はじめに

上質な絹のお着物やあつらえ物でのお出掛けは、一層高揚感を帯びた、楽しい時間を過ごせる機会です。

 

一方「汚してしまうのでは」という気兼ねから、なかなか着装する機会を持てずにいるケースもあります。

汚れ、シミに対する予備知識をしっかり持つ事で、お出かけ前に不安要素を取り払い、楽しい着物ライフを実践出来ます。

 

今回は、汚れやシミのチェック方法についてご紹介します。

 

着物の汚れやすいポイント5箇所
大切な着物を綺麗に保つ為に

「汚れが付く事を恐れる」のではなく、「付いた汚れに正しく対処をする」事が、大切な着物を長く綺麗に保つポイントです。


着物を脱ぎ、着物ハンガー等に吊るした状態で、下記の5箇所のポイントを順にチェックしてみましょう。

照明の明るい場所で、よく目を凝らし、周辺の生地の色味と印象が違う箇所がないかどうかを、重点的に見ていきます。

 

チェックポイント1:左右の衿元(えりもと)

頬から顎・首のお化粧(主にファンデーション等)が付きやすい場所です。

衿(えり)に顔が当たる位置を中心に、上下左右をチェックします。

 

 

チェックポイント2:左右前身頃(さゆうまえみごろ)の上部

飲食中のこぼれ、飛びはねなどで汚れが付きやすい場所です。

バスト周辺に当たる位置を中心に、チェックします。

チェックポイント3:袖口(そでくち)・袖全体

食事や手洗いなどで、比較的汚れやすい場所です。

袖口は360度、袂(たもと)周辺、そして袖全体を裏表ともにチェックします。

チェックポイント4:裾(すそ)

歩行中の泥はね、水はね、土ぼこりなどが付きやすい場所です。

360度、裏表ともにチェックします。

チェックポイント5:後ろ身頃(うしろみごろ)

椅子に付いた汚れが、着席の際に付く事があります。

ヒップ周辺に当たる位置を中心に、チェックします。

汚れ箇所をメモ 着物の汚れチェックシート

実際に汚れやシミを発見したら、忘れないうちに分かる様にメモしておく事をお勧めします。

 

汚れが付いていた付近の場所を〇で囲み、どの様な汚れか、どの様なシーンで何が付いたか、分かる範囲で併記しておきます。

簡単なチェックシート例

 

おわりに

次回は、油性・水性など「汚れの種類」を分類して、それぞれに必要なお手入れ方法をご紹介したいと思います。

 

大切なお着物を、長く綺麗に保つ為のエッセンスです。

ぜひ次回もお付合い下さいね。

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