』は、「怠け病」なんて呼ばれたりすることがありますが、これは間違いなく心の病です。
非定型うつ病では、次のような症状が見られます。
【過眠や過食】
一般的なうつ病とは逆です。
【体が重くて動けない(鉛様疲労感)】
手足に鉛をぶら下げているかのような重だるさがあります。
【拒絶性過敏症】
「否定されているのでは?」という気持ちが強くなります。
【気分反応性】
まわりの状況に応じて、気分が浮き沈みします。
【不安・抑うつ発作】
わけもなく涙が流れたり、落ち込んだりします。
【怒り発作】
突然怒り出し、手がつけられなくなってしまう場合もあります。
非定型うつ病は、気分反応性があるため、甘えや怠けているのではないかと思われがちです。
甘えなら、ずっと甘えの状況を見せてきているはずです。
非定型うつ病の場合は、この症状が突然現れます。
ですから、甘えや怠けといった言葉では片付けられません。
季節が変化する時期に、抑うつ状態(落ち込みなど)が起こります。
特に、冬に多くみられる傾向にあります。
これは、日照時間が短くなることが関連しているのではないかとされています。
季節性うつ病では、次のような症状が見られます。
【過眠や過食】
特に、甘い物が食べたくなります。
【強い疲労感】
重だるさを感じて、やる気が起こらなかったりします。
【拒絶性過敏症】
「否定されているのでは?」という気持ちが強くなります。
【気分反応性】
周りの状況に応じて、気分が浮き沈みします。
このように非定型うつ病と症状が似ていますが、季節によってうつ状態と躁状態の起こり方が違います。
冬になると落ち込みが強くなるという場合(2年以上続く)は、受診することをお勧めします。
秋頃から徐々に症状が増えてきたり、急に不安や落ち込みを感じるようになったりといった症状が続くときは、早めに休息を取るのが賢明です。
もし、落ち込みがひどくなったり、日常生活に支障が出たりするようになった場合は、自己判断をせずに受診をしましょう。
「メンタルヘルス科を受診するのは、ちょっと抵抗がある」というような場合は、心療内科がある病院への受診をお勧めします。
また、不安感や落ち込みは、誰かと話すだけでも少しずつ改善されることがありますので、カウンセラーに話を聞いてもらいに行くのも一つの手です。
「休むことは、良くないこと」と感じてしまう人が多いようです。
ですが、体と同じように、心も病気にかかるのです。
そのことを理解して、十分に休息を取ったり、受診をしたりしてほしいと思います。
非定型うつ病も季節性うつ病も、心の病です。
我慢したりせず、受診やカウンセリングを受けて楽になるようにしましょう。
この2つは、決して怠けや甘えで起こるものではありません。
それだけは、理解をしなければならないことなのです。
- 参考書籍 貝谷 久宣. 非定型うつ病 パニック症・社交不安症 (よくわかる最新医学) . 主婦の友社
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