ポルトガルにある世界遺産の街、シントラ観光。宮殿や遺跡をのんびり回る9つのポイント (1/2)
その風光明媚な街並みは、シントラの文化的景観としてユネスコの世界遺産に登録されています。
イギリスの詩人、バイロンが「エデンの園」と称賛した街は、王族や貴族の別荘地として栄えました。
このコラムでは、シントラの魅力と見所をご紹介いたします。
リスボンへ日帰りする場合は、リスボンのロシオ駅で1日乗車券を手に入れましょう。
シントラまでの往復運賃と、市内観光バスの料金が含まれています。
シントラからロカ岬やカスカイスへ行くバスにも乗車できます。
シントラに宿泊する場合
市内観光バスの1日乗車券を購入しましょう。
車内で販売されており、同じ番号のバスであれば乗り降り自由です。
シントラ宮殿、ムーア人の城跡、ペーナ宮殿に行くためには、434番のバスに乗りましょう。
レガイラ宮殿、モンセラーテ宮殿に行くときは、435番のバスが便利です。
このバスは、現在はホテルとして使用されている18世紀に建てられた宮殿、パラシオ・デ・セテアイス前にも止まります。
のんびりとシントラの名所を観光するもよし、ユーラシア大陸の最西端、ロカ岬やビーチリゾートとして有名なカスカイスまで足を運ぶのもよいでしょう。
- リスボン発→シントラ宮殿→ムーア人の城跡→ペーナ宮殿→市内観光→リスボン着
- リスボン発→シントラ宮殿→ムーア人の城跡→ペーナ宮殿→ロカ岬→カスカイス→リスボン着
シントラに宿泊できるという場合には、2日間あれば、ゆっくり歩いても主な観光名所を見学することができるでしょう。
- 1日目
- 2日目
シントラ宮殿、ムーア人の城跡、ペーナ宮殿の共通チケットがあり、別々に購入するよりもお得です。
並ぶ手間も省けるので、最初に訪れる施設の窓口で購入しましょう。
シントラに着いたら、まずはシントラ宮殿に向かいましょう。
駅前からバスも出ていますが、歩いても10分ほどです。
お天気がよければ、途中のイスラム風の噴水を見学しがてらのんびりと歩くのもよいでしょう。
19世紀までは王家が所有していたという建物の外観は、宮殿というにはいささかシンプルですが、もともとはイスラム教徒が建設しただけあって、内部にはエキゾチックなイスラム風の装飾が施されています。
天井画に注目したいカササギの間、ぶどう柄のアズレージョ(ポルトガル式彩色タイル)がエキゾチックなバスティアン王の寝室など、美しい居室を見学することができます。
最も美しいといわれているのは紋章の間で、壁一面を覆うアズレージョは一見の価値があります。
シントラ宮殿の見学を終えたら、ムーア人の城壁へと向かいましょう。
曲がりくねった峠の道をバスが猛スピードで飛ばす、その道中もまたスリル満点です。
ムーア人とは、北西アフリカのイスラム教徒のことで、レコンキスタ以前は、彼らがイベリア半島を統治していました。
現在は廃墟となっていますが、ムーア人が築いたという城壁と、遺跡のいくつかを見学することができます。
城壁から眺めるシントラの美しい街並みは、まさに絶景です。
様々な建築様式の寄せ集めで、見る人に美しいというよりもちぐはぐな印象を与えるのは、ペーナ宮殿です。
この城を造らせたフェルナンド2世は、シンデレラ城のモデルとなったノイシュヴァンシュタイン城を建てたバイエルン王ルートヴィヒ2世の従兄弟にあたるそうです。
ペーナ宮殿のほうが30年ほど先に完成しているので、ルートヴィヒが、この宮殿から何かしらの影響を受けたのかもしれません。
つぎはぎの様な外観とは裏腹に、室内には落ちついた雰囲気が漂っています。
壁一面のアズレージョと、テーブルコーディネートが美しい晩餐の間は必見です。
ガイドブックにもあまり詳しい情報が載っていなレガイラ宮殿。
所に驚くような仕掛けが施されているその庭園は、まるで冒険物語の舞台さながらです。
大富豪であったアントニオ・モンテイロが、レガイラ男爵から買い受けたこの宮殿は、もともとは王族の別荘として12世紀に建てられましたが、モンテイロ氏の意向によって、大幅に改装されました。
彼は、フリーメイソンや錬金術に傾倒した異端の人だったとも言われており、宮殿内には、キリスト教のモチーフにカモフラージュされた、フリーメイソンの意匠がいたるところに見られるのだとか。
ガイドツアーでは、そのシンボルなどの見所を詳しく解説してくれます。
暗い地下道、ダンテの「神曲」を象徴しているというイニシエーションの井戸など、実際に自分の足でその世界観を体験することができます。
気に入れば丸一日でも過ごせそうなレガイラ宮殿の見学には、充分な時間を確保しておきましょう。
真っ暗な場所もあるため、足元を照らすための懐中電灯を持参するとよいでしょう。
イギリス人の大富豪フランシス・クックが、1858年に夏の別荘として造らせたモンセラーテ宮殿。
インド・イスラム様式を取り入れた大きなドーム型の屋根がひときわ人目を惹きます。
その内部を彩る繊細な透かし彫りには、一見の価値があります。
20世紀に入りクック家が没落してから、この宮殿は荒れ放題になっていました。
1990年代から修復作業が始まり、2015年現在まで続いています。
ユニークなのは、作業への理解と寄付金を募る目的で、現場を一般公開しているところです。
この宮殿のシンボルともなっているドーム型の屋根も、修復作業により昔の麗しい姿を蘇らせました。
屋敷内部よりも更に美しいのは、五大陸から様々な植物が集められたという広大な庭園です。
サボテンが生い茂るメキシカン・ガーデンやイギリス風のバラ園、日本庭園もあり、お天気が良ければ、ピクニックもできそうです。
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旅行とマーケット・蚤の市めぐりが大好きな庶民派ロンドナー。
コレクションのヴィンテージ食器を眺めている時に幸せを感じます。
ロンドン発 -庶民的生活-
http://workingclass.blog109.fc2.com/
Travel.jp「たびねす」にてガイド記事執筆中
http://guide.travel.co.jp/navigtr/707/
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