ドライフルーツ「棗(なつめ)」の効能!乾燥なつめはヘルシーなおやつにおすすめ
ドライフルーツ「棗(なつめ)」の栄養効能を解説します。美容と健康によく、ダイエット中のヘルシーおやつにおすすめの食べ物です。ちなみに乾燥なつめとデーツは違うようです。
こんにちは、薬剤師の田伏将樹です。
なつめという果物をご存知でしょうか?
クロウメモドキ科の樹木の果実です。
新芽が夏に出るので、なつめと名付けられています。
生のなつめは、緑色で甘酸っぱい実で、果物としてそのまま食べられるものなのですが、日本ではほとんど見かけられません。
一般にも手に入るのは、通常は乾燥させたナツメか、またはドライフルーツとしてのなつめです。
韓国の薬膳料理であるサムゲタンにも入れられます。
赤い2~3cmの実です。
果実の形は楕円または卵形をしています。
茶道で抹茶を入れる容器(茶器)のことを「棗」(なつめ)といいますが、なつめの果実の形に似ていることが由来のようです。
なつめは、漢方薬においては、多くの方剤に配合されている有名な生薬です。
漢方薬では「大棗」(たいそう)という生薬名になります。
甘い味の生薬です。
なつめの果実が赤く色付き出した頃に収穫し、日干し乾燥させたものです。
なつめの効能は、3つあります。
胃腸が弱くて、食欲が少ない、軟便、倦怠感のあるときに用います。
「六君子湯」(りっくんしとう)などに配合されています。
配合に大棗を加えることによって、食欲を増すことと消化を助ける働きで、他の薬物の吸収を促進し、その漢方薬の効果を高めることができます。
血液不足が原因で、精神不安定となることがあります。
そのようなときの不安感、不眠、びくつき、驚きやすいなどの症状に用います。
「甘麦大棗湯」(かんばくたいそうとう)などに配合されています。
刺激性の強い薬物の性質を緩和させて、胃腸を守ります。
また、大棗の甘みが、漢方薬の味を飲みやすく矯正してくれます。
漢方薬では、生姜と一緒に配合されることが多いです。
例えば「葛根湯」(かっこんとう)にも使われています。
漢方薬を飲むほどではなくても、胃腸を丈夫にして食欲を増し、体を元気に保つには、なつめそのものを食べることでも効果的です。
「1日3個のナツメを食べていれば生涯若く見える」とも言われるくらい、老化防止や、美肌を保つ、免疫力の向上などの効果が期待されます。
特に女性の場合は、月経のときに食べるがお勧めです。
東洋医学的に月経では、経血とともに「気血」が消耗されます。
気血が消耗して不足した状態の時は、よく体を休めることと、そして食べ物で「気血」を補うことが大事です。
なつめは胃腸の働きを良くすることで「気血」の補充をサポートしてくれます。
また、冷えることがあると血の巡りが悪くなり、月経痛の原因となります。
なつめは温性の食品なので、お腹を適度に温めるということに関しても適しています。
ナツメは胃腸機能を助けるとはいうものの、糖類が多く含まれますので、すでに食べ過ぎてお腹が張っているときに食べると、さらに膨満感を起こします。
また、温性の性質があるので、もともと熱っぽいときには控えてください。
毎日適量を摂り続けるのが良く、一度に食べ過ぎるのはいけませんので、ご注意ください。
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