なぜ青色は食欲を減退させるのか?色食事心理から学ぶ料理の魅せ方と栄養バランス

執筆者: 野田敦子 職業:パーソナルカラーアナリスト
はじめに

 

色と食べ物、色と食事には切り離せない関係があります。

 

まず、青は食欲が減退するのでダイエットに良いと言われています。

しかし、世界中で一番好まれている色は、実は「青」なのです。

多くの国で「好きな色ベスト1」は青色です。


生物が地球上に生まれて以来、青い空と青い海こそが、命を繋ぐ上で何より大切だったからという説があります。

では、なぜ青はダイエットに良いと言われているのでしょうか。

 

 

なぜ青は食欲を減退させるのか

自然由来の食材の中に「青」は存在しません。
青に一番近いと思われる茄子やブルーベリーも、ほんの少しではありますが赤みを帯びた紺色です。

 

 

人間は生物として誕生して以来、食べものに「青」を見ることなく進化して来ました。
それがインプットされているので、青色に対して「綺麗」とは思っても「美味しそう」と感じることがありません。
食欲を減退させるというより、青色から食物や食事を連想することが無いのです。

ダイエットの為には、テーブルクロスやランチョンマットや食器などを青にすることがお勧めです。

さらに、照明の色みも、黄色みを帯びた電球色ではなく青みを帯びた照明にすることで、食べ物の色が青味掛かり、美味しそうに見えなくなります。

 

美味しそうに見せる色は赤や黄色系

 

逆に美味しそうに見せるには、赤や黄色系に見えることが大切です。


食事をする環境が赤みや黄色みを帯びていると、食欲が増進します。

ランチョンマットなどは赤や黄色系。

照明も、黄色や赤色の成分の多い電球色が良いでしょう。

一昔前は、ファミリーレストランやファストフード店では赤や黄色が多用されていました。
最近は、落ち着けるウッディーなカフェ調のインテリアカラーが主流になっています。

 

それらの空間に使われている色は、主にアイボリーやテラコッタ色やブラウンですが、実はこれらも、色相から見た元の色は黄色や橙や赤なのです。

 

そこに白や黒が混じることでアイボリーや茶色になっているので、やはり黄色や橙や赤が基調のインテリアになっています。

照明ももちろん、黄色みの多い電球色が食べ物を美味しそうに見せます。
さらに赤の成分の多い照明は、赤みの色をより濃く美しく見せるので、赤身のお刺身や肉の色を際立たせます。


海外の街角の市場の肉売り場で赤い照明が点いていて、買って帰った肉の色が店頭で見ていたのより白くて驚いたということも有ります。

 

食べ物同士の取り合わせ

では、食べ物同士の取り合わせはどうでしょう。

キーワードは「補色」です。
補色とは、色相環の反対側にある色の組合せのことを言います。

色相環

 

出典:Wikimedia Commons

 

グリーンサラダには緑の補色である、赤いプチトマトや赤パプリカ。
ラタトゥイユは青紫の茄子の補色に黄色いパプリカ。
トマトは、補色の緑のズッキーニが入っていることで、とても美味しそうになります。

 

 

色のバランスが良い献立は栄養バランスも良い

また、色のバランスが良く、見た目にも美味しそうに見える献立は、自ずと栄養バランスも良くなっています。

古代中国の陰陽五行説に由来した色にまつわる考え方が、中国韓国日本には古くからあります。


5つの色にはそれぞれ季節や、身体の臓器や、味覚と関わりが有り、食材も色ごとに5色に分かれています。それをバランス良く摂取することで、心身ともに氣の流れが良くなり、健康になるというものです。

 

食物の色を基本にした分類

上記の考え方がさらに研究され、現代に合わせて改良されたものも諸説あり、様々な分類法があります。

そこで、色を基本に、分かりやすく覚えやすい分類をご紹介したいと思います。

  • 赤=動物性タンパク質

肉・魚・ハム・ソーセージ・ツナ缶など、肉魚の加工品

 

  • 黄=豆類・イモ類・根菜

大豆とその加工品(味噌・しょうゆ・納豆・豆腐・油揚げ)・小豆・レンズ豆・ひよこ豆・そら豆・かぼちゃ・さつまいも・じゃがいも・玉ねぎ・らっきょう・ごぼう

 

  • 青=野菜・果物

(地上に生えているもの)

 

  • 白=穀物と乳製品 

米・小麦・パン・うどん・パスタ・牛乳・ヨーグルト・チーズ・バター

 

  • 黒=海藻・きのこ・ゴマ

 

食材の色が偏りがなく豊富であれば、それを素に作る献立も、神経質に考えなくとも栄養のバランスの良いものになります。

 

おわりに

食材は冷蔵庫にあり、その前は買い物かごにあります。

買い物をするとき、会計前に一度買い物かごを眺めて色のバランスを気にしてみると、自然に栄養のバランスの取れた食事へとつながります。

色はファッションやメイクなどの見た目だけでなく、食事を通じて、体にも、さらに心にも良い効果を発揮してくれます。

色を大いに活用して、外から内から健康で美しい暮らしに役立ててみて下さい。

 
 コラムニスト情報
野田敦子
現在地:奈良県奈良市菅原町  |   職業:パーソナルカラーアナリスト

oasis-color school主宰
奈良市西大寺にてカラー診断&レッスンの教室をしております。
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