雨滴るベトナムの首都、ハノイ!気候・街並み・治安など現地の魅力を紹介
ベトナムと聞いて何を想像されますか?
私がこの言葉を聞いて真っ先に思い浮かべたのは、ベトナム戦争やボートピープルのような、いわゆる負のイメージでした。
今ではすっかり海外旅行先の人気国の1つに見えるベトナム。
しかし、私が移住した1990年代後半当時、観光地としてはまだまだ発展しておらず、日本との交流も浅いものでした。
あれから時が流れ、2014年。
共産主義国家である事に変わりはないものの、門戸を海外に大きく開き、日本との交流もすっかり活発に。
今では、ベトナムは日本の最たる援助先となっています。
観光業を国の主財源の1つとし、観光立国を目指すベトナム。
その首都ハノイ(河内)に住む日本人として、独断と偏見にて素顔のハノイ、そして真のベトナムをご紹介させて頂けばと思う次第です。
ベトナム社会主義共和国は、北と南に分断された2つのベトナムが、長期に渡ったベトナム戦争終結後、ようやく1つになりました。
しかし、北のハノイと南のホーチミンでは、習慣、食事、言語や人々の考え方、そして法律さえもが大きく異なるのです。
政治・経済の中心であり、首都機能が一極集中しているハノイ。
常にどんよりと薄暗く、暗雲の元で降りしきる雨。
ハノイの人々は下を向き、北風を避けるように独り部屋に篭って絵を描くと言われます。
ここが絵画の街とも称されるのは、そんな人々の描く絵画が、街中に溢れているからなのです。
文化・経済・芸能・食歓楽の都と呼ばれるホーチミン(旧サイゴン)。
青い空の元、明るい笑顔が溢れる南国気質の街と言われています。
世界有数の過酷さ、と言われているハノイの気候。
夏場(5月から8月)の平均気温は約36度、湿度80パーセント以上。
酷暑となる6月には40度越えも珍しくなく、その暑さとずっしりと湿った重い空気が、人々の気力と精力を否応なしに奪うのです。
冬場(12月から2月)の平均気温は約10~13度。
日本の冬の寒さに比べれば大した事ないように思えますが、とんでもありません。
10度以下になる事は滅多にありませんが、年間を通して湿度80パーセント以上となると話は別。
気温は低くないものの、冷え切った水分をたっぷり含んだ空気が、全身の毛穴から入り込み、骨の髄から冷えて痛くなる。
これこそがハノイの酷冬の姿なのです。
河内(河の内という意味)と表現されるハノイは、正確には水=湿度と闘う街、と言えるでしょう。
本当に過酷な気候ですが、日本同様にハノイにも四季があります。
唯一、この季節だけは快適と言えるのが、秋の玄関口である9月に入った頃から11月まで。
ハノイへいらっしゃるなら、秋に限ります。
近隣の郊外を吸収合併し、その規模を増しているハノイの街。
大きく2つの街から成り立っています。
オフィスビルが立ち並ぶ文化・経済・商業の集まる、無機質な新市街。
近代的なホテルが林立し、増え続ける飲食店は数知れず。
昨今では、デパートや夜の社交場、多くの日本食店がこの新市街地に急増しています。
昔ながらの面影をそのままに色濃く残し、昔懐かしい家や人々の暮らしが丸見えの旧市街。
観光での滞在や散策の中心となるのは、やはりこの旧市街になると思います。
旧市街に入る事こそが、ハノイ観光の醍醐味と言えるでしょう。
長きに渡ったフランス植民地時代の面影がそのまま残る仏建築の建物。
既に朽ち果て、苔生した真っ黒な壁が立ち並ぶ路地は、縦横無尽に走っています。
初めての人が不用意に入り込んでしまうと、複雑に絡み合った路地で迷子になる事、請け合いです。
そんな小さな路地にも人々の活気が溢れています。
その活気こそが、旧市街の魅力と言っても良いでしょう。
過酷な気候から暗いイメージを持たれるかもしれません。
しかし、その一方でハノイは世界有数の治安の良い街だと、私は思っています。
女性が深夜に出掛けても心配は無用。
突然、暴力を振るわれたり、変質者に襲われたりする事などありません。
欧米諸国や日本で多々起こるような、危険運転による事故、喧嘩を売られる、などがほとんどない、本当に平和な街。
それがハノイなのです。
ただし、どんな街でも、誘惑の魔の手や危険となり得る場面は存在します。
人混みの中でドサクサに紛れて鞄をスッパリ切り裂き、中身だけ持って行くスリ。
何やかんやと口車に乗せて酒を飲ませ、巧妙に金を巻き上げようとする輩。
外国人とくればふっかけてきて、要求するホテルや場所には連れて行かないタクシー運転手。
こんな輩は山ほどいる、という事だけは、頭の片隅にいつも置いておいた方が良いでしょう。
様々な表情を持つ街、ハノイ。
百聞は一見にしかずということで、秋になったら是非お越しください。
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