おうちカクテルを始めよう!レシピの分量表記と作り方(ビルド・ブレンド)

執筆者: 伊藤 誠 職業:カクテル評論家
はじめに

こんにちは、カクテル評論家の伊藤 誠です。
前回は、カクテルの基本形とベースのお酒の違いによる、スタンダードカクテルについて紹介しました。


今回は、自分で作る際に知っておきたい、カクテルブックなどで使われるレシピの分量表記の紹介と、まだ紹介していないカクテルの作り方について紹介します。

カクテルのレシピと分量表記

カクテルのレシピはカクテルブックなどで紹介されますが、その分量の単位は一般的にmlです。

例えば、マティーニではドライジン45ml、ドライベルモット15mlで、合計60mlになります。

これは、一般的に使われる容量90mlのカクテルグラスを前提にしています。

 

ところで、材料が60mlでグラスの容量との差が大きいのではと感じられると思いますが、カクテルを作る際には氷を入れて冷やすため、氷が約10ml程度溶けます。

 

これで仕上がりが合計70mlくらいになりますので、このくらいがちょうど良いのです。

ただし、使うカクテルグラスの大きさが変われば、この分量もグラスに合わせた分量に調整する必要があることに留意しましょう。

 

外国ではオンス(oz)で表記されていることがある

また、外国ではオンス(oz)単位で分数表記される場合もあります。

1ozは約30mlです。

 

例えば、前の例であればドライジン1 1/2oz、ドライベルモット1/2ozになります。
なお、「約30ml」というのは、液量オンスの場合、正確には米液用オンスで29.5735ml、英液用オンスで28.4134mlとされているからです。

いずれにしても大きな差はないので1オンス=30mlとして使われています。

 

その他の分量表記で使われる用語

次に、カクテルのレシピで使われる分量表記の意味を紹介します。

オンスは先に説明しましが、これも含め、並べてみると全体としては次の通りになります。

 

  • 1oz=約30ml (読みは「オンス」)
  • 1tsp=5ml (同「ティースプーン」でバースプーン1杯分の意)
  • 1dash=1ml (同「ダッシュ」で5drop程度)
  • 1drop=1/5ml (同「ドロップ」で1滴)

 

左から1tsp、メジャーカップ(45ml、30ml)の小側で30ml、ビターズボトルから静かに落として1drop、振って1dash

 

さて、分量表記が分かりましたら、次は作り方です。

これまで紹介したもの以外について紹介しましょう。

 

ビルドとブレンド

カクテルの作り方については、第1回のコラムでシェイクとステアについて紹介しました。

今回はビルドとブレンドという項目を立てて紹介します。

 

ビルド

ビルドとは、材料をグラスに注ぎ、バースプーンで混ぜるシンプルな方法です。炭酸系の副材料を使う場合には、炭酸が飛ばないように注意が必要です。

 

ブレンド

ブレンドはミキサー(バー・ブレンダー)を使って材料を混ぜる方法です。

フローズンカクテルを作る場合、砕いた氷(クラッシュドアイス)と材料を加え、ミキサーで撹拌する方法で提供されます。

 

また、フレッシュ・フルーツを材料とする場合によく用いられますが、この場合は材料のみミキサーで撹拌し、氷を入れたシェイカーに移してシェイクしてから提供されることが多いです。

 

 

おわりに

これまで、シェイク、ステア、ビルド、ブレンドを紹介しました。

これらの技法で大体のカクテルが作られますが、その他にもいくつかの技法があります。

それらは、また改めて少しずつ紹介します。

 

次回は、カクテルのアルコール度数について、またこれまで紹介していないスタンダードカクテルのレシピや、カクテルに使われる用語なども少しずつ紹介していきます。

 
 コラムニスト情報
伊藤 誠
性別:男性  |   職業:カクテル評論家

NPO法人「カクテル・コミュニケーション・ソサエティ」(C.C.S.)の一般メンバーです。
カクテル作りを楽しむブログ「ホームカクテル」を主催。自宅でカクテル作りを楽しもう!ということで「ホームカクテル」というネーミングのブログにしています。
カクテルを作る道具や副材料、お酒、自分で実際に作ったカクテル、その他、バーに関する本や実際のバーも紹介しています。これまで紹介したバーは200店。(2014年11月現在)

 

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