サポーターの存在価値をわかっていない日本サッカーの問題点

執筆者: トム小島

サポーターの存在によって、クラブを強くも弱くも出来る。

 

サポーターなんてゴール裏で応援しているだけで、そんな存在意義はないだろうと軽く考えている人も多いと思いますが、実はそんなことはありません。

 

サポーターによってクラブの観客動員に大きな影響を及ぼすことがあり、実際にクラブの運命を変えてしまったという例は、たくさんあります。

 

サポーターのイメージ=クラブのイメージ

サッカーを観戦する人の多くは、試合の選手のパフォーマンスだけではなく、スタジアム全体の雰囲気を見ています。

 

例えば満員で盛り上がったスタンドで試合を見るのと、ガラガラでおとなしいスタンドで試合を見るのでは、たとえ同じ試合をみるとしても、周りの印象は大きく違います。

 

満員で盛り上がっているスタンドがあることで、見に来たファンはもう一度着たいと思いますし、一度は足を運んでみたいという新規ファンを獲得することにもつながるのです。

 

迫力のある応援はサポーターの増加につながる

Jリーグで満員のスタンドを盛り上げるために欠かせないのは、サポーターの存在です。

 

彼らがどのような応援スタイルを行っているかで、スタジアムの雰囲気は大きく変わります。

迫力のある歓声や鮮やかな旗、横断幕など、サポーターが作り上げる雰囲気は、ゴール裏で声を上げる観客以外の人も興奮させることができ、必然的にスタジアム全体の観客動員を上げる効果があります。

 

サポーターの素晴らしさが映画になったり、スポンサーの獲得につながるときも

時にはサポーターそのものがクラブの象徴の一つになるときがあります。

 

サポーターの活動そのものがテレビのドキュメント番組として世界中に配信されたり、映画化されることもありました。

 

スポーツ経営に置いて欠かせないスポンサーの獲得の歳にも、サポーターの素晴らしさに感銘を受けてクラブのサポーターになることも決して珍しいことではありません。

 

自覚のないサポーターがクラブを衰退させる

 

これだけサポーターの存在が大きいものであるにもかかわらず、残念ながらそれを自覚していないサポーターやクラブがあることも事実のようです。

 

クラブによっては、迫力のある応援を進めていきたいと思っていたにもかかわらず、実際にゴール裏で指揮を取っている人のセンスのなさにより、理想とする応援スタイルを確立してもらえずに苦労しているクラブもあるのも事実です。

事実として、かつて日本を代表する人気クラブだったにもかかわらず、クラブ主導でセンスのない応援を支持したことでスタジアムの雰囲気が冷めてしまい、人気と実力共に低迷してしまったことで、今ではJ2で低迷しているクラブも存在します。

 

おわりに

サポーターというものの存在がいかに大きいかがわかっていただけたでしょうか?

 

これだけクラブの運命を左右するといわれているのに、それを自覚していない無能なサポーターのリーダー、グループがあるというのが、日本サッカーの悲しい事実のようです。

 

Jリーグのサポーター達は、今のJリーグの問題点を考えるときに審判やリーグ運営を指摘しますが、もう少し自分達の身近なところの問題に目を向ける必要があるのではないでしょうか。

 

 

 

 
 コラムニスト情報
トム小島
性別:男性  |  

『厳しくも愛のある文書』がモットーの辛口コラムニスト。
大学卒業後、一般企業に就職するも大好きなサッカーへの情熱を断ち切れず、
スポーツライターの道へ進むことを決意。

学生時代からライターへ転身した現在に至るまで、
イングランド、イタリア、スペインなど数多くの国で試合を観戦し、
2014年のワールドカップブラジル大会も現地で試合を観戦。

最近もっとも気に入っているクラブは、
スペインで果敢な攻撃的サッカーにチャレンジしているラージョ・バジェカーノ。