この症状、四十肩?五十肩?「肩関節周囲炎」の原因とセルフチェック方法 (1/2)

肩が痛い、腕が上がらない。いわゆる「四十肩」「五十肩」の原因を解説します。肩関節を動かす筋肉に不調がないか、セルフチェックしてみましょう。

執筆者: 梅田 孝男 職業:整体師・気エネルギー療法師・カイロプラクティック師
四十肩、五十肩。辛い肩の痛みのメカニズム

こんにちは、梅田整体療院院長の梅田孝男です。

今回は、肩関節の痛みを取り上げてみたいと思います。

 

肩が痛くなり、腕が上がらなくなる症状として、「肩関節周囲炎」があります。

いわゆる、四十肩や五十肩です。

 

40代や50代の頃に発症しやすいところから、そう言われるようになったそうです。

 

 

「肩関節周囲炎」(四十肩・五十肩)って、どんな状態?

肩関節とは、肩甲骨と腕である上腕骨を接続している「肩甲上腕関節」のことです。

その肩関節内で炎症が起きていたり、石灰が沈着していたり、腱が傷んでいたり、筋肉が癒着していたりしています。

 

その結果、痛みと、動きの悪さの症状が出ています。

 

どこが痛くなる?

痛みの場所や関節の動きには、人により違いがあります。

肩の前側が痛い人もいれば、後側が痛い人もいます。

 

前からなら腕が上がるけれど、腰に手が回らない、腰に手は回るけど、横から腕が上げられない、などです。

だとすると、人それぞれに痛みの原因となるルートが違うということになります。

 

肩関節に関わっている筋肉を確認してみましょう
シャツなどの洋服を着たままの格好で、左手で右脇腹付近の洋服の生地を、ギュッと掴んだままにしてください

 

そのまま右腕を体の横側から上げてみましょう

生地を掴んだ左手は緩めないように、また動かないようにしてください。

 


どうでしょうか?

単純に右腕は途中から上がらなくなるはずです。

生地が突っ張り邪魔をして、まともには上がらないのです。

 

更に上げようとすれば、洋服の生地はシワになって肩に食い込み、肩周りが窮屈になるでしょう。

もしくは、生地を握っている左手が、持ち上げられてしまうでしょう。

 

同様に、左手で腰のあたりの背骨付近の生地を掴んで、今度は右腕を左前側に上げてみてください

やはり上がりにくいはずです。

 


実は、これと同じようなことが、体の中でも起きているのです。

 

痛みは結果、原因はどこ?
皮膚や脂肪がたるんで下がり、肩や首や頭の皮膚を下に引っ張る

体の表面には皮膚があり、その下には皮下脂肪などの組織があります。

その皮膚や脂肪がたるんで下がってきたら、どうなるでしょうか?

 

体の上方にある肩や首や頭の皮膚は、かすかに下に引っ張られる状態になります。

 

血行不良で肩こりに!

それだけでも、血行不良になり、肩こりといった症状が出てきます。

 

年齢的な筋力低下や運動不足により、重力に逆らえなくなった結果です。

40代以降に多いのも頷けます。

 

これにプラスして、肩関節に関わっている筋肉の、慢性疲労等の異常が影響

加えて、肩関節に関わっている筋肉の、慢性疲労等の異常が影響してくると、関節が歪んで窮屈になってきます。

そのまま肩を使い続ければ、関節内や腱の摩擦が増えてきますから、炎症等の症状も現れてくることになるのです。

 

肩関節を動かす筋肉は10以上!

肩関節は、最も色々な動きの出来る関節です。

 

単純な関節は、一つの筋肉がまたがり、骨と骨を結んだ直線方向の動きしかできません。

ですが、肩関節は、解剖学的に言う6方向の動きができます。

 

ということは、6つの筋肉が関わっていることが予想しえますが、実際には10以上の筋肉が関わっています。

そのため、いろいろな動きを可能とした、精巧で複雑な関節と言えるのです。

 

関連筋肉のネットワーク
腕の筋肉に原因が隠れていることも

また、上腕骨には肘や手首を動かす筋肉がついています。

力こぶの「上腕二頭筋」と、二の腕の「上腕三頭筋」に関しては、肩甲骨から上腕骨、肘関節の下にある前腕の骨にまで繋がっています。

 

これらの筋肉は、2つの関節をまたいでおり、腕全体の大きな働きをしている筋肉です。
肩の痛みで、肘を伸ばしたまま腕を回すより、肘を曲げたまま腕を回した方が、痛みが少ないことがありますが、こうした場合は、腕の筋肉にも原因が隠れています。

 

骨盤や背骨も、肩と関連あり

さらにこの上腕骨は、「広背筋」という、背骨と骨盤から繋がっている筋肉がついています。

肩甲骨には、頭蓋骨・背骨・肋骨に繋がっている筋肉がついています。

 

このように、骨盤や背骨も、肩と関連していることが分かり、実際に上記で試していただいたシャツの例えが、こうしたことなのです。

場合にもよりますが、骨盤の筋肉である臀部筋や、わき腹の腹筋と、因果関係がある場合は多いです。

 
 コラムニスト情報
梅田 孝男
性別:男性  |   職業:整体師・気エネルギー療法師・カイロプラクティック師

群馬県高崎市の、梅田整体療院の院長として、日々施術をしております。

2000年3月に独立開業。整体、カイロ、東洋医学の他、筋肉反射療法や気エネルギー療法の気導術を習得。症状をなるべく速く、少ない回数でよくしたい気持ちで、ご対応させていただいております。

施術現場で起こる不思議な現象に、多くの体のことを学ばさせていただいてます。これまでの常識や知識ではなく、施術から得られた人の体の本質を、皆様のお役に立てるようお伝えしたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

施術録や日記等をお伝えしていますブログ「梅田整体療院のツッパリ解消ロックンロール」もご覧になってください。
http://umedaseitai.seesaa.net/

厚生労働大臣認可 日本健康サポート協同組合会員