幸せってなんだっけ?歳を取るほど幸福度が上がるメカニズムとは
自分の幸せについて考えたことはありますか?
忙しい毎日を送っていると、つい自分にとっての幸せは一体何なのか、ゆっくり考える時間が少ないものです。
一般的に大人になると、幸せは結婚、子供が産まれて家族を持つというイメージが強いですが、人の数だけ、幸せの形もそれぞれ違うのかもしれません。
今回はそんな「幸せ」にスポットを当てながら、歳を取ると、より幸せを感じるようになる訳についてご紹介したいと思います。
ストーニーブルック大学のストーン博士らが行った研究に、こんな結果が寄せられています。
何でもアメリカの国民35万人にインタビューを行い、彼らの幸福感が、年齢と共にどう変化するかを調べのだそうです。
すると、人生に幸せを感じる度合いは、年齢と共にU字曲線を描くことが分かりました。
具体的には、20歳以前までは高かった幸福感が、40〜50代前半頃には最低数値に。
反対に85歳に向けては、徐々に上昇したそうです。
ちなみにこれらは、子供、配偶者の存在など生活環境によっての影響は、ほぼ受けなかったといいます。
つまり、誰しも避けては通れない一定の変化ということですね。
一般的に考えれば、22歳を境に多くの人が社会人デビューをし、60歳になって定年する人が多いものです。
仕事が忙しくなればなるほど時間に追われ、ストレスを抱えがちなので、これらの幸福感の推移は納得感がありますね。
実際、同ストーン博士いわく、ストレスや不安や怒りの感情は若い頃が一番強く、これもまた年齢とともに徐々に減っていくといいます。
将来に対して熱意や不安を抱くのも、それは若さゆえの影響が大きいのかもしれません。
コロラド大学のウッド博士が行った研究でも、興味深い結果が発表されています。
実験内容は20歳前後の若者と、55歳以上の年輩者に、様々な映像を見せて、脳の反応を見るというものです。
映像は主に3種類で「美味しそうなチョコレートアイス」「美しい夕日」といった、プラスの感情を引き起こす写真と、「椅子」「フォーク」といった中立的な写真。
「路地で死んだネコ」「衝突事故に遭った車」といった、マイナスの感情を引き起こす写真です。
すると若者は、中でもマイナスの写真に強く反応を示したのだそう。
一方の年輩者はプラス、マイナスの写真に同じ程度反応を示したそうです。
これは年齢による経験が強く影響していそうですね。
プラスの写真とマイナスの写真に、それほど反応しなくなるのも、既に味を占めていたり、「長く生きていれば、そういった経験はたくさんある」ということが、身を持って体験しているからかもしれません。
スタンフォード大学のラーキン博士らが行った研究によると、年齢と共に悪しき感情が減っていくといいます。
マネーゲームをしている時の脳の反応を調査したところ、「損をしそうだ」と予感させる状況のとき、若者の方が脳は強く反応したそうです。
逆に儲かりそうな状況では、若者と年輩者で差がなかったそうです。
つまり、年輩者は損に対して、それほど固執していないと言えそうですね。
いわば「失敗あっての成功」ということが、良く分かっているからでしょうか。
年齢は誰しも平等に歳を取っていきます。
これらの研究結果は、いずれも年齢が関係しており、幸せと年齢は切っても切れない関係と言えそう。
歳を取ると幸福度が上がっていくのも、もしかしたら人は生まれた時から幸せになるように出来ているのかもしれませんね。
若い頃は、何かと悩むことが多いですね。
しかし、地道にコツコツと今出来ることを積み重ねることで、自分の思い描く幸せの形に、少しずつ近付けるのではないでしょうか。
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