介護保険制度の仕組み(歴史・認定年齢・被保険者)とは?いざという時に介護保険を受けられる人・受けられない人を事例別に紹介

執筆者: 馬淵 敦士 職業:会社役員
介護保険はいつから出来たか

みなさんこんにちは。
ベストウェイケアアカデミーの馬淵敦士と申します。

 

皆さんは「介護保険」という言葉を聞いたことがあると思います。

では、この「介護保険」という制度は、一体いつから始まったのでしょうか?

 

昔からあるようなイメージですが、実は始まったのが2000(平成12)年4月からなのです。

日本も高齢化の波を受けて、医療保険だけでは高齢者を支えていけなくなり、介護専門の制度が必要であろうと議論が重ねられ、ようやく誕生した制度です。

 

想像以上に高齢化が進み、何度か大きな改正が重ねられ、今に至っています。

 

介護保険は誰が使えるのか

介護保険を使いたいと思っても、介護が必要な人の誰もが使えるものではありません。

 

保険制度なので、いわゆる加入者(被保険者)であることが前提です。

ここでは被保険者について見ていきます。

 

介護保険には、65歳以上である第1号被保険者、40歳以上65歳未満で、医療保険に加入している第2号被保険者が存在します。

 

高齢者の制度とはいえ、条件が合えば40歳の方でも利用することが可能です。

逆に言えば、40歳になり、医療保険に加入していれば被保険者となり、保険料を支払わなければならないということです。

 

正社員の方で、39歳11ヶ月の時と40歳になった時、基本給は変わらないけれど手取り金額が少し減るのは、介護保険料が新たに天引きされるようになるからですね。

もちろん、パートさんでも会社で医療保険に加入している、もしくは国民健康保険に加入していれば介護保険料は支払わなければなりません。

 

 

介護保険が使えるかどうか 事例1

Aさんは69歳

息子さん夫婦と生活されています。

2階建ての一軒家で、Aさんの居室は1階にあります。

 

階段の上り下りをしなくても良いという息子さん夫婦の配慮ですが、Aさん自身は大変元気であり、共働きされている息子さん夫婦の替わりに家事全般を受け持ち、また、友人とカラオケに行くなど毎日忙しくされています。

 

ある日、いつものように掃除などをこなし、2階のベランダに洗濯物を干しに上がりました。

干し終わり、洗濯かごを持って1階に降りようとしたその時、なんと足を踏み外して転落してしまいました。

 

階段下でうずくまるAさんの元に、カラオケ仲間が家を訪れ、Aさんを発見。

Aさんに駆け寄りましたが、起き上がることが出来ず救急車を呼ぶことになりました。
腰の骨を折りしばらく入院、後遺症が残り退院した時は車いす状態となってしまい、介護が必要となりました。

さて、Aさんは介護保険のサービスを使うことができるでしょうか?

答えは○ですね

これはあまり考えずに答えることが出来たのではないでしょうか。

 

それでは次のケースを見てみましょう。

 

介護保険が使えるかどうか 事例2

Bさんは45歳、会社員で妻と二人暮らしです。

自宅は3階建てで、2階がリビング、3階が寝室となっています。

共働きでありお子さんはいらっしゃいません。


ある日、休日出勤をしなければならなくなったBさん、うっかり寝坊をしてしまいました。

慌てて飛び起き、リビングに向かうため階段に足をかけたその時、なんと足を踏み外して転落してしまいました。

 

慌てて妻が起き、Bさんに駆け寄りましたが、Bさんは起き上がることが出来ず救急車を呼ぶことになりました。
腰の骨を折り、しばらく入院となりましたが、後遺症が残り、退院した時は車いす状態となってしまい、介護が必要となりました。

さて、Bさんは介護保険のサービスを使うことができるでしょうか?

実は、答えは×なのです

Aさんと同じようなケースなのになぜと思われるでしょう。

 

実はBさんのような第2号被保険者の場合は、介護が必要になる理由が必要なのです。

おわりに

介護保険の制度に関して、ご理解いただけたでしょうか。

 

次回は、上記の「介護が必要になる理由」についてお話を進めていきたいと思います。

 
 コラムニスト情報
馬淵 敦士
性別:男性  |   職業:会社役員

はじめまして。
大阪府豊中市でかいごの学校をしております、ベストウェイケアアカデミーの馬淵敦士と申します。
主として介護系受験対策講座の講師などで呼ばれたところへ飛んでおります。
また、教育分野をより深く探求するため、現在奈良教育大学大学院教育学研究科へ所属しております。
所属学会:日本児童青年精神医学会