クレーム処理の基本対応とタブー。お客様・クライアントからの苦情対処法

執筆者: 矢野 誉美 職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ
クレーム処理の基本とは?

こんにちは、マナープロトコール講師の矢野誉美です。


仕事をしていれば多かれ少なかれ、お客様からのクレームを受けることがあります。

敬遠されがちなクレーム処理業務。

今回は、このピンチをチャンスに変えるクレーム処理の基本についてご紹介したいと思います。

 

クレームが起きてしまったら

クレームが発生しないに越したことはありませんが、もしもクレームが起きてしまった場合、会社や担当者がどのように対応するかが、その後のお客様との付き合い方に大きな影響を与えます。

 

トラブルに対しての原因を究明し、誠心誠意対応すれば、かえって好感をもたれ、お客様からの信頼を得ることもあります。

丁寧にお詫びする

お客様からのクレームの原因がどのような事であれ、まずはお客様に「不愉快な思いをさせてしまったこと」に対しての謝罪をしなければなりません。

 

「大変申し訳ございませんでした。」

 

この一言で、相手の怒りをぐっと抑えることが出来る場合があります。

相手の話を遮らない

とにかく、トラブルに対して話したいことがあるお客様の話を、最後まで紳士的に聴くようにしましょう。

話を途中で遮ったり、「でも」「ですが」などの言葉は避け、あいづちを打ちながら真剣に聴くようにしましょう。

礼儀正しく、丁寧に対応する

相手の立場になって考えましょう。なぜ、お客様が怒っているのか、その時の状況はどうだったのか、親身になってお客様の話を聞きましょう。

 

たとえ、それがお客様の勘違いや誤解だったとしても、真っ向から否定するのではなく、ゆっくりと順序立てて説明をするよう心がけましょう。

 

あせって一人で解決しようとしない

また、内容が複雑であったり、処理に時間がかかるような場合には、後日、担当者や責任者から改めて報告をするようにしましょう。
クレームを早く処理しようとして、自分一人で解決をしようとすると逆にこじれてしまう場合もあります。

意見を寄せてくれたことに感謝する

「お客様は時間を割いてクレームを言ってくださいました」

 

まず、その事に感謝しましょう。

クレームは、業務改善に直結に繋がり、その後の業務を円滑に行う事が出来るようにもなります。

仲間や上司に報告し情報を共有する

お客様からクレームを受けたら内容を時系列に整理し、今後の改善策に役立てるよう原因を追究しましょう。

また、報告書を作成し、同じような内容のクレームが続くようであれば、抜本的な業務改善を行う必要があります。

クレーム処理のタブー
その場逃れの返事をする

相手の勢いにのまれて「できないこと」を約束してしまうと、返って悲惨な結果になります。
どんな時も感情に流されず、冷静に対応できるよう心がけましょう。

 

言い訳をしない

「でも」「ですが」「しかしながら」などは禁句です。

こちら側の誤りは素直に認めましょう。


怒っている人に対しての言い訳は、火に油を注ぎ、怒りをさらに倍増させることになります。

 

「クレーマー(言いがかりをつける人)」と決めつけない

自分の価値観で相手をクレーマーだと決めつけないようにしましょう。

些細なトラブルでも、人によっては重大に捉える場合もあります。

 



お詫びで効果を発揮する言葉

謝罪言葉「申し訳ございません」の一点張りでは、相手に誠意は伝わりにくいもの。

次のような言葉を駆使して、誠意を伝えるようにしましょう。

 

  • クッション言葉「恐縮ですが」
  • 共感言葉「ご指摘はごもっともです」
  • 依頼言葉「よろしくお願いいたします」
  • 感謝言葉「ありがとうございます」

 

おわりに

クレームは、初期対応によって、すぐに収まる場合と、かえって大参事を招く場合があります。

それだけ初期対応は重要です。

 

お客様からお叱りを受けるのは、誰しも心地いいものではありません。
ですが、ご自分の時間を割いてわざわざクレームを言ってくださるお客様は、その後上手にお付き合いすれば、強い信頼関係を取り戻す事ができます。

 

お客様のクレームを素直に受け入れ、業務改善につなげることがその会社の発展に繋がるのではないでしょうか。

 
 コラムニスト情報
矢野 誉美
性別:女性  |   職業:マナー・プロトコール講師・ホテリエ

外見だけでなく、内面も同時に磨けたら。
マナーとは敷居の高いものではなく、産まれてから今日に至るまで日々、家庭の中で育まれてきたものです。

『人』とのコミュニケーションの基礎になるマナーの本質をしっかりと身に着けて頂くために、親から子へ・・・引き継がれるべきマナーについて、優しく、そして自分自身のブラッシュアップの為のマナーセミナーを開講しています。

マナーを軸として『サロン(仕事)に活かす』『ライフスタイル(生活)に活かす』という2面からフォーカスした楽しく吸収できる知識をお伝えしています。
接客業20年のキャリアから、『リピーターを作る』に特化した接客メソッドを確立。現役でホテリエを続けながら、サロネーゼ向けのマナーレッスンを銀座にて開講。

顧客満足=スタッフ満足=わたし、満足 をゴールとして、サロン・クリニックに特化した接遇マナーレッスンも大好評

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