日本酒をワイングラスで。お猪口やぐい呑みでいただく時との味の変化は?アルコールを楽しむ酒器文化 (2/2)
ワインを美味しく飲める酒器は?
それではワインはどうでしょうか。
山梨のマスカットベリーAを100%使用した軽い赤ワインで試しました。
リーデルグラス
香りが豊かで全ての香りが良く分かります。
味わいは柔らかさやほのかな甘味が果実味豊かにふくらみます。
アフターは柔らかい余韻が長く引いて楽しめました。
陶器
香りに豊かさが無く線が細く、酸の尖った香りを感じます。
味わいはふくらみに欠け、ボディが細く、尖った酸が目立ちます。
甘味や柔らかさは感じませんでした。
国産ワイングラス
それでは試しに国産のワイングラスで飲んでみました。
国産のグラスはリーデル程の豊かさが無く、酸の香りが目立ちます。
味わいは柔らかさを感じますが、酸が目立ってしまい、陶器とリーデルの中間のような味わいです。
結果
ワインは断然リーデルの方が良いです。同じワインと思えないほど味に差がありました。
そして驚きは、同じグラスでも国産のグラスとリーデルのグラスでは味に差があることでした。
リーデル製のグラスの方が美味しく飲めます。
形状が違うのと、ガラスの成分の違いと歴史の差でしょうか。
おわりに
結論としては、日本酒は味が豊かにふくらむ陶磁器で飲む方が美味しいし、ワインはグラスで飲む方が味が豊かにふくらみ美味しいです。
これは日本とヨーロッパのともに料理とお酒を育んできた文化の違いによるものだと思います。
昔からヨーロッパの酒器はガラスが主流で、日本は陶磁器が主流でした。
それぞれの酒器に合うようお酒を改良してきたのだと思います。
お酒と酒器は最良の相性を発揮すべく、その国の食文化により長い年月育まれてきたのです。
ワインはグラスが味を引き出し、日本酒は陶磁器が味を引き出す。
どうぞお試しください。
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