年金は65歳からもらえる?もらえない?受給スタートの年齢引き上げから考える年金問題

執筆者: ヨースケ城山 職業:節約アドバイザー
平均寿命で見る「年金支給開始年齢」の引き上げの可能性

節約アドバイザーのヨースケ城山です。

 

「年金は、本当に65歳から貰えるのでしょうか?」

その不安を持っている方は、非常に多いのではないのでしょうか?

 

今回は、年金の歴史と平均寿命の相関関係で、今後の年金の支給開始年齢を予想をしていきたいと思います。

 

年金制度の幕開け時は「55歳以上」が支給の対象
最初は男性だけが対象で、のちに女性も

厚生年金制度の前身となった、工場男子労働者を対象とした「労働者年金保険法」が昭和16年(1941年)に公布されました。

 

老齢における保険給付は「養老年金」と呼ばれ、対象は55歳以上でした。(資格期間が20年以上)

その後、昭和19年(1944年)に女性にも適用対象が広がり、名称も「厚生年金保険」と改めました。

 

 

この頃の平均寿命は、男女とも50歳代

第2次世界大戦が終了した直後の平均寿命は、男女とも50歳代でした。

若年で死亡する者も多く、老後の期間は誰にでも訪れるという時代ではなかったのです。

 

年金がもらえるのは、約半数の人々

その為、支給年齢が55歳からでも、この養老年金が貰えるのは約半分という時代からのスタートでした。

年金の支給開始年齢が「男性60歳、女性55歳」へ

国民皆保険・皆年金が実現された昭和36年(1961年)には、厚生年金保険法も改正されており、男性は55歳から段階的に支給開始年齢が引き上げられ、60歳から養老年金が支給されるようになりました。

 

定年後の余命が、10年程度だった時代

この当時の平均寿命は、男性で66.03歳、女性で70.79歳となっており、男性が55歳で引退したとしても、平均余命までの期間は、男性が10年程度、女性は15年程度でした。

 

このころは企業の定年は、55歳が一般的でした。

 

年金をもらう人は、それほど多くなかった

まだまだ養老年金をもらう人は、そんなに多くない時代だったのです。

 

国民年金法の改正により、男女とも「60歳」支給の時代へ

昭和61年(1986年)に、国民年金法が改正され、「基礎年金制度」が創設されました。

これで、現在の年金制度の骨格ができあがりました。

 

60歳で定年し、支給される年金と退職金で老後はのんびり

これにより、全国民が60歳支給開始時代を迎えます。

 

この頃には企業の定年も60歳が一般的となり、定年後は支給される年金と退職金で、老後はのんびり暮らすというスタイルが一般的になりました。

 

 

法律の改正により、段階的に65歳支給開始の時代に!

1990年の平均寿命は男性が75.92歳、女性が81.90歳に達しました。

 

これは、1961年の頃と比べると、男性で約11年、女性でも約10年と平均寿命が延びており、その結果年金支給開始年齢の引き上げの改正が、1994年に行われました。(国民年金法、厚生年金保険法)

 

2025年以降に65歳を迎える人は、年金をもらえるのは65歳から

段階的に引き上げが行われることとなり、2013年から2025年にかけて、60歳から65歳まで引き上げられることになったのです。

 

つまり、2025年以降に65歳を迎える方は、現行の制度では年金は65歳からの支給となります。

 

女性の引き上げは、男性より5年遅れ

なお、女性は60歳から支給開始となって間もないため、男性より5年遅れで支給開始年齢の引上げが実施されます。


よって、男性は、昭和36年4月2日生まれ以降、女性は、昭和41年4月2日生まれ以降の方は、全員65歳からの支給となります。

 

「65歳定年制」を導入する企業も

これに合わせ、年金受給まで無収入になる人が増えるのを防ぐために、「高年齢雇用安定法」が施行されました。

これにより、雇用主は、希望する従業員全員の雇用を65歳まで確保するよう「定年退職制度の廃止」「定年年齢の引き上げ」「再雇用制度」のいずれかを実施することが義務づけられています。

今後、段階的に65歳定年制にする企業も増えていくと思われます。

 

これって70歳支給開始のための伏線?
厚生年金の加入資格が引き上げられた訳とは?

厚生年金の加入資格が平成14年4月1日以降、70歳未満までに引き上げられた訳は、70歳支給開始を見越しての措置というのが有力です。

 

2002年時点の平均寿命は、男性78.32年、女性の平均寿命は85.23年

平成14年(2002年)時点では男性の平均寿命は78.32年、女性の平均寿命は85.23年と、女性は初めて85年を超えています。

 

1990年と比べても男性、女性ともに約3年延びています。

 

財政破たんを防ぐために手を打った?

このままでいくと、年金財政が破たんしてしまいます。

そこで政府は、厚生年金の加入資格を先に70歳未満までと拡大させました。

これにより、70歳支給開始の伏線を張ったと言われています。

 

平均寿命は、ますます延びている

では現在の平均寿命はどうなっているのでしょうか?
2014年では男性が80.21歳、女性が86.61歳で、さらに延びているのがお分かりでしょうか?

 

70歳支給説がますます現実味を帯びてくる

このままで行くと、70歳支給説も、かなりの確率でありうるというのが、平均寿命の延びからも良く分かります。

おわりに

ここまで、平均寿命と年金支給開始年齢の相関関係を見てきました。

平均寿命が延びれば、年金支給開始年齢も簡単に引き上げられるというのが、見て取れましたでしょうか?

 

必ずまた法改正が行われ、60歳から65歳の引き上げ時と同じ方法をとり、年金支給開始年齢も65歳から70歳になると思われます。

 

この前回の引上げ方が上手く混乱も少なかったことから、同じ手を取ると私は思っております。

皆様も、70歳支給説はありうるということを覚えておいてください。

 
 コラムニスト情報
ヨースケ城山
性別:男性  |   職業:節約アドバイザー

社会保険労務士合格者

ファイナンシャルプランナー

住宅ローンアドバイザー

年金アドバイザー

1973年生まれ。大学卒業後、商売の基本を学ぶため大手100円ショップに入社。1円単位の原価計算の重みを知る。その後、大手スーパーに転職し、値引きやタイムセールを担当。リアルな現場での駆け引きや相場観を養う。またその手腕により東京地区エリアマネージャーとなり、新人採用を年間4000人担当した。

著書「給料そのままで月5万円節約作戦!!」の中では固定費の削減を中心に
ラクして貯めるをモットーに活動している。

ブログでいつも取り上げているテーマは節約全般、社会保険労務士試験 住宅ローン 労働問題 ブラック企業 障害年金 40代の転職 出版について 潜在貯蓄 教育についてなどになります。興味がある方は是非ブログも覗いてみてください。

著書は『給料そのままで「月5万円」節約作戦!』(ごま書房新社)。本の内容は、『らくらく貯蓄術。住宅ローン地獄に落ちない為の家計防衛のススメ。』
http://kotukotushinai.jimdo.com/
にもまとめられている。

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2012年 給料そのままで「月5万円」節約作戦【ごま書房新社】より発売
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