香辛料を探せ!ヨーロッパ大航海時代とスパイスの歴史 -後編- (2/2)
フランス料理とスパイス
フランス料理のエッセンスは、魚介や肉、野菜のエキスから作るソースにあります。
その数300とも500ともいわれるソースには、スパイスが多用されており、複雑な味に深みを与えております。
微妙に組み合わされた香りが、クリーム・バター・ワインの風味と調和することによって、芸術料理と変化します。
地中海地域の料理とスパイス
これに対して、イタリア、スペイン、ギリシャなど地中海に面した地方の料理は、大らかな味付けとなっています。
地中海料理に共通する特徴は、トマトを多用しているということです。
大航海時代に南米大陸から渡ってきたトマトと、この地方で産出されるオリーブオイルをベースに、魚介類や肉類、ピーマン、ナス、オリーブなどの素材を組み合わせた料理が発達しました。
はっきりとした香りを持つスパイスは、トマトやオリーブの濃厚な風味を一段と引き立ててくれます。
また世界一高価で、黄金色が美しいスペインを原産とするサフランは、スペインのパエリヤや南フランスのブイヤベースには欠かせないスパイスです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
スパイスによって大きく歴史が動いたこともあるほど、当時は貴重な存在だったのです。
現在でも、世界中でたくさんの種類のスパイスが使われています。
香辛料を摂取する時は、先人たちの偉業と歴史を思い浮かべながら食べてみると、また違った味わいを感じるかもしれません。
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