冬、猫のおしっこが出ないのは「下部尿路疾患」かも?原因・症状・予防法

執筆者: 小野 匡 職業:みらい動物病院 院長
はじめに

こんにちは、獣医師の小野 匡です。


寒くなると朝起きるのは辛いし、出来ることならおうちの中でぬくぬくしたい!

そう思っているのは人間だけでなく、猫も同じです。


今回は、そんな冬場に多い、猫の『下部尿路疾患』に関してのお話です。

 

 

下部尿路疾患とは

「下部尿路」とは、一般的に、膀胱から尿道の事を指します。

その下部尿路で起きる病気の事を下部尿路疾患といいます。
多くは膀胱炎のことを指すことが多いのですが、原因は大きく分けて3つあります。

  1. 細菌性
  2. 結石・結晶性
  3. 特発性


原因が上記のどれであれ、飼い主さんが見て分かる症状としては、以下が挙げられます。

 

  • 頻尿(回数が多く量が少ない)
  • 痛み(排尿時に鳴くなど)
  • 血尿
  • 重症化すると食欲不振や嘔吐
  • 無尿(24時間オシッコが出ないと危険です)

 

最悪の場合、急性腎不全を起こし、亡くなってしまう事もあります。

予防法

では、これらの下部尿路疾患は、予防することは出来ないのでしょうか?

結論から言いますと、ある程度予防することは可能です。

水分摂取量を増やす

冬場に下部尿路疾患が増える原因として最も大きいのが、『水分摂取量』が減ってしまう事が挙げられます。

寒いと水を飲みに行くのが億劫になったり、冷たい水を嫌がる子が多い為です。


もともと猫は砂漠で生活していた動物と言われている為、多少水分を摂取しなくても、尿を濃縮し体内に水分を蓄えておく能力が優れています。
しかし、逆にこの能力がアダとなり、尿が濃くなり過ぎて、下部尿路疾患に陥りやすくなるのです。

 

冬場は、ドライフードをふやかす、ウェットフードに変える、水をぬるま湯にする、水に出汁などの香りをつけるというようなひと工夫で、飲水量を増やし、下部尿路疾患の予防になる事があります。

トイレを清潔に保つ

トイレが汚れていると、オシッコを我慢したり、トイレで繁殖したばい菌が感染起こす事で下部尿路疾患になることがあります。

トイレは毎日掃除を行い、また、トイレの数は猫の数+1個は設置してあげましょう。

ストレスを軽減する

最近の研究で、猫のストレスが下部尿路疾患(特に特発性)の原因の1つである事が分かってきました。


ストレスと言っても、様々なものがあります。

その中でも、見落としがちなのが、『寒冷ストレス』です。


既に書きましたように、猫は砂漠に住んでいた動物のため、寒さには弱い子が多いです。
出来れば、室温は18℃~23℃ぐらいに保ったり、猫専用の電気カーペットなどを用意し、暖かい環境を整えてあげましょう。

おわりに

しかし、どれだけ気を付けていても、体質的に下部尿路疾患になりやすい子はいます。

上記のような症状が見られた場合は、出来れば尿を採取して、早めに動物病院へ行って頂くことをおすすめします。

 
 コラムニスト情報
小野 匡
性別:男性  |   職業:みらい動物病院 院長

滋賀県大津市のみらい動物病院院長です。
ワンちゃん・ネコちゃんと少し元気に長く暮らせるよう、獣医師の目線から見た
情報を発信しています。
皮膚病・腫瘍を得意としています。

 このコラムニストが書いた他のコラムを読む
 

 ペットのコラム

  このコラムに関するタグ