こんにちは、スキンケアカウンセラーの松原好克です。
化粧品に謳われている効果効能は、どこまで信じればいいのでしょうか。
デパートの化粧品売り場に行っても、商品を勧められるばかりで何となくしっくりこない…。
残念ながら、医薬品医療機器等法(旧薬事法)に違反する一部の化粧品メーカーへの行政指導が後を絶ちません。
ここでは、関心の高いキーワードを取り上げて、本物と偽者の見極め方を解説させていただきます。
※偽者とは医薬品医療機器等法(旧薬事法)に抵触する化粧品のこと
医薬品医療機器等法(旧薬事法)には、効果効能の範囲に関するものだけでなく、誇大記事などを規制する「医薬品等適正広告基準」があります。
「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。」
※医薬品医療機器等法(旧薬事法)第66条第1項
シワは最も規制が厳しく、昭和62年11月25日の厚生労働省通知により、改善効果だけでなく予防も謳えません。
しかし、これはまぎれもない事実なので、当然化粧品の効果効能の範囲を逸脱します。
- シワを伸ばす
- シワを撃退
- シワを解消
- シワが目立たなくなる(メイクアップ料による弱い表現なら可)
- シワを増やさない
- シワを作らせない
など。
なお「小ジワ」「笑いジワ」でもアウトです。
また、「カラスの足跡が気になりだした」「溝を浅くする」など、一歩間を置いた言い回しでもアウトです。
唯一、「乾燥による小ジワを目立たなくする」は言えますが、この表現を取得するには、日本香粧品学会の「化粧品機能評価法ガイドライン」の「新規効能取得の ための抗シワ製品評価ガイドライン」に基づく試験又はそれと同等以上の適切な試験を行い、効果が確認された製品のみに標榜できるものです。
ですが、あくまでも潤いを与えることで「乾燥による小ジワが目立たなくなる」という意味なので、多くの女性が加齢と共に悩むシワとは別物です。
しかし、実際にシワ向けに作られたと思われる化粧品は、多数存在します。
正しいシワ対策化粧品を選ぶには、以下のような広告表現があるものがベターでしょう。
- 気になる目尻に
- 小鼻から口横が気になり始めた方に
- 目元・口元など肌年齢が気掛かりな方に
- 笑い顔を見られたくない方へ
- 見た目年齢に差をつける
- ピ~ンとハリを出す
- ファンデーションがたまりやすい方へ
など。
シワの原因となる、コラーゲンとの関係が深い成分が配合された化粧品を選ぶのも良いでしょう。
パルミチン酸レチノール、レチノイン酸トコフェリル、ビタミンC誘導体(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na、リン酸アスコルビルMg、アスコルビルリン酸Na、3-O-エチルアスコルビン酸など)がお勧めです。
※これらの成分が入った化粧品も、医薬品医療機器等法(旧薬事法)の範囲内で広告表現されているものでないといけません。
たるみについては、シワと同じく、昭和62年11月25日の厚生労働省の通知が最新です。
「顔の筋肉の収縮効果、顔痩せ効果等は、化粧品の効果効能の範囲を逸脱するため、認められません。」と述べています。
認められない例として、以下の5つを挙げています。
- スッキリ~お顔のぜい肉スッキリシェイプアップ(クリーム類)
- もう気にさせません。お肉のつきすぎたホッペや二重アゴ
- お顔に塗って5分待つだけ、キリリと引き締まった細おもて美人の誕生
- お肌のたるみを縦、横、斜めからグイグイ引き締め、シワを隠し、ハリのある若々しい素肌が……
- お顔がホッソリ!顔が小さくなりました
このようなことから、リフトアップや小顔を謳っている化粧品は警戒が必要です。
たるみは、肌の奥(真皮層)の構造そのものが変化してしまっているため、日常のスキンケアや化粧品で以前の状態に戻すことは不可能だということを肝に銘じて下さい。
それでも、山ほどある化粧品の中から「これだ!」というものを見つけ出すのは、容易なことではありません。
宣伝ワードではなく、美容成分を吟味して選ぶというのも一つの手段です。
次回も引き続き、シミや保湿、毛穴についての表現を見ていきましょう。
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スキンケアカウンセラー 松原 好克
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