会社で障害者を雇用したけど、どんな業務サポートをすべき?事例から学ぶ企業の障害者雇用 (1/2)

執筆者: HRプラス社会保険労務士法人
法定雇用率の仕組みと障害者雇用の具体例

こんにちは、さとう社会保険労務士事務所の一安裕美です。

 

あなたの会社で、障害者雇用はしてる?

平成27年の4月から、障害者雇用納付金制度の対象事業主が拡大されたことについては、以前のコラムでご紹介しました。

障害者の現在の法定雇用率は、一般事業主は2%となっていますが、この2%の数字も、今後見直されることになっています。


今回は、この「法定雇用率」の計算の方法と、障害者雇用の具体的な事例をみていきたいと思います。

 

 

法定雇用率のしくみ

そもそも、この法定雇用率はどのようにして決められているのでしょうか?

 

  • 少なくとも5年ごとに、見直しが行われます。
  • 一般の労働者(失業者を含む)と障害のある労働者(失業者を含む)の総数に対するバランスで設定されるため、障害者の求職者数が上昇すれば、法定雇用率も上がる仕組みになっています。

 

具体的な算定の式
平成30年3月まで
  • 身体障害者、知的障害者である常用労働者の数+失業している身体障害者、知的障害者/常用労働者数-除外率相当労働者数+失業者数

 

平成30年4月1日以降

算定基礎の対象に、「精神障害者」が追加されることになりました。

 

  • 身体障害者、知的障害者および精神障害者である常用労働者の数+失業している身体障害者、知的障害者および精神障害者/常用労働者数-除外率相当労働者数+失業者数

 

除外率とは?

上記の算定の式に「除外率相当労働者数」というものがあります。

 

これは、「除外率設定業種」に設定された事業については、その業種ごとに定められた除外率を乗じて、常時雇用する労働者の数を計算するものです。
「除外率設定業種」とは、障害者が就業することが困難であると認められる職種の労働者が、相当の割合を占める業種として、厚生労働省令で定める業種のことです。


代表的な業種として、建設業、電気業、港湾運送業、鉄道業などがあります。
除外率設定業種に定められている業種は、非常に限定的です。

 

 

法定雇用率が上がるけれど、未達成のときはどうなる?

法定雇用率の算定に新たに「精神障害者」が加わることによって、法定雇用率は確実に上がります。

 

ただ、急激に跳ね上がることで、法定雇用率未達成の企業が続出して、納付金で経営が圧迫されるという事態も予測されるため、一定の激変緩和措置が用意されています。

 

平成30年4月1からの5年間は経過措置が設けられている

これは、平成30年4月1から平成35年3月31日までの5年間は、身体障害者・知的障害者を算定基礎として計算した率と、身体障害者・知的障害者・精神障害者を算定基礎として計算した率との間で、政令で定める率で法定雇用率を計算するというものです。

 

具体的な引上げの幅は、障害者の雇用状況や行政の支援状況等を踏まえて、今後の労働政策審議会で議論されることになっています。

 

 

 
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