火葬時、棺に写真を入れてもいい?棺に入れるもの・入れてはいけないもの

執筆者: 中山寒稀 職業:お葬式、終活ガイド
「副葬品」という習慣と、知っておきたい様々なルール

故人をお見送りする際、ご遺体と一緒に愛用品や日用品などを棺に納めるという習慣があります。

これを「副葬品」と言います。

この習慣は日本独自のものではなく、世界中で昔から行われてきています。

 

ただし日本の場合は、ご遺体のほとんどは火葬されるため、棺に納めることができる副葬品にはルールがあります。

棺に入れてはいけないもの
公害(ダイオキシン、煙、臭気、煤煙など)の発生源になるもの

 

ビニール製品、発泡スチロール、プラスチック製品、化学合成繊維など

 

ご遺体の損傷や、火葬炉の故障の原因になるもの

 

金属製品、ガラス、缶、爆発物(缶・スプレーなどの密閉容器、ライター等)、カーボン製品など

 

ペースメーカーが入っている場合は、事前に申告しておきましょう。

可燃性であっても、燃えにくいもの

 

丸ごとの果物、書籍、布団、大量の衣類など

 

火葬場によって、ルールは異なる

原則として上記にあげられているものは、副葬品にすることはできません。
しかし、火葬場によって火葬炉の設備・性能が異なるため、詳細な部分での対応は異なります。

 

棺に入れる「別れ花」の量を制限されるケースも

 

お花も副葬品もほんの少しという火葬場もあれば、果物や書籍は少量であれば許容範囲であったり、または燃えやすいよう形を変えればよいという場合もあります。

 

個人で判断せず、副葬品として入れたいものは、葬儀会社の担当者に確認してみることが必要

 

家族の写真は、入れてもいい?

 

これはとても難しい問題です。
「寂しくないように」と、入れてあげたいと思う方も少なくないようです。
もちろん、物質としては紙ですから全く問題ありません。

 

「生きている人の写真を入れると、連れて行かれる」という迷信がある

そのため、縁起でもないと大反対される方も多いのです。

 

家族写真やご健在の方の写真を入れる際は、写っている本人はもちろん、ご親戚の方などにも同意を得ることが必要。

 

1人でも反対される方がいた場合は、見合わせた方がいいでしょう。

写っていた方に嫌なことがあった場合、棺に写真を入れたためだと言われかねません。


故人も自分の最後の場面で、残された者にわだかまりが残ることは望まないはずです。

故人を偲びながら、ルールも守る方法とは?

どうしても最後のお別れだと思うと、あれもこれも入れてあげたくなるのが人情です。
しかし、ルールは守らなければいけません。

 

愛用品を撮影した写真を入れる

「どうしても好きだった釣竿を入れてあげたい」などの強い要望がある場合は、木製や紙製で作られたレプリカを代わりに納めたり、愛用品の撮影した写真を棺に入れるという方法もあります。

 

骨壷に入れるという方法も

 

メガネや腕時計などの小物は、遺骨と一緒に骨壺に入れてあげるといいでしょう。

 

おわりに

故人のためにも、副葬品は形にこだわりすぎることは止めましょう。

ルールを守りトラブルのない葬儀をして、すっきりと送り出してあげたいものです。

 
 コラムニスト情報
中山寒稀
性別:女性  |   現在地:埼玉県  |   職業:お葬式、終活ガイド

ライター、ドクターズクラーク、ファイナンシャルプランナー(CFP)の中山寒稀(なかやまふゆき)です。
主に健康、終活について書いております。

製薬会社退職後、保険代理店を経験し、ライターに転身。

著書:『人が死ぬということ
   …必ず起こる!弔いの「想定外」悲喜劇』(主婦の友インフォス情報社)
ブログ:ひだまりすずめ 中山寒稀のブログ
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