致死率90%の脅威「エボラ出血熱」とは?原因・症状・感染経路・予防法を覚えておこう
2014年8月、世界保健機関(WHO)は、「エボラ出血熱の流行について、国際的な公衆衛生上の緊急事態」と宣言しました。
このエボラ出血熱は、西アフリカで現在流行している感染症で、これまでに1000人近くが死亡しています。
今回は、あまり知られていないこのウイルスについてまとめます。
2014年8月6日時点、WHOの発表では、ギニア、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリアの4カ国で、1848人の感染が確認され、うち1013人が死亡しています。
エボラ出血熱抑止のため、最前線のシエラレオネで医療活動を行った「国境なき医師団(MSF)」の看護師、吉田照美氏が帰国し、8月5日に記者会見で現地の状況を報告しました。
「日本は大丈夫なのか」といった意見が飛び、国内でも不安が募っている様子が伺えます。
国連はエボラ出血熱発生の原因に、西アフリカ住民の「オオコウモリ摂食」を挙げています。
コウモリにエボラウイルスを注射しても生き延びたという研究結果から、ウイルスの発生源がコウモリだという説が今のところ有力です。
エボラ・ウイルスが原因の病気です。感染すると発熱や下痢、さらには全身からの出血といった症状が起こります。致死率はなんと50%~90%にも上ります。
アフリカザイールのエボラ川流域の村で、初めて感染が確認されたのが名前の由来です。
細く糸のような繊維状の形をしており、成長段階によって大きさは異なりますが、幅はおよそ0.0001mm、最終的には14mm程の肉眼で目視できるまでに成長します。
潜伏期間は通常7日程度。発病は突発的で、突然の40度を超える発熱、悪寒、頭痛など、インフルエンザに似た症状のため、初期段階での判別が難しいことが挙げられます。
進行すると全身で出血、吐血、下血がみられ、発症から2週間以内、通常は発症から約1週間で死に至ります。
約3週間持ちこたえれば予後は回復へと向かいますが、重篤な後遺症が遺る場合もあります。
他人への感染の拡大は、患者の容体が悪くなったあたりから起こります。
エボラウイルスの感染力はたいへん強く、インフルエンザの数百倍にも上ります。
ただし、人から人へ感染していくたびに致死性が低くなることが分かっており、体外へ拡散する能力に関してはインフルエンザ以下です。
その感染経路は、主に患者の血液などの体液や排泄物に触れることで起こる接触感染が挙げられます。また、感染者のせきやくしゃみなどによる飛沫感染もあります。
さらに、エボラウイルスは宿主が死亡してからもしばらくの間は体に残っています。
そのため、感染者の遺体に触れた際、体液や血液を介して感染する恐れもあります。
現在予防ワクチンはまだ開発段階にあり、有効な予防薬やワクチンは今のところ存在せず、治療法が確立していません。
そのため、自己の意識や管理が重要といえるでしょう。
予防法として、まずアフリカなどへの渡航を極力控えるということが挙げられます。
どうしても理由があって渡航した際は、
- 清潔な宿泊先を選ぶ
- なるべく外出は控える
- 外出時にはマスクを着用する
- 人の多い場所や清潔でない場所、森林などへの外出は特に控える
- 死んでいる動物、特にコウモリやゴリラなどの動物には触れないようにする
以上のことに気をつけて、しっかりと自己管理を行なってください。
日本でも空港で検疫を強化するなど、警戒の動きが強まっています。
私達一人ひとりも、他人事だと思うのではなく、ウイルスに対する正しい認識を持って自己管理を行なうことが大切ですね。
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