自然災害から社員を守れ!企業が行うべき防災・労務対策
こんにちは、社会保険労務士・防災士の安 紗弥香です。
今回は、災害から会社と社員を守る防災・労務管理について見ていきます。
日本は災害大国です。
中でも地震は、全世界の20%が日本で発生すると言われています。
どんなに社員に対して手厚い福利厚生制度があったとしても、来たるべき大地震、災害に対して備えがなければ、いざというときに会社や社員を守れません。
国や自治体の支援も、対象が多くなることから、そこまで大きな期待ができるものでもありません。
防災の基本は「自助」。
まず、自分のことは自分で守る、ということが大切です。
そこで、会社として事前に定めておくべき防災対策についてポイントを挙げてみました。
まず、日本で発生する可能性がある災害は、以下の通りです。
- 地震
- 火山噴火
- 津波
- 大雨による土砂崩れや洪水被害
- 台風
- 竜巻
巨大地震は東日本大震災や阪神・淡路大震災が記憶に新しいところでしょう。
津波や家屋倒壊など、大きな災害をもたらす可能性があります。
火山噴火は御嶽山の噴火が発生しました。
大雨といえば、広島県の土砂災害、台風や竜巻も、各地で発生しています。
地震で大きな揺れが発生し、キャビネットやデスクトップパソコン本体が倒れて来て、大怪我をするケースがあります。
倒れそうなものには、固定マットや、ガラス飛散防止のフィルムを張るなどの対策をしておきましょう。
また、会社が入っている建物が、1981年以前に設計されたものである場合、大地震に耐えられない可能性が高いとされています。
もし該当するようであれば、オフィスの移転も考慮しておくといいかもしれません。
大地震などで公共交通機関が麻痺してしまうと、帰宅困難者が続出します。
帰宅困難者の一斉帰宅は、道路や駅の混雑から、救援物資の搬入や人命救助に支障が出ることもあります。
また、途中で怪我のもとともなります。
社内で被災した場合は、社員を一斉帰宅させないよう、抑制対応が必要です。
また、近辺にいた帰宅困難者の一時受け入れ先としての行動も、場合によっては必要となるでしょう。
年に1回以上は、必ず防災訓練を実施しましょう。
揺れたらどうするか、避難経路の確認や、災害発生時の組織体制を検討しておくことが、社員の命を守ることにつながるのは言うまでもありません。
BCP(Business Continuity Plan)とは、災害時でも事業を継続したり、早期で復旧させたりするための計画です。
基本方針、組織体制、重要な業務と復旧目標、設備・備蓄品の整備計画、緊急対応時フロー、教育訓練などについて定めます。
また、安否確認の方法や、連絡体制についても、事前に定めておきましょう。
上記の災害の発生は予測できませんし、避けられません。
発生しなければ、ただの取り越し苦労かもしれません。
しかし、実際に災害が起こってから対策を打っても「時すでに遅し」です。
社員を守り、会社の事業を存続させていくためにも、ぜひ積極的な対策を立てておきましょう。
ここでは概略やポイントになりましたが、事業所向けの防災マニュアルとしては、こちらも参考になります。
- 東京都港区 事業所向け防災マニュアル
http://www.city.minato.tokyo.jp/bousai/syokubabousai.html
- 愛知県防災局(事業所のための「防災マニュアル」作成の手引き)
http://www.pref.aichi.jp/bousai/
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