業務提携契約書はどちらが準備する? 弱い立場になりやすい中小企業こそ、お任せにせず「作る側」に!

業務提携の話がまとまり「どちらが契約書案を作りますか?」と言われたら、チェックする側でなく、作る側を選ぶべき。その理由を行政書士が解説。交渉を有利に進めるために、戦略的に契約書を活用していきましょう。

執筆者: 大森靖之 職業:行政書士
業務提携するとき、「どちらが契約書を作りますか?」という話になったら…

こんにちは。ビジネス法務コーディネーター®行政書士の大森靖之です。


春になると過ごしやすい季節になるとともに、多くの企業は新年度を迎え、ビジネスが活性化します。

このせいか、「業務提携」に関する契約書のご相談が多くなってきます。

 

その中でも一番多いのは、次のような切り口でのご相談です。

 

「業務提携がいい感じでまとまり、どちらが契約書案を作るかという話になりました。

とりあえず相手に契約書を作ってもらうようにしようと思うのですが、それに変なことが書いてないか見てもらっていいですか?」

 

こういったご相談をいただいた場合、即座に「まだ間に合うようでしたら、急いで契約書案を作りますので、こちらから出しませんか?」とお答えするようにしています。

 

 

「業務提携」は利害のせめぎ合い

交渉段階でいくら良い感触で「業務提携」が決まったとしても、あくまでビジネスですから、お互いの利害のせめぎ合いは必ずあります。


「業務提携」に関する契約書の場合、後々に利害対立が発生しないように、予め利害関係を整理して調整しておくという観点が重要になります。


「契約」という法律的な観点よりは、「取引上のルール」という観点で検討したほうが、より良い契約書となる可能性が高まる事案でもあります。

 

ルールは作った側に圧倒的に有利!

「ルールは作った者に有利に働く」

これはどうにも避けられません。

 

終始相手のペースでの交渉になる

相手に契約書案を出してもらうと、相手の作ったルールをベースに「良い悪い」を検討していくことになります。

このため、終始相手のペースでの交渉になってしまいます。

 

不利な条件を押し付けられる危険性も…

しかも、いくら自社に不利な条件であっても、ある程度理屈の通った話を「ひっくり返す」のは困難を極めます。

さらに、力関係が弱い場合は、無理に近いです。

中小企業こそ「ウチの会社から契約書を出します!」という積極姿勢で

力関係で弱い立場になってしまうことが多いベンチャー企業や中小・零細企業。

だからこそ、「業務提携」の際に、契約書案をどちらが先に出すかで協議になったときには、ぜひ率先して「ウチの会社から出します!」と言っていただきたいと思います。

 

 

おすすめの交渉法は?

まずは、自社にできるだけ有利な条件を盛り込んだ契約書案を相手に渡し、お互いに協議しながら、落としどころを探っていく、そんな契約交渉をおすすめします。

 

契約書案を出したときの、相手の反応が心配…

「こちらから契約書を出すと、この業務提携の話が無くなってしまいそうで怖いです…」

こんな心配をされる方もいますが、時代は変わっています。

 

コンプライアンスが重要視される昨今では、契約書案を出した方が「規模は小さけれど体制の整った良い会社」と好意的に評価されることも多くなってきています。

 

これまで以上に「戦略的に契約書を活用していく」ことが重要に

読者の皆さまもお感じになっていると思いますが、年を追うごとに世の中が「契約社会」になってきています。

 

会社の規模や力関係で劣後するがために、さまざまな面で相手に譲らなければならないことが多い取引では、少なくとも契約条件では実を取るようなクセをつけることが大切です。

こうした積み重ねは、「今すぐ」には効果は現れないかもしれませんが、後々のことを考えると、良い方向に動いていくケースが多いように感じています。

 

これまで以上に、戦略的に契約書を活用していきましょう。

 コラムニスト情報
大森靖之
性別:男性  |   現在地:埼玉県さいたま市浦和区高砂3-12-24 小峰ビル5F 大森法務事務所  |   職業:行政書士

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