新卒採用の面接対策。企業目線から見た「個人・複数・グループ面談」の意味とは (1/2)

執筆者: 藤田美智 職業:就職/人事戦略コンサルタント (株式会社ネクサスグリッド 代表取締役)
個人面接?集団面接?面接のスタイルは様々

こんにちは、人事戦略コンサルタントの藤田美智です。


面接というと、面接官(どうも、この用語は好きになれないので、以後「面接担当者」と呼ぶことにします)が、2~3名、時には4~5名いて、応募者が1名というシチュエーションを想像しがちです。


しかし、実際には、面接担当者よりも多い応募者を一度に面接する場合もあります。
また、グループ・ディスカッションをさせる企業もあります。


今回は、そのような面接のスタイルについてお話しようと思います。

面接の方法によって、面接の目的がわかる
「複数の面接担当者に、応募者1名」が、最もスタンダード

面接担当者が2~3名、応募者が1名。

これが、一次/二次面接の、最もスタンダードなスタイルだと思います。

 

 

複数名を一度に面接するのには、どんな意図が?

ですが、応募者複数名を一度に面接する場合もあります。
それは、なぜなのでしょうか。


以前のコラムにおいて、消費財と生産財の話をしました。


消費財を取り扱っている会社(消費者向けサービス業も含む)は、一般的に世間的知名度は高いため、応募者は多数集まる傾向にあります。
そして、応募者本人は元より、家族、親戚、友人、知人すべてが、その消費財を取り扱っている会社の消費者なのです。


ここがポイントです。

 

採用しなかった人やその家族にも、ずっと自社のファンでいてほしいから!

消費財を取り扱っている会社は、消費者を敵に回したくないのです。

いつまでも、その会社が取り扱っている商品のファンであってほしいのです。

 

ですから、なるべく書類選考だけで落とした、というパターンは避けたいという思いが働き、面接では、応募者数に対して採用枠が少なく、やむにやまれず、落とさざるを得なかったという面接を演出するのです。

 

 

となると、必然的に多数の応募者を面接しなければなりませんから、どうしても複数名を一度に面接するというスタイルになるわけです。


なかには、面接担当者が1名で、一度に4名という事例も聞いたことがあります。

ちなみに、その面接担当者はとても良さそうな人で、愛想が抜群だったそうです。

 

一方、生産財を取り扱っている会社(企業向けサービス業を含む)は、知名度が低い分、どうしても消費財関連企業に比べて応募者の数は少なくなる傾向にありますから、面接に時間と手間をかけることが可能となります。


ですから、こういった企業では、応募者を複数名同時に面接ということは、やる必要性がありません。

同じ企業でも、応募者によって面接のパターンを複数使い分ける

大学群を「ABCD」の4つに分類するとします。

 

「AB群」については、一次面接を面接担当者3名、応募者1名で実施。
「C群」については、面接担当者1名、応募者2名で実施。
「D群」については、書類選考。


このような、差をつけて対応するという場合も出てくるというわけです。


つまり、C群の学生は最初から、企業の心証を悪くすることなしに、落とされる面接に臨んでいることになります。

 

CD群と思われる大学からも、毎年採用実績があるのにという疑問は、ついて回りますよね。
ところが、その実態はコネ入社の場合が殆どですので、そもそも一般の選考ルートとは異なるのです。

グループ・ディスカッションは、面接では見えない部分を見る

グループ・ディスカッションは、選考する側の企業にとって、手間と時間がかかるイベントです。
ですが、実際にそれをやるからには、それなりのメリットを感じ取ることができるからなのでしょう。

 

ディスカッションの中身はそれほど重要ではない

まず、テーマを与えられて、口火を誰が切るのか、その切り方に誰がどのように反応して話を展開するのか、その展開を受けて、誰が別の視点の切り口で話の方向性を変えようとするのか、聞いていて面白いことは面白いのですが、企業側からすれば、あまり話の中身に重きを置いて聞いているわけではありません。

 

 
 コラムニスト情報
藤田美智
性別:男性  |   現在地:〒107-0052 東京都港区赤坂2-17-55 プライム赤坂216 株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)  |   職業:就職/人事戦略コンサルタント (株式会社ネクサスグリッド 代表取締役)

こんにちは!藤田美智(ふじたよしとも)と申します。これまで、書籍・雑誌の編集、上場企業における広報、人事(主に採用・教育研修、人事評価制度設計)を長年にわたって経験。現在は、東京都港区赤坂に株式会社ネクサスグリッド(略称NG笑)を設立し、就職・転職・人事戦略・組織戦略をメインとする人事コンサルティングを展開しております。このコラムでは、仕事選び・就職・転職を成功させるために、何をどのように考えて行動に移していったらよいのかについて、お話しするとともに、企業における人材採用・育成の方法、その仕組みづくりについても解説してまいります。私は現在、社員のモチベーションUPを実現する人事制度設計・導入・定着のコンサルティングをメインとして仕事をしております。人事評価制度設計だけでなく、企業の人事戦略、組織戦略、事業承継ついても多様なコンサル実績があります。個別のご相談(無料=お金は一切いただきません)、講演、顧問契約等のご依頼、諸々のご相談は、メールにてご連絡ください。「ご連絡は以下のmail addressまでお願いします(●の代わりに@を入れて送信してください)」nexus.grid.akasaka●gmail.com
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