そして、最後に登場する、できそうでできない究極の拾いもの。

それはゴミです。

挨拶の章で話したように、自身でエリアを決め、そのエリア内で落ちているゴミは進んで拾うのです。

知っているエリアであれば、ゴミ箱の位置も確認済みですから、処分に困ることはありません。

お店で食事をして、美味しくなかったら仕方ないのですが、美味しければ、そのことをお店側に伝える。

何気ないことのように思われるかもしれませんが、これが出来そうで出来ないのです。

お鮨屋さんのカウンターに座って、中にいる大将に「このかわはぎ、最高だね！」などと声をかける光景は、ごく普通のことです。

私などは、街中の洋食屋さんでハンバーグ定食を頼んで予想以上の味だったりしますと、もう黙ってはいられずに、「うまい」ことを伝えないわけにはいきません。

それをホール係より聞いて、シェフが厨房から出てきてくれることも間々あります。

ここでは、美味しいことを例にしてお話ししましたが、もちろん、これは美味しいことだけではなく、素晴らしい場面、感動した場面に遭遇したら、そのことを当事者に伝えるということです。

人見知り、恥ずかしがり屋、あがり症だからといって、

• 挨拶しない
• 落ちているものにも知らん顔
• 自分の気持ちを伝えない

では、とてもではありませんが「愛想」をその人から感じ取ることはできません。

面接のときだけ笑顔を形作って挨拶しても、「あぁこの人普段はこうじゃないんだなぁ。」と、分かってしまうんですね。

愛想とは本来、人間自身が兼ね備えているものですが、普段から愛想を使っていないと、使い慣れていない分、ぎこちないのです。
愛想を隠して生きていても、得することは何もありません。

日常のちょっとしたことの積み重ねで、あなたの隠れた愛想は人間味溢れる魅力へと変貌を遂げるのです。