ねぎの白い部分と青い部分、栄養効能の違いは?

ねぎの白い部分と青い部分は、それぞれ栄養素が異なります。ここではネギの葉や茎の栄養効能の違いや分類、栃木のブランドねぎ「白美人ネギ」の栽培の様子をご紹介します。

執筆者: 佐々智雄 職業:野菜ソムリエ/アスリートフードマイスター
日本の食卓における名脇役「根深ネギ」

こんにちは、アスリートフードマイスターの佐々智雄です。

東は白ネギ、西は葉ねぎ

大雑把なこの分類は、日本全国で認知されているのではないでしょうか。

 

今はスーパーなどで、どちらも手軽に手にすることができます。

薬味は葉ねぎ、鍋や味噌汁、焼き鳥には白い長ネギと、使い道によって使い分けているご家庭もあるかと思います。

 

今回は、そんなネギの分類や栽培の仕方、栄養素や効果効能などをご紹介します。

 

 

ねぎの分類

葉ネギは、九条ネギに代表される「九条群」に分類されます。


一方、根深ネギは、馴染みのある一般的な長ネギとして売られている「千住群」、冬の鍋の季節になると出回る肉厚の下仁田ネギに代表される「加賀群」に分類されます。

ねぎの白い部分は土寄せで作る

根深ネギは、栽培時にいわゆる「土寄せ」により白い部分を作ります。
そうすることで土の中で白い部分が伸長していくわけです。

栃木のブランドねぎ「白美人ネギ」の栽培方法

先日、栃木の那須地区のネギ農家さんを訪問してきました。
栃木のブランドねぎとして売られている「白美人ネギ」には、露地栽培とハウス栽培の二種類があります。

 

露地もの

一般的な根深ネギと同様に「土寄せ」によって白い部分を作ります。

 

 

ハウスもの「軟白ネギ」

ハウスのものは「軟白ネギ」と呼ばれ、背丈が高く身が柔らかく、生食でも辛味の少ない美味しいネギです。

一般的な根深ネギとは栽培方法が異なり、「遮光板」を用い、太陽光を遮って白い部分を作ります。

 

 

半年ほど育てた後に遮光板をあてがい、40センチもある白い部分は、約1ヶ月で育ちます。

 

根深ネギの白い部分は茎?

この白い部分、実は「茎」ではなく「葉」です。

「茎」は、その白い葉に覆われて外からは見えませんが、根の上1センチくらいしかありません。


「葱坊主」と呼ばれるネギの花が咲く季節に、「花茎」といわれる花のついた「茎」を伸ばします。

正確には、白い部分を「葉鞘(ようしょう)」、緑色の部分を「葉身(ようしん)」と呼びます。
どちらも「葉」と言われても、まったくイメージが違いますね。

緑と白、栄養の違いは?

この緑の葉と白い葉には、含まれる栄養にも違いがあります。

緑の部分は「緑黄色野菜」であり、カロテンやビタミンCを多く含みます。

 

一方、白い部分には、独特の香りがあり、辛味成分や薬効成分が含まれています。
糖質のエネルギー代謝を助けるビタミンB1と結びつき、体内にとどまって効果を長持ちさせる効果や、殺菌作用や血栓予防、発汗促進作用などがあります。

ネギの成分は、風邪っぴきに効果的!

風邪のひき始めに、「ネギをたっぷりいれた味噌汁を飲むと良い」とか、「首に巻くと効果がある」と昔から言われていることには、日本人としての経験値に加えて、しっかりと裏付けもされているんですね。

栃木の農家さんの作業場でネギの皮剥き作業をされていた方は、普段からネギの成分をたっぷり吸引されているからか、「風邪はまったくひかない」とおっしゃっていました。

 

 

おわりに

いわゆるビタミン、ミネラルなどの「栄養素」としては葉ねぎや、根深ネギの緑色の部分に軍配が挙がりますが、白ネギの機能性成分もしっかり活用したいですね。


ただし、有効に利用するには調理方法に注意するべき点もあります。
次回は、ネギの機能性成分を活かしたスタミナレシピをご紹介したいと思います。