イタリアの有名ワイン産地。各州の特徴、おすすめの種類、味わい

執筆者: 千代 薫 職業:ソムリエ&ライセンスガイド
はじめに

こんにちは。ソムリエ&ライセンスガイドの千代薫です。

 

イタリアワインと聞くと、どの様なワインを思い浮かべますか?
バラエティーに富んだイタリアワインを一括りでお伝えするのは難しいので、各州の代表ワインをご紹介して行きたいと思います。

 

 

アオスタ

スイスフランスに面したアオスタでは、350haにも満たない葡萄畑を約100件の農家がお世話しています。

 

決して若いとは云えない農家の方々が丹精込めて育てた葡萄は、主に6つのワイン醸造組合に買い取られ、ハイクオリティーなワインとなり市場に出ます。

このシステムのお陰で、畑が維持されていると言っても過言ではありません。

 

 

主要品種は白ワイン用の葡萄
  • シャルドネ
  • ピノグリージョ
  • モスカートセッコ
  • プティ・タルヴィン


スイスでも栽培されているプティ・タルヴィンは、食前酒にぴったりの辛口DOCワインに指定され、アオスタで栽培製造された葡萄が90~100%使用されています。

ピエモンテ

白ワイン、赤ワイン、発泡酒、デザートワイン。

57ものDOC、DOCG(保証つき統制原産地呼称)ワインで世界のワインラバーを満足させるのがピエモンテです。

 

主な白ワイン
  • エルバルーチェ
  • ロエロ&ランゲ
  • アルネイス
  • ガヴィなど

 

主な赤ワイン
  • ドルチェット
  • バルベーラ
  • ガッティナーラ
  • バローロ
  • バルバレスコなど


この中でも長期熟成に適した、ネッビオーロ種100%から作られるバローロとバルバレスコは、赤ワインの金メダリストと呼んでも過言ではありません。

 

発泡酒

モスカートビアンコ100%の、アスティ・スプモンテが一番有名かもしれません。

マルヴァジアやブラケット・ダクイも同様に発泡デザートワインで、バローロとお祝いの席での締めのデザートにぴったりです。

 

 

アルトアディジェ

州全体での葡萄畑が5300haに満たないのですが、標高1000mを超える土地もあり、ヴァリエーションに富んでいます。

 

 

生産されるワインの60%がゲヴュルツトラミネール、ピノ、シャルドネ、リースリング、シルヴァーナーなどアロマ豊かで、ハイクオリティーな白ワインです。

 

赤ワインは地場品種のスキアヴァ・ラグレインに加えてピノネロ、カベルネ、モスカートローザなどがあります。

1911年にアルトアディジェで初出荷されたピノビアンコ、ピノネロ、シャルドネから造られる発泡酒(スプマンテ)も、年々存在感を現して来ています。

トレンティーノ

歴史は古く、紀元前3000年頃に造られたワイン用の壺が発見されています。

栽培される葡萄は、お隣のアルトアディジェ州とほぼ同じです。


白ワイン

トラミナーアロマティコはその名の通り、豊かなアロマと甘さを感じさせる優しい味わいのワインです。

モスカートジャッロ(黄色)からは辛口と甘口のワインが、モスカートローザ(ピンク)からは甘口ワインが造られます。

 

赤ワイン

テロルデゴは繊細で厚みを、ラグレインは森の果実を感じさせるスパイシーさ、マルゼミーノはフルーティーで華やかなワインを作ります。

 

おわりに

オーストリアやフランス、スイス、チロル文化などに影響を受けているこの地域は、トスカーナに慣れている私には、何度行って味わっても新しい発見があります。

 

 

まだまだ続く北イタリアのワイン紹介。次回も楽しみにしていて下さいね。

 
 コラムニスト情報
千代 薫
職業:ソムリエ&ライセンスガイド

2002年からトスカーナ州シエナ在住。
シエナ外国人大学イタリア語コース終了後、シエナ大学薬学部薬草技術学科で学ぶ。

ツアーオペレーター、ソムリエ&ライセンスガイド資格を現地で取得。

ワインやオリーブオイル等をイタリアから直送するオンラインショップ
エノテカ イントスカーナ
http://www.enotecaintoscana.com

ワイナリー訪問、通訳、ガイド、トスカーナ旅行コーディネート等をイントスカーナ運営
http://intoscana.strikingly.com