ピアノコンクールの審査基準ってどこ?高評価・高採点を狙うため、抑えておくべき4つのポイント
こんにちは。ピアニストの小川瞳です。
今回は「ピアノの上手い、下手はどのポイントで決まるのか」というテーマです。
お客様がピアニストを選ぶという段階においては、好きか嫌いかという基準になると思います。
上手いから演奏会に行くという言い方をする場合も、上手い演奏が好きだから演奏会に行くということだと思うのです。
けれども私も近年は、ピアノコンクールの審査員を務めています。
コンクールとなると、全員の演奏に点数をつけなければいけません。
コンクールにもよりますが、評価をつける項目はいくつも存在します。
例えば、下記のような項目です。
- 表現力
- 構成感
- 音色
- リズム感
表現力は、やはり音楽において最も大切なことかと思われます。
音楽は人間の感情や意思を表していることが多々あります。
自然などを描写していることも少なくありません。
作品を深く勉強するにあたって、作品背景を研究することは絶対に必要なことと言えるでしょう。
どんなに楽譜通り正しく弾いても、その音楽が誕生した経緯、存在する理由がまったく分からないままでは、どうしても薄っぺらい表現になりがちで、演奏としての説得力に欠けることと思います。
作曲家が込めた想いを理解し、自分の音楽で自分なりに表現することが、演奏家の大きな役割といえるでしょう。
構成感とは、曲全体の構成のことです。
音楽は、物語と似ています。
起承転結のような、大まかな流れがきちんと決まっているのです。
あえて独創的な構成をしている作品も多く、それはそれでしっかりと全体の流れを理解しなければなりません。
色々な形式がありますが、例えば導入部から始まり、第一主題、第二主題と続き、展開部が入り、再現部となって、コーダで締めくくり。
このような大まかな流れがあったとすると、導入部はやはりプロローグですから、軽く。
第一主題が起承転結の「起」。なので、厳かに。
第二主題は「承」なので、自然に盛り上がり。
展開部が「転」。劇的な変化をつけたりします。
再現部は「結」に位置するので、おさまり良い音楽に。
コーダはエピローグの扱いとなり、「めでたしめでたし」といった雰囲気に。
これはあくまで「例え」ですが、こういった音楽の流れを作れているかどうかが、点数をつける際の判断基準となります。
音楽に正解はない。
このようなことはよく言われています。
正解が一つに決まっていれば、演奏家はそれを再現すれば良いだけですし、そもそも演奏家が多数存在する必要がありません。
今の時代、その「正しい演奏」を、ボーカロイドのように機械で作り上げれば良いだけです。
しかし、音楽に不正解はあると私は思っています。
少なくても、私が携わっているクラシック音楽においては、たくさんの決まりごとが存在しているのです。
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ピアニストとして東京や茨城を中心に、ソロの演奏会やオーケストラとの共演など、数多くの演奏活動を行っております。
音楽心理士の資格も持ち、トークコンサートやコンクールの審査員もつとめております。
また長年に渡り執筆活動も並行して行っており、小説を3作品出版しております。
こちらのサイトでは、幼少時よりピアノを学び続け、クラシック音楽の世界に身を置く私ならではのコラムを執筆できたら、と思います。
よろしくお願い致します。
小川瞳 公式ホームページ https://ogawahitomi.amebaownd.com/
小川瞳作曲 笑顔のBGM
https://youtu.be/Qrt-stZPTb8
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