うつ病も障害者控除の対象に!精神障害者保健福祉手帳の取得条件と申請方法

執筆者: ヨースケ城山 職業:節約アドバイザー
はじめに

こんにちは、節約アドバイザーのヨースケ城山です。

前回のコラムでは身体障害者手帳について取りあげましたが、今回はうつ病の「精神障害者保健福祉手帳」の取得について報告いたします。


精神疾患を加え「5大疾病」に

厚生労働省は、地域医療の基本方針となる医療計画において、これまでに指定してきたがん・脳卒中・急性心筋梗塞・糖尿病の四大疾病に、新たに精神疾患を加えて「五大疾病」とする方針を決めました。

 

職場でのうつ病や高齢化に伴う認知症の患者数が年々増加し、国民に広く関わる疾患として、重点的な対策が必要と判断した結果でしょう。

この厚生労働省が「5大疾病」に入れているうつ病も、精神障害者保健福祉手帳の対象となります。

 

 

対象範囲

「精神障害者保健福祉手帳」には障害等級があり、手帳を申請した時点での医師の診断書に基づいて審査が行われ、1~3級が決定されます。

 

  • 1級:日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度
  • 2級:日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度
  • 3級:日常生活または社会生活が制限を受けるか、日常生活または社会生活に制限を加えることを必要とする程度

 

ほとんどのうつ病患者の方は3級以上の生活を強いられているため、申請すれば殆ど通るといっても過言ではありません。
有効期限は2年間です。

申請方法

現在通院中の心療内科の医師に診断書の作成を依頼します。

その際に、先にお住いの市区町村に行って精神障害者保健福祉手帳の交付診断書を入手してから依頼に行きます。

診断書の作成に関しては、医師によりますが1週間から2週間程度かかるため、余裕をもって作成依頼をしてください。

手に入れた診断書を持ち、市町村の担当窓口で申請を行ってください。

 

申請に必要なものは次の通りです。

  • 申請書
  • 診断書※
  • 本人の写真

 

診断書は、精神障害の初診日から6か月以上経ってから、精神保健指定医(又は精神障害の診断又は治療に従事する医師)が記載したもの。

 

申請は、家族や医療機関関係者等が代理で行うこともできます。
申請すると、各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターにおいて審査が行われ、認められると手帳が交付されます。

障害者控除の対象になる障害等級は?

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人が対象となっております(このうち障害等級が1級と記載されている人は、特別障害者になります)

つまり、精神障害者福祉手帳3級であっても、障害者控除は使えるわけです。

 

  • 2.3級…27万円
  • 1級     …40万円

 

すると所得税、住民税の減額につながります。

年末調整に間に合わない方はご自分での確定申告をお勧めします。

精神障害者保健福祉手帳のメリット
公共料金等の割引
  • NHK受信料の減免

 

税金の控除・減免
  • 所得税、住民税の控除
  • 相続税の控除
  • 自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方)

 

その他
  • 生活福祉資金の貸付
  • 手帳所持者を事業者が雇用した際の、障害者雇用率へのカウント
  • 障害者職場適応訓練の実施


などが挙げられます。
特にNHKの受信料の免除などは非常にお得となりますので、手帳を取得したらすぐに手続きを行いたいものです。

月額1,310円が免除されます。

おわりに

精神障害者保健福祉手帳に関しては、診断書を提出すれば、取得することはそれほど困難ではありません。


しかし、病状を偽って診断書を入手して申請することはもちろん不正ですので、お気を付け下さい。

また医師の診断書の日付が今年度12月31日まででしたら、申請が年をまたいでも今年度の所得控除に間に合いますので、お早目の対応が宜しいかと思います。

 
 コラムニスト情報
ヨースケ城山
性別:男性  |   職業:節約アドバイザー

社会保険労務士合格者

ファイナンシャルプランナー

住宅ローンアドバイザー

年金アドバイザー

1973年生まれ。大学卒業後、商売の基本を学ぶため大手100円ショップに入社。1円単位の原価計算の重みを知る。その後、大手スーパーに転職し、値引きやタイムセールを担当。リアルな現場での駆け引きや相場観を養う。またその手腕により東京地区エリアマネージャーとなり、新人採用を年間4000人担当した。

著書「給料そのままで月5万円節約作戦!!」の中では固定費の削減を中心に
ラクして貯めるをモットーに活動している。

ブログでいつも取り上げているテーマは節約全般、社会保険労務士試験 住宅ローン 労働問題 ブラック企業 障害年金 40代の転職 出版について 潜在貯蓄 教育についてなどになります。興味がある方は是非ブログも覗いてみてください。

著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』
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