シワに効果あり!本物の美容成分「レチノイン酸トコフェリル」

皆さん、こんにちは。
スキンケアカウンセラーの松原好克です。

次から次へと登場する、目新しい化粧品成分。

本当に効果的な成分はどれなのか知りたい、というご質問をよくいただきます。

 

そんな多くのご要望にお応えして、エビデンス(科学的根拠)が高い化粧品美容成分を、定期的に解説しています。
今回取り上げるのは、「レチノイン酸トコフェリル」です。

 

 

「レチノイン酸トコフェリル」とは

「レチノイン酸トコフェリル」とは、「レチノイン酸(別名:トレチノイン)」に、ビタミンEの一種である「δ(デルタ)-トコフェロール」をエステル結合させた成分です。

レチノイン酸は、美容皮膚科での治療に用いられており、シミ・シワ・ニキビなどに大変効果的ですが、刺激が強いため、化粧品への配合は禁止されています。


そこで、レチノイン酸の効果を助けながら、皮膚への刺激を抑えた化粧品成分として、「レチノイン酸トコフェリル」が開発されました。

レチノイン酸トコフェリルの特長・効果

レチノイン酸トコフェリルには、次のような特長があります。 

 

  • コラーゲンとの親和性が深い
  • ハリ・弾力を促す
  • 毛穴へアプローチする
  • 角質層を整えて水分感をアップさせる
  • 肌代謝(ターンオーバー)に働きかけて健やかな肌へと導く

 

「レチノイン酸トコフェリル」の実験研究報道

続いて、次の報道をご覧ください。

 

シワを減らす効果のある化粧品が、今秋にも登場しそうだ。現在、シワに最もよく効く成分として知られているレチノイン酸に、ビタミンEに似た成分を結合 させて合成した「レチノイン酸d-δ(デルタ)トコフェリル(以下、レチノイン酸トコフェリル)」がそれ。安全性が高く、シワを減らし、角質の水分量を増 やし、毛穴を引き締める効果が、人間を対象にした実験で確認された。

京都で開かれた抗加齢医学会総会で、サンクリニック院長で神戸大学名誉教授の市橋正光氏が、ロート製薬との共同研究の結果を公表した。

シワは紫外線や加齢などによって起こるが、医師による治療を受ける以外に、シワを減らす有効な対策はなかった。

レチノイン酸は、シワに最も効く成分と見られてきたが、皮膚が赤くなるなどの副作用が出ることがあり、皮膚科医などの医師の指導の下で利用されてきた。

今回、レチノイン酸トコフェリルの効果は「レチノイン酸とほぼ同じ」(市橋名誉教授)とされ、しかも皮膚への刺激が少なく、安全性が高いことが確認された。この結果、“最強のシワ対策成分”が化粧品として登場しそうだ。

市橋名誉教授らは、DNAチップによって遺伝子の発現を通常のレチノイン酸と比較、レチノイン酸とほぼ同様の結果を得た。また、試験管内実験(in vitro)によってコラーゲンやヒアルロン酸の産生促進などを確認。マウス実験なども含めて、効果や安全性を確認した。

さらに、19人の成人女性(平均45.1歳)に3カ月間、顔に塗ってもらい、効果を検証した。

この際、皮膚への浸透性を高めるためにシュートソームという技術を用い、レチノイン酸トコフェリルとアスコルビン酸(ビタミンC)を一緒に配合した製剤を使用した。なお、日焼け止め成分入りを朝、日焼け止めなしを夜に塗布した。

3カ月後の結果では、シワの本数が1本以上減ったのが69%、毛穴の数や総面積も減少した。一方で、角質水分量は63%で改善した。

市橋氏は、総合判定として「肌の改善合計は74%」とし、レチノイン酸トコフェリル+アスコルビン酸の製剤は、「抗シワ効果に優れた成分」と説明する。

なお、ロート製薬は今回の成果を基に商品化を進めており、早ければ9月にも市場投入する。(日経ヘルス)

 

<引用>
株式会社 日経BP (日経ウーマンオンライン)
“最強”のシワ対策品が登場へ! シワ減らし、角質の水分増やす??ロート製薬が秋に商品化を予定
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/nharchives/90223/

 

この報道に対する見解

こちらは2005年6月23日付けの報道のため、情報が古いのでは?と思われるかもしれません。

確かに、今流行のAPPS(ビタミンC誘導体)やEGFに比べると、大きく話題になったことはありませんし、取り上げられる回数も少ないのは事実です。

ですが、当時の化粧品分野では稀少な、DNA(遺伝子)レベルでの解析を実証しておられることを考えると、かなり信憑性が高いと考えられます。

近年の傾向として、植物・動物の自然由来成分が多く登場していますが、データの裏づけがあるのは僅かです。

また、エビデンス(科学的根拠)が高い、本当に画期的な化粧品成分が誕生するのは、十数年に一度です。


そういった意味では、レチノイン酸トコフェリルは、「時代に流されない本物の美容成分」ではないでしょうか。

 

 

「レチノイン酸トコフェリル」入り化粧品の特徴

レチノイン酸トコフェリルは、水に溶けにくいため、女性の多くが愛用しておられる化粧水への配合は微量です。
溶解処方を考えると、美容液やクリームのような、こってりとした化粧品に高配合されています。

さらに、上記報道のポイントとして、レチノイン酸トコフェリルと、アスコルビン酸(ビタミンC)を同時に配合させた製剤で、人肌実験における効果を謳っています。

 

「ビタミンC誘導体」も一緒に配合されているものを

ですので、レチノイン酸トコフェリルが単体で配合されている化粧品より、「レチノイン酸トコフェリルとビタミンC誘導体が一緒に配合されている化粧品」を選んだほうが良いでしょう。


あるいは、レチノイン酸トコフェリル入り化粧品の前に、ビタミンC誘導体(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na・リン酸アスコルビルMg・アスコルビルリン酸Na・3-O-エチルアスコルビン酸など)入りの化粧水を塗布することで、相乗効果が期待できます。

 

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