北海道の無人駅を探索してみよう!謎と不思議に満ちた秘境駅レポート -愛山駅・蕨岱駅- (1/2)
今回は趣向を凝らして、460余りあるJR北海道の駅を五十音順に並べると、最初にくる愛山駅(愛別町)と、最後に来る蕨岱(わらびだい)駅(長万部町)を探訪してみました。
ちなみに愛別町は、市町村名でも北海道で最初にきます。
いずれも無人駅のようですが、名前からして期待が出来そうです。
どんな駅ワールドが広がっているのでしょうか。
旭川市と網走市を延長約230kmで結ぶ石北本線は、鉄道ファンにとっては秘境駅と廃駅の宝庫です。
また、「…白滝」と付く駅名が続く白滝駅シリーズでも知られ、1日中駅探索が楽しめます。
特に、峠越えルートとなる愛別~遠軽間に楽しめる駅が凝縮され、数年前には幾つかの秘境駅が廃止になりました。
愛山駅はそんな一角にひっそりと佇んでいます。
国鉄時代の昭和35年に、仮乗降所(後に詳しく記載)として開業され、昭和62年の民営化後に駅名票が設置され、無人駅に格上げになりました。
今回は車でアプローチしました。
国道39号線から、草むら越しに駅名票とプラットホームが見えます。
例によって、ポケット時刻表には記載が無く、利用客は少ない様子です。
ホームに立つと、背後には民家が数件点在するのみで、田園地帯と奥には小高い山が迫る、北海道らしいカントリーな風景が広がります。
国道の奥には、北海道の屋根と呼ばれる大雪山連峰が見え隠れし、交通量も少ない国道沿いに、忘れられたように駅名票だけが佇んでいました。
予想通り何も無い、ローカル線の特徴といえる単線の単式ホームで、草を揺らす風と、この日は季節がら虫の鳴声が賑やかでした。
列車は1日5往復あり、旭川市からも日帰りも可能です。
北海道らしい直線的なレールを見ていると、田舎育ちの自身には何か懐かしさを感じるような、北海道人なら松山千春の唄を口ずさんでしまう風景ですね。
さて、ふと思ったのが「待合室はどこだ?まさか無いはずはないだろう?」でした。
見渡すと、道路を挟んだ向かいにトタン小屋がありました。
初めは農家の物置かバス停かと思っていましたが、自転車置き場があり、どうやらここらしいのです。
試しにドアを開けてみると、簡素なベンチに、なんと駅ノートを発見しました。
ついつい嬉しくなる方は、立派な鉄道ファンの証拠です。
ただ冷静にみると、車道を挟んで待合室というのも地味に危ないと思いませんか。
高齢者なら列車が来てからホームまで間に合うのでしょうか。
また、民家が無いのになぜ駅前にゴミステーションがあるのでしょうか。ゴミ箱なら分かりますが。
不思議ワールドが広がる北海道の無人駅、謎多き愛山駅でした。
国鉄時代に国や政府の認可がなくても、各都道府県の管理下で設置が出来たもの。
基本は簡易ホームのみの形態で、当時は駅名票などはなく、時刻表にも載っていませんでした。
特に広大な北海道では、1駅間の移動が長く、利用客の利便性を考慮し、当時は多く作られました。
今の秘境駅の原型ともいえるでしょう。
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北海道を中心に、地底の鍾乳洞から山奥に眠る滝や秘湯、遺構(炭鉱、鉱山跡)など誰もが行けない秘境を探検する、あくなきチャレンジャー。
気力、体力、技術に大事なのは時の運、単独行は危険です決してマネはしないでください。
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