逃亡したカルロス・ゴーンに対し、日本がとるべき戦略(日本政府はどう対処すべきか?)

逃亡先のレバノンで、日本司法に対し痛烈な批判を世界に発信しているカルロス・ゴーン。彼に対抗するために、日本がとるべき最適な戦略とは?

執筆者: メイス

 

カルロス・ゴーンに、まさかの逃亡を許し、苦しい状況に置かれている日本政府。

日本の管理下から解放され、ある意味自由の身となったゴーンは、レバノンで世界中のメディアを集めて会見を開き、日本の司法を痛烈に批判した。今後も、自身の発信力を生かし、世界に日本の司法の問題と、自身の潔白(ゴーンの独自の解釈による)を訴えかけていくだろう。

 

ゴーンの会見を受け、すぐに政府として反論の会見を行ってみたものの、残念ながらインパクトに欠けていると言わざる得ない。また、現時点ではレバノン政府に対し、身柄の引き渡しを求めたり、国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配要請したりしているが、いずれも実効性が伴わず、有効的な手段とは言えない。

 

もはや打つ手がなく、地団駄を踏むばかりの状況だが、この状況を打破する戦略は存在する。

 

 

それは「世界の世論をうまくコントロールする」ことだ。

言い換えれば、ゴーンに不利なように(日本政府に有利なように)、大衆の感情に訴えかけるということだ。

 

 

現状、世界の世論は、国によってまちまちではあるが、少なからず、ゴーンを支持する人が存在しており、ゴーンは可哀そうな人で、日本政府が悪い(日本の司法制度に問題がある)と考える人は、思いのほか多い。

日本国内だけみれば、90%以上の人は、ゴーンに対して否定的(問題があると考えている)だが、

海外では、正確ではないが、その割合は50%程度ではないだろうか。

 

今後、ゴーンがメディアをうまく使って、日本政府への批判を繰り返せば、世界の世論は、ゴーン支持により傾く可能性もある。そうなれば、日本政府は極めて不利な状況になる。

 

世論は世論であって、司法の問題や国と国との関係とは別ということも言えるが、実際は世論に大きく左右されるものだ。だからこそ、世論をうまくコントロールする必要がある。

 

では、どうやって世論を、ゴーンに不利なように(日本政府に有利なように)導くか。

 

それは、一旦、ゴーンの行為(違法出国以外の当初の罪状)が有罪か無罪か(違法か適法か)という点を指摘するのではなく、論点を少しずらして、ゴーンの行為が、いかに強欲で私利私欲を満たし、倫理・道徳に反するもの、ということをアピールすることだ。

 

ゴーンが逃亡しなければ、あくまでゴーンの行為が違法か違法でないかを争うべきだが、国外に逃亡してしまい、裁判すら行えず、有罪を確定できない状況である今は、ゴーンの行為の倫理的な問題を強く世界の一般市民に訴えるほうがよいだろう。

 

ゴーンの行為が仮に違法でないとしても、その内容をみれば、いかに強欲で、私腹を肥やし、日産やルノーから金を巻き上げ、自分だけ楽しんでていたか、ということがわかるはずだ。

※ゴーンの行為(違法性を問われている行為及び日産・ルノーから受け取った報酬・その他物品の状況)は他のソースで確認いただきたい

 

仮に違法でなければ、確かにその会社(日産・ルノー)の問題なので、会社内で解決すべきものだが、

違法でないとしても、倫理的・道徳的に大きな問題があり、この事実を知れば、会社の社員のみならず、一般大衆は怒りを覚えることは明らかだ。

 

現時点では、恐らく海外の人たちは、その内容を把握しているとは言えないだろう。

逆に、その内容・事実を、世界にアピールすれば、90%以上の人は「ゴーンは許せない」「ゴーンは悪い奴だ」という考えを持つはずだ。

だからといって「日本政府を支持する」、ということにはならないが、「ゴーンは悪者である」という世論が形成されることは間違いない。

 

ゴーンが悪者である、という世論が大きくなり、レバノンやフランスの一般市民が、ゴーンに対する怒りを持ち、一部がその感情を爆発させることがあれば、日本政府としてはしめたものだ。

 

レバノン政府もその世論を無視できなくなり、日本への送還要請に対し態度を軟化させる可能性もある。

さらには、怒った一般市民が、ゴーンを襲撃する、というようなことも起こりうる。

そう、前回のコラムで書いたような「暗殺」が現実味を帯びてくる。

 

日本政府としては、直接的に指示をすることなく、ゴーンが暗殺されることとなれば、ある意味、とても都合の良いことだろう。

 

もちろん、海外の世論を上記のようにうまくコントロールできれば、という話ではあるが、うまくやれば、十分に有利な状況を作りだせるはずだ。

そのためにも、違法かどうかは一旦置いておき、ゴーンの非倫理的な行為をアピールすべきだろう。

 

ゴーンに負けないようなインパクトのある会見ができればいいが・・・・恐らくそれは期待できないので、SNSを駆使して海外の一般市民に訴えかけるのが得策だろう。

アラブの春ではないが、SNSをうまく活用し、世論をゴーン=悪者というイメージを作る。その戦略を日本政府がとるのか、はたまた自然発生的にそうなるか。

 

いずれにしても、日本政府はうまく論点をすり替える戦略をとり、世界の世論を味方につけてゴーンに対処すべきだろう。

 

 
 

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