介護職を取り巻く福祉の現状と「介護職員初任者研修」について -ヘルパー2級より難易度は上がったのか?-

執筆者: 馬淵 敦士 職業:会社役員

みなさんこんにちは。

ベストウェイケアアカデミーの馬淵敦士と申します。

 

今回から「介護の資格」に関してお話を進めていきたいと思います。

資格の概要から資格取得までの流れ、そして資格を取ればどうなるか、みなさんが知りたい情報をお届けしたいと思っています。

 

 

介護職を取り巻く現状

さてはじめに、介護職の現状について少し触れておきたいと思います。

現在、施設職員やホームヘルパーを含めた介護職員はどの施設(特別養護老人ホームや有料老人ホーム)・事業所(デイサービスセンターやヘルパーステーション)でも不足傾向にあります。

これから高齢化が進むにつれてこの傾向はますます進んでいくとみられており、一人でも多くの介護職員の誕生が望まれています。

 

このコラムでは資格取得を目指している方にも向け、資格の種類や仕事内容などをお伝えします。

まず最初に、最近聞くようになってきた「介護職員初任者研修」についてご紹介したいと思います。

介護職員初任者研修とは
ヘルパー2級、なくなったの?

「介護の資格」と言われて、みなさんが真っ先に思いつくのが「ヘルパー2級」かと思います。

しかし、実は、今この「ヘルパー2級(正確に言うと、訪問介護員養成研修2級課程)」という資格は廃止されました!

案外このことが知られていなくて、私の学校にも「ヘルパー2級の資格をとりたい」というお声が多くあります。


それでは、これからみなさんがヘルパーのお仕事をしたいと思ったときにどんな資格を取ればいいの?というものが、今回ご紹介する「介護職員初任者研修(かいごしょくいんしょにんしゃけんしゅう)」という資格です。

これが「ホームヘルパー2級」の替わりに出来た資格となります。

介護職員初任者研修って、難しそう?

今までCMなどで流れていたり、みなさんの周囲でも人気の資格であった「ヘルパー2級」が「介護職員初任者研修」という漢字ばかりの堅苦しい名前に様変わりしてしまい、「時間数長くなったの?」や「試験とか難しくなったの?」などというお声がよく聞かれて、実は敬遠されてきました。

 

実際、ヘルパー2級が廃止される平成25年3月は最後の駆け込み需要があり、受講生が数倍にも膨れ上がりました。

一方、同年4月以降はその反動もあり、受講生が激減しました。

 

しかし「ヘルパー2級」が廃止された今、これから介護の資格のスタートラインはこの「介護職員初任者研修」となったわけですから、介護のお仕事をこれから目指されるみなさんは「介護職員初任者研修」について知っていただく必要があります。

介護職員初任者研修の意外と知られていない事実
ヘルパー2級より難しい?

さて、まずみなさんが質問される第一声が「介護職員初任者研修って、難しくなった?」ですよね。

おそらく字面だけ見ると、確かに難解な文字が並び、何をするんだろうという疑問が渦巻き「難しそうだからやめよう」となってしまうのは分かる気がします。

 

しかし、よく見てくださいね。

「初任者研修」と銘打っているのですがら、これを簡単に訳してみると「介護職員になるのに、初めて行う研修」ということです。

ですから、字面から難しい印象を受けても実は中身は全て「初心者向け」です。

当然、全く介護のことを知らないみなさんには「優しい」そして「易しい」内容になっています。

 

研修時間は伸びた?

また、時間数を見てみると厚生労働省が定めている規定によると、「ヘルパー2級」が130時間に対して「介護職員初任者研修」は130時間+修了評価(テスト)1時間となっています。

修了評価分だけ増えた気がしますが、実は修了評価に関しては都道府県によっては「ヘルパー2級」時代から行っていたところもあります。

 

また、「ヘルパー2級」の130時間に加えて、都道府県独自の研修(例えば私の住む大阪府では、人権啓発に関する基礎知識という講義が+2時間ありました)があるため、実は時間数にすれば減っている都道府県もあります。

 

これは意外と知られていない事実です。

まとめ

「介護職員初任者研修」がそれほど難しい資格ではない、ということがお分かり頂けたでしょうか。

 

次回からは、少し掘り下げて「介護職員初任者研修」について見ていきたいと思っています。

みなさんが是非資格を取得して、福祉の世界に飛び立っていただくことを目指して、一緒に学んでいきましょう。

 
 コラムニスト情報
馬淵 敦士
性別:男性  |   職業:会社役員

はじめまして。
大阪府豊中市でかいごの学校をしております、ベストウェイケアアカデミーの馬淵敦士と申します。
主として介護系受験対策講座の講師などで呼ばれたところへ飛んでおります。
また、教育分野をより深く探求するため、現在奈良教育大学大学院教育学研究科へ所属しております。
所属学会:日本児童青年精神医学会