ストレス解消に効くヨガ&ピラティス -自宅で出来る呼吸法とポーズ-
こんにちは、美姿勢インストラクターの美宅玲子です。
前回は「ヨガ&ピラティスの視点から考えた、腸内環境をリセットし自律神経を整える3つのポイント -デトックスレシピ・正しい腹式呼吸のやり方・腹筋の鍛え方-」をご紹介しました。
今回はヨガ&ピラティスの視点からストレスを解消する対処法をご紹介したいと思います。
私たちは、心と体を分けて捉えることがあります。
A)お腹(体)はいっぱいなのに、目(心)は欲しくて食べる。
B)温泉に入って体が温まったら、心も満たされた。
心と体がバラバラに動くこともあるし(A)、どちらか一方の変化に連動してもう一方が変化することもありますね(B)。
分けて考えられる意味について、東洋医学ではこのように表現されています。
「心の疲れ(不調)は体(を動かして)で治す
体の疲れ(不調)は心(を動かして)で治す」
嫌なことがあって塞ぎ込んでいた時、運動をしたら爽やかな汗をかいて、体だけでなく心もすっきりした経験はありませんか?
体が疲れていて外出する気がしなかった時に、しぶしぶ言った先で友人との話に花が咲き、元気に帰ってきた経験はありませんか?
体で心を整え、心で体を整えることができるからこそ、私達人間は心と体が分けられるように生れついた、というのです。
心と体は分けて捉えられる一方、上記の例からも分かるように、相互に深く関わり合い影響し合っています。
心と体は気っても切り離せない『心身一如』という言葉もありますね。
ただ、心は目には見えず、実態が捉えにくいもの。
対して口は目に見えて、実際に動きや変化が客観的に分かりやすいという違いがあります。
ヨガは4000年以上前にインドで生まれたと言われていますが、「ヨガ」という言葉の語源は、サンスクリット語の「ユジ」=結びつけるもの、という意味があります。
実体がなく思い通りにならない、ふらつく心を体へと結びつけ、コントロールしようという意図があったと解釈されています。
呼吸や体の動きなどをコントロールする=「体を整える」ことで、心を整えようとしているのですね。
ピラティスは約100年の歴史がありますが、伝統あるヨガの影響を色濃く受けています。
どのような難しいエクササイズやポーズでも、呼吸を穏やかに整え、体も統制して動かしていきましょう。
それが自律神経にも働きかけ、どのような状況下に置かれても心は体と同じくブレることがなくなります。前向きで豊かな人生を送れるようにするという効果・目的があるのです。
これもやはり「体を整えることで心を整える」方法のひとつと言えます。
私たちは非常にストレスの強い環境の中で生活し、日々心を乱されることが多くあります。
実態が見えない心だからこそ、悪い方向に考えてネガティブな感情が増幅されてしまったり、それによって体調を崩したりすることもあるでしょう。
そこで、目に見える肉体を使い、呼吸や筋肉・骨などを意識的にコントロールするヨガ・ピラティスが役に立ちます。
早い動きの運動の場合、体をどう動かしているのか、呼吸をコントロールできているか分からなくなることが多いかと思います。
しかしヨガ・ピラティスは、呼吸と動作を合わせたゆっくりとした動きですので、無理なくフィードバックが出来ます。
激しい運動とは違った、充実感を伴う心地よい心身状態を作り出すことが可能なのです。
- 下腹に手を当て、胸やお腹の力を緩めて息を吸います。
- 下腹が膨らんできますので、息を吐きながら下腹に当てた手で軽くお腹を押さえていきます。
- 最後まで息を吐き切ります。
- ゆっくり細く長く呼吸を行います。
- 床に立ちます。
- 足裏で、地球の中心に向かって押すようなイメージを持って下さい。頭はつむじを天の中心に向かって刺すような感覚です。
- 長く強い軸が入っているように垂直に立ちます。
- クレーンを持ち上げるようにイメージしながら片脚を引き上げます。このとき、お腹を引き締め凹ませる力を使って下さい。
- お腹で脚をコントロールしている状態で呼吸を整えます。
片足立ちをして呼吸を整え、体をコントロールしている感覚を味わいましょう。
これらは身体から心を支える上において、手軽に実践できるヨガ・ピラティスと言えます。
呼吸で心を、お腹の力で体の動きをコントロールする方法をご紹介しました。
「体を整える」ことは、心を整えることでもあります。
ゆったりとした動きのヨガ・ピラティスは身体を整えながら心と向き合えるため、心身のケアに最適です。
アロマやリラクゼーション音楽などを組み合わせても良いかと思います。
心がつらい時、体が疲れた時など、自宅で気分転換に行ってみてはいかがでしょうか。
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ヨガ・ピラティス・美姿勢インストラクター。
東京学芸大学教育学部卒。中学から大学まで陸上競技(100mH、走幅跳)に打ち込み、全日本インターカレッジ出場。姿勢や効率の良い体の動かし方に興味がある一方、メンタルの繊細さもあり摂食障害になってしまう。大学卒業後に小学校教員となるが、「いい先生であろう」という無理を重ね、うつ状態のため2年半後病休を取る。
2004年に趣味で通っていたスポーツクラブに転職し、ヨガ・ピラティスと興味ある分野を活かせる仕事のおかげで心の病と腰痛を克服する。ストレスの多い日常でも心身の調子を整えられる素晴らしさを伝えるため、2008年に独立しフリーインストラクターとなる。
現在、首都圏のスポーツクラブ、自治体、公共施設でのサークルや個人のレッスンを受け持つ一方、外ヨガイベント、健康コラボイベントの企画実施、雑誌監修、コラム連載、DVD発売も行う。日々更新するHP、ブログ、YouTubeのエクササイズ動画も好評である。
HP「インストラクター美宅玲子 Re pure BODY」 http://mitakureiko.com
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