ここ数年、連日のようにメディアで取り上げられている再生医療。
血管、心臓、眼だけではなく、今は老化した皮膚も再生医療で治療出来る時代です。
若い頃の線維芽細胞を冷凍保管しておくと、年齢を重ねても若い細胞を移植できるというのです。
まさに夢のような治療が、始まっているのです。
今回は、身近になった肌の再生医療(培養皮膚治療)についてご紹介します。
取材協力:RDクリニック三田 http://www.rederm.com/
肌の再生医療の仕組みは、実にシンプルです。
- まずは耳の付け根から、皮膚を米粒大ほど採取します。
- それを徹底的に無菌状態にした培養室で、細胞を1万倍に増殖培養します。
- 培養した元気な線維芽細胞を、気になる目元やほうれい線に移植します。
- 採取した細胞は、その時の年齢のまま-196℃で冷凍保管されます。
耳の付け根から皮膚を採取する理由は、紫外線の害を受けにくい場所だからです。
口の粘膜や脂肪細胞を培養移植するクリニックもありますが、皮膚はやはり皮膚細胞が1番ではないかという意見が有力です。
RDクリニックの冷凍保管庫には、数千人の細胞が眠っています。
有名人や芸能人の細胞も、多いそうです。
移植した肌細胞(線維芽細胞)は、コラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンを生み出します。
この作用こそが、肌再生医療でしか出来ない事なのです。
レーザー治療などの他の美容医療は、線維芽細胞を活性化する事は出来ても、繊維芽細胞を増やす事は出来ないからです。
この繊維芽細胞は、年齢と共に減って行くのが現実です。
培養移植をする事で、若返りと老化予防になるのは言うまでもありません。
皮膚採取、移植というと、痛みがあるのではと心配される方も多いです。
治療には麻酔クリームを使用するため、痛みを感じることはほぼありません。
移植は再生医療専門の医師が、丁寧に注射で一針ずつ行います。
赤みや内出血のダウンタイムは、長くても1日~5日程度です。
マッサージやレーザー治療はしばらく控える必要はありますが、その他の日常生活には何も支障はありません。
1番気になるのは、どれ位で効果が出るのか、ということでしょう。
細胞の活性具合にもよりますが、早くて1ヶ月、通常は3ヶ月から1年程かけてジワジワと効果が出てきます。
目元のクマやたるみ、ほうれい線などは効果が分かりやすく、人気がある場所だそうです。
美容整形ではなく徐々に効果が出現するため、他人に気づかれることもありません。
面白い所が、前向きな人の細胞は増殖能力が高いという事です。
ワクワクしながら治療効果を待つ人は、効果の出方も高いそうです。
まさに細胞の神秘ですね。
RDクリニックでは、目元や法令線などの部分的な治療で50万円前後、顔全体では100万円程の治療費がかかります。(皮膚採取と細胞培養費用を含む、移植量によって変わります)
ちなみに、ヒアルロン酸治療は1回に5~10万円程度です。
数か月ごとに注入を繰り返さなければならない事を考えると、再生医療の根本的治療が実にお得で賢いかが分かるはずです。
すでに美意識の高い20代が、細胞保管を開始しているといいますから、なんとも羨ましい限りです。
2014年11月25日、再生医療新法が施行され、曖昧だった再生医療の定義が明確になり、国が認めた施設だけが再生医療を名乗る事が出来ます。
再生医療もどきが淘汰され、安全な再生医療と細胞保管が当たり前の時代が来るまで、そう長い時間はかからないのではないでしょうか。
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スキンケアカウンセラー 松原 好克
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