好印象を与えるお金の渡し方!立て替えてもらったお金や月謝など、スマートに払ってる?

習い事の月謝や、飲み会の後日精算など、身近でお金を受け渡す際に気をつけたいマナーを紹介。冠婚葬祭のときのような堅苦しさは不要ですが、ちょっとした心遣いができると、相手が受ける印象は大きく変わります。

執筆者: 矢野 誉美 職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ
身近で金銭を受け渡すときのマナーは?

こんにちは。マナープロトコール講師の矢野誉美です。


私たちが生活をする中で、お金を受け渡しする機会は案外多くあります。
冠婚葬祭のときのご祝儀や不祝儀などの取り扱いについては、マナーの本などにも数えきれないほど掲載されているため何となく理解していても、日常生活におけるお金の渡し方についてはそれほどマナーを意識していない方もいらっしゃるようです。

 

今回は、より身近にある金銭の受け渡しについてご紹介したいと思います。

 

 

お金を渡すときのマナーの根底にあるのは、日本人の「包む文化」

みなさん思い出してみてください。

今までの経験で次のような場合、どうやって金銭を受け渡ししていましたか?

 

  • 友達同士で食事をして、お会計を割り勘にした場合
  • 習い事の月謝や学校のPTAの会費を支払う場合 など

 

そもそも、食事代を割り勘にするような懇意の仲であれば、その場でお財布からお金を取り出し、お互いに支払いを済ませるでしょう。

一方、月謝や会費などは、何らかの形で「袋」に入れてやりとりをしていることがほとんどです。

これは以前のコラムでもご紹介しましたが、私たち日本人の「包む文化」が根底にあります。
お年玉を代表とするように、お金は相応の袋に入れて受け渡します。

 

 

大切なものは「包んでお返し」が基本!

お金はとても大切なものですし、貸し借りや授受の方法次第ではトラブルの原因になるものです。

大切なものは、基本的には包んで相手に渡します。

ですから、少額でも借りたお金を返金する場合は袋に包んでお返ししましょう。

 

また、渡す側も受け取る側も両手で授受するのが基本です。

 

 

お金を渡すとき、どんな袋に包めばいいの?

それでは、どのような袋に包めばいいのでしょうか。

慶事や弔事でない場合は、これといった決まった袋の定義はありません。

 

今では、雑貨店や100円ショップでも、可愛らしいポチ袋などをたくさん取り扱っています。
どのような袋を選ぶかは、渡す相手のことを考えてみるのが一番の方法です。


年配の方であれば落ち着いた柄のものを、子どもであれば可愛らしいキャラクターのデザインなどはいかがでしょうか。
また、季節感が溢れるものだと、印象深くセンスよく感じられるかもしれません。

 

「懐紙」を使うのも素敵

その他、お金を包むという方法の一つで便利なのが、「懐紙」を利用することです。

感謝の気持ちを込めて直接その本人にお金を渡す場合に、お礼を述べながら懐紙に包んだものを渡すと、さり気なく、なおかつ丁寧さも伝わるはずです。

 

 

お札は新札でないといけないの?

身近なお金のやり取りですから、ご祝儀のように新札でないといけないというルールはありません。

ですが、あまりにもお札に皺が多かったり、汚れていたり、破れていたりするものは避けた方が無難です。

また、裏表や上下を揃えた方が、その人の丁寧さが表れますね。

 

 

できると素敵!ちょっとした心遣い
小銭を渡す場合

小銭の場合は、できれば最大金種で揃えるようにしましょう。

お金の価値に違いはありませんが、大量の小銭をじゃらじゃらと渡すより、すっきりした金種の方がもらった側も取り扱いがしやすいはずです。

 

みんなからお金を集めている人に渡す場合

例えば、ある人がまとめて支払って後日精算するケースもありますよね。

立て替えた代表者に対して、複数の人がそれぞれお金を渡す場合は、包んだ封筒に名前日付金額を書くのも相手に配慮した素敵なマナーです。

もらった側が、いつ、誰からもらったものか分かるようにしておく思いやりを忘れずに。

「困った!包むものがない…」そんなときは?

外出先など、急に相手にお金を渡さなければならない場合、手元に包むものがないことの場合がほとんど。

でも、慌てなくて大丈夫です。

もし、包む袋がなくても「このままで申し訳ありません」と一言添えればそれで大丈夫。


マナーとは相手への思いやりです。

形式ばかりにとらわれず、その場に合った振る舞いができれば問題ありません。

 

大切なのは、相手を思いやること。

「お金を渡す」という身近な作法ですが、普段何気なくやっている行動も思い返すと、相手への配慮がたくさん詰まっていることに気づくのではないでしょうか。


「お金」という人類共通の価値があるものだからこそ、しっかり取り扱うことが大切です。

マナーとは、すべて相手の立場に立って物事を考えること。

作法だけにとらわれずに、その時々に合った心遣いができるのが大人のマナーの上級者と言えるのではないでしょうか。

 
 コラムニスト情報
矢野 誉美
性別:女性  |   職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ

外見だけでなく、内面も同時に磨けたら。
マナーとは敷居の高いものではなく、産まれてから今日に至るまで日々、家庭の中で育まれてきたものです。

『人』とのコミュニケーションの基礎になるマナーの本質をしっかりと身に着けて頂くために、親から子へ・・・引き継がれるべきマナーについて、優しく、そして自分自身のブラッシュアップの為のマナーセミナーを開講しています。

マナーを軸として『サロン(仕事)に活かす』『ライフスタイル(生活)に活かす』という2面からフォーカスした楽しく吸収できる知識をお伝えしています。
接客業20年のキャリアから、『リピーターを作る』に特化した接客メソッドを確立。現役でホテリエを続けながら、サロネーゼ向けのマナーレッスンを銀座にて開講。

顧客満足=スタッフ満足=わたし、満足 をゴールとして、サロン・クリニックに特化した接遇マナーレッスンも大好評

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