言葉が出ない、話すのが怖い!ストレスが原因で起きる「吃音(どもり)」の症状と改善方法

執筆者: 辻 真由
吃音(どもり)について

言葉が円滑に話せない病気、「吃音症」障害。

 

吃音症の原因はストレスから

幼少期に過度の緊張や不安、そしてストレスといった心理的な影響を受けると、吃音(どもり)の発症率が高くなることが分かっています。


また、厳格な両親のもとで育った子どもは、他の子どもに比べて吃音症になりやすいと言われています。

このように吃音症には、心理的要素が深く関わっているのです。

 

 

吃音の二次障害も

また、どもりが気になって人前で話せなくなったり、誰かとコミュニケーションを取るのが怖くなってくると、吃音症が引き金の対人恐怖症やうつ病、自宅に引きこもるなどの二次障害につながる恐れがあります。

 

この症状が重症化すると、自ら命を絶ってしまうケースも少なくありません。

吃音症の改善はなるべく早く行う必要があります。

 

すぐに出来る!呼吸法による対処法がおすすめ

どもりの症状が出た時に、焦ったり緊張したりして呼吸がうまく出来ず、浅くなる場合があります。

そうなると、思ったように話せなくなり、余計にどもってしまうという悪循環になりかねません。


そのため、呼吸のしやすい正しい呼吸法を身につける必要があります。

正しい呼吸法を実践することでどもりの改善にもつながるのです。

 

呼吸が浅くなるのは何故?

息を吸ったときに胸や肩が押し上げられる「胸式呼吸」をしている状態だからです。


胸式呼吸だと胸のある一部分で呼吸するため、心身を緊張させる原因となる交感神経が活発に働いてしまいます。

この結果、言葉をスムーズに話せなくなってしまうのです。


ですので、反対に心身を落ち着かせる副交感神経の働きを活性化する「腹式呼吸」を行うことが、吃音症を治療する呼吸方法として大切となってきます。

 

 

腹式呼吸でストレスを解消し、どもりを克服

腹式呼吸は吃音症の治療だけではなく、心と身体を健康な状態に導く、理想的な治療法なのです。

 

どもりによってストレスが増大し、余計にどもりの症状が悪化してしまう悪循環になりがちですが、腹式呼吸は副交感神経の働きを活性化するため、乱れた自律神経も整えます。

このことでストレスを解消し、どもりの症状が出る頻度を減らす事が可能です。

 

緊張する場面や強いストレスを感じた場面も、腹式呼吸を用いる事により落ち着きを取り戻し、本来の自分に導いてくれるはずです。

 

悩めば悩むほど悪化をまねく
引きこもっていても治らない

どもるのが嫌だからと、自宅に引きこもっていては生活が成り立ちません。

 

社会人として、多かれ少なかれ人と接しなくてはならないのです。

接客業はもちろんですが、デスクワークでも職場の人と話す場面は当然あります。

電話対応や来客の対応など任される事もあるかもしれません。

 

 

どもりを隠すのは、なかなか難しい

取引先の人や職場の人たちと会話しない訳にはいきません。


どもりを意識し過ぎて人との接触を避けていると、孤立していき、働きづらくなってしまいます。
これによりますますストレスを感じて吃音症が悪化し、うつ病や対人恐怖症などの二次障害を引き起こしてしまう可能性があるのです。

そう、吃音症は悩むほど悪化しどもりやすくなってしまう特徴があります。

 

普通の人でも吃音症に

過度のストレスがかかると、吃音症は酷くなる傾向があります。

 

そして、そのようなストレスや緊張状態がかかり続けると、普通に話せていた人が急に吃音症を患ってしまうというケースも少なくないのです。

 

一人で悩まず相談を

一人で考え込んでしまうと、マイナスな事しか浮かばなくなります。

思い切って職場の人に吃音症を打ち明けたり、友達や専門機関に相談すると気持ちが落ち着き、楽になります。

 

実際、カウンセリングによって精神の状態が安定し、どもりが出にくくなるという場合もあるのです。

 

 

勇気のいることですが、吃音症を克服しようとする前に、悪化している精神面のケアが改善の近道です。