上質な絹のお着物やあつらえ物でのお出掛けは、一層高揚感を帯びた、楽しい時間を過ごせる機会です。
一方「汚してしまうのでは」という気兼ねから、なかなか着装する機会を持てずにいるケースもあります。
汚れ、シミに対する予備知識をしっかり持つ事で、お出かけ前に不安要素を取り払い、楽しい着物ライフを実践出来ます。
今回は、汚れやシミのチェック方法についてご紹介します。
「汚れが付く事を恐れる」のではなく、「付いた汚れに正しく対処をする」事が、大切な着物を長く綺麗に保つポイントです。
着物を脱ぎ、着物ハンガー等に吊るした状態で、下記の5箇所のポイントを順にチェックしてみましょう。
照明の明るい場所で、よく目を凝らし、周辺の生地の色味と印象が違う箇所がないかどうかを、重点的に見ていきます。
頬から顎・首のお化粧(主にファンデーション等)が付きやすい場所です。
衿(えり)に顔が当たる位置を中心に、上下左右をチェックします。
飲食中のこぼれ、飛びはねなどで汚れが付きやすい場所です。
バスト周辺に当たる位置を中心に、チェックします。
食事や手洗いなどで、比較的汚れやすい場所です。
袖口は360度、袂(たもと)周辺、そして袖全体を裏表ともにチェックします。
歩行中の泥はね、水はね、土ぼこりなどが付きやすい場所です。
360度、裏表ともにチェックします。
椅子に付いた汚れが、着席の際に付く事があります。
ヒップ周辺に当たる位置を中心に、チェックします。
実際に汚れやシミを発見したら、忘れないうちに分かる様にメモしておく事をお勧めします。
汚れが付いていた付近の場所を〇で囲み、どの様な汚れか、どの様なシーンで何が付いたか、分かる範囲で併記しておきます。
次回は、油性・水性など「汚れの種類」を分類して、それぞれに必要なお手入れ方法をご紹介したいと思います。
大切なお着物を、長く綺麗に保つ為のエッセンスです。
ぜひ次回もお付合い下さいね。
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