皆さん、こんにちは。
スキンケアカウンセラーの松原好克と申します。
メイクを施す女性にとって、クレンジングは毎日の日課です。
しかし、クレンジングが肌への負担になっていることは、あまり知られていません。
このコラムでは、クレンジングが与える肌への影響を解説致します。
肌に付いている油性の汚れ(主にメイクアップ料)を落とすことを目的にした、スキンケア行程の1つです。
クレンジングの際に使用するアイテムは、皆さんご存知の通り「クレンジング料」と呼ばれています。
成分構成は製品によって多少の違いはありますが、油分と界面活性剤が主成分になっています。
メイクアップ料は油性のため、肌から浮かせるためには油分が必要です。
さらに、洗い流す際に水と油を調和させる界面活性剤が必要になります。
この2つの作用でメイクを落とすのがクレンジング料です。
ノーメイクの人や粉おしろい(ルースパウダー)などの洗顔のみで落とせる軽いメイクの人は、クレンジング料を使う必要はありません。
クレンジング料は、スキンケアアイテムの中でも一番肌への負担が大きいです。
なぜなら、肌に悪影響を与えると言われる「界面活性剤」が最も多く配合されやすいからです。
しかし、最近の界面活性剤は比較的良質な成分が使われるため、洗い方さえ気を付ければ大丈夫でしょう。
近年は、汗水に強い崩れにくいメイクアップ料が多くなっていますが、落ちにくいがためにクレンジング料で強く擦ること&時間を掛け過ぎる事で、肌への負担が大きくなります。
時間を掛けた過度な摩擦は、クレンジング料に含まれる界面活性剤の”浮かせて落とす”作用がここぞとばかりに持ち味を発揮し、メイクと一緒に肌の水分を保つ物質である「セラミド(細胞間脂質)」までも一緒に流失させてしまいます。
そして、日常的に繰り返すことにより、「セラミド(細胞間脂質)」が不健全になって肌の水分がどんどん蒸散し、刺激から肌を守るバリア機能が低下します。
怖いのは、一気に肌へ影響を与えるのではなく、毎日少しずつ負担が蓄積されるため、緩やかに肌の調子を乱していきます。
つまり、ボディーブローのようにジワジワと効いてくるので、原因がクレンジングにあることに気付かない場合が多いのです。
その結果、抵抗力が衰えて肌荒れを招いたり、人によっては乾燥肌や敏感肌へと傾くことがあります。
特に、専用のリムーバーを使って落とすアイメイクには注意が必要です。
目周りの皮膚は薄いため、刺激が伝わりやすいうえに専用のリムーバーは通常のクレンジング料よりも洗浄力が強いので、トラブルを誘発するリスクが高くなります。
また、擦ることはメラニンの活動を活発にするため、シミの原因を自ら作っているのと同じことです。
擦る・叩くなどの刺激を慢性的に与えると、皮膚は黒ずんでくるのです(炎症性色素沈着)。
クレンジングの際に、マッサージや毛穴の掃除など付加価値を促す美容法を見かけますが、これらは知らず知らずのうちに肌に刺激を与えていることになりますので、あまりお勧めできません。
クレンジングはメイクを落とすことのみに徹しましょう。
どれだけ高級な美容液を付けていても、クレンジングで肌に負担を掛けていては、ザルに水を注いでいるようなもの。
クレンジングは、「スキンケアの死角」だと心得ましょう。
あまりにもクレンジング時間が短かったり指加減が弱すぎると、メイク料が肌に残ってしまうのでは…と思われるかもしれません。
確かに、メイク料が残ってしまうと雑菌等の影響で肌荒れや吹き出物などの原因になることは稀にあります。
しかし、メイク料が肌に残るリスクよりも、長い時間ゴシゴシ擦ってメイクと共に「セラミド(細胞間脂質)」を落としてしまうリスクの方が深刻な問題なのです。
巷では、「メイク料が肌に残ったまま寝てしまうと浸透してシミになる」という情報が流れていますが、その心配はありません。
シミを作るメラニンを発生させるには、角質層より下の基底層に存在するメラノサイトに何らかの伝達(紫外線や物理的刺激)が必要です。
しかし、メイク料の化合物分子は大きいため、皮膚奥(表皮の角質層より奥)に浸透することはありません。
つまり、メイク料が色素沈着を起こしてシミになることはありえないのです。
クレンジングと美肌の関係は密接である、ということがお分かりいただけたと思います。
まずは、クレンジングの際の肌への負担を最小限に抑えることが、正しいスキンケアの第一歩だと肝に銘じましょう。
「たかがクレンジング」と安易に考えていると、大きな落とし穴が待っているかもしれません。
|
|
関連コラム
-
BEAUTY LATTE
-
BEAUTY LATTE
-
-
-
|
|