中国最古の伝統医学書「黄帝内経」とは?プロ鍼灸師が教える東洋医学入門
こんにちは。「葉山はり・きゅう接骨院」院長の葉山靖真です。
鍼灸、東洋医学を学ぶ学生の頃から「黄帝内経(こうていだいけい)」を研究してきました。
黄帝内経は、非常に奥深い医学書です。
しかし、一般に出回っている現代の黄帝内経に関する本は、どれもカタログのような表面だけの説明でしかありません。
文面の意味が、いま一つ説明できていないものがほとんどです。
専門家(医師、薬剤師、鍼灸師、柔道整復師など東洋医学にかかわる者や志す者)が読まれても解釈しにくく、また、実用的でないと思われてしまっております。
そのため、日本では、黄帝内経がほとんど認知されていません。
今後、黄帝内経の文面の意味を現代風に解釈し、このコラムで取り上げたいと思います。
「黄帝内経(こうていだいけい、こうていだいきょう、こうていないけい、こうていないきょう)」は、今から2000年ほど前に成立した中国伝統医学の根本をなす書物です。
そこには「人体の仕組み」「人はなぜ病にかかるのか(理解)」「それをどうしたら治せるか(治療方法)」「そもそも病にかからないためにはどうしたら良いか(予防)」が書かれています。
例えば、四季に叶うような生活態度を記していたり、食の養生法(食うべきか食わざるべきか)を説いていたり、飲酒と房事(性生活)について、睡眠と排泄、人の体質についてなどが挙げられます。
中国伝統医学というと、一見神秘的な印象を受けます。
しかし、実はしっかりした理論を揃えた当時の最先端の科学なのです。
現代医学とは別の、まさに「もう一つの医学」とも言えます。
そこには今日の医学では行き詰ってしまった医療の現場に、新しい道を切り開くヒントが満ちていると考えられています。
もちろん脇道などではなく堂々たる正道です。
「黄帝内経」誕生から2000年にも渡る医療の実践が、それを証明しています。
現代までの中国医学の流れの中で「黄帝内経」から逸脱するものはまずありません。
今後の発展の鍵もこの中にあります。
現在でも、中国は「黄帝内経」の啓蒙書がちょっとしたブームになっているほどなのです。
このような医学書ですが、一般の方々にとっては「専門的で難しい内容であり、専門家が読むもの」と思われがちです。
しかし、実は私達が生活の中で実践できる、身近な予防医学が多く記されています。
そこには、私達が誰でもできる「健康になる知識」があります。
今後、それを現代風に分かりやすく解釈し、一緒に学んで行きましょう。
「黄帝内経」は約2000年前に誕生しました。
西洋医学は、明治政府が推奨してからまだ約100年しか経っていません。
次回から、黄帝内経の中でも、病気にならないようにという予防医学的な側面を説明していきたいと思います。
長い歴史を持つ正道な「黄帝内経」を、一緒にひも解いていきましょう。
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