「漢字が苦手」を克服!ドリルより楽しい漢和辞典の引き方

漢字が苦手な大人やも子供も楽しめる「漢和辞典の引き方」をご紹介します。勉強嫌いの子供も、漢字ドリルより国語の成績がアップするかも?

執筆者: 米田淑恵 職業:数教研千里中央教室 指導員
使える!漢字力や語彙力をつける「漢和辞典」

こんにちは、数教研の米田淑恵です。

 

 「人という字は二人の人が支えあってできている」

 

これはドラマ『三年B組金八先生』のなかでの有名な台詞です。

道徳的な寓話としては、たいへんよく出来たお話しなのですが、残念ながら漢字の成り立ちとしては正しくありません。

 

漢和辞典を引いてみると…

小学生の使う、藤堂明保博士の「例解学習 漢字辞典」(小学館)によれば、「人の立ったすがたを横からえがいたもの」とあります。

 

あっさりしたものですね。

ドラマで感銘を受けた皆さん、青春時代の思い出を壊してしまったとしたら申し訳ありません。

 

 漢字を引用した説話の中には、全くの誤解・誤用も多数

上記のような例は、「正しくはない」ものの、「完全な誤りである」というほどでもないと思いますが、こういった漢字を引用した説話の中には、全くの誤解・誤用も多数見受けられます。

 

例えば『武』という文字。

ある文化人のホームページには、「『武』という字は『戈(ほこ)』を『止める』和平の意味」と書かれてありますが、本当でしょうか?


再び「例解学習 漢字辞典」からの引用です。

「『戈(ほこ)』と『止(あし)』とを合わせた字。ほこを持っていさましく進むようすを表す」とあります。

 

『止』という字は、「足の形」をあらわしており、そこから現代の”STOP”の意味が派生してきたということです。
この御仁の解釈は、漢字の成り立ちを間違えた完全な誤解です。

 

和平どころか、文字通り武装行進の勇ましい意味ですね。

 

漢和辞典を使いこなさない手はない!

このように、小学生用の漢和辞典でさえ、これだけ詳しい内容が盛り込まれています。

漢和辞典は、「漢字にかかわる百科事典」と呼べるでしょう。

この漢和辞典を、使いこなさない手はありません。


ところが、小学生のみならず、一般の人にとっても、漢和辞典はあまり有効に使われていないように思います。

多くの小学生にとって漢和辞典は、国語辞典とともに、早くから机に並んだ辞書の1つのはずです。

それなのに、何故そうなってしまうのでしょうか。

 

 

漢和辞典が、あまり活用されない理由
辞書の引き方の指導法に問題あり!

その一番の理由は、辞書の引き方の指導法にあると思います。

小学校では、最もオーソドックスな漢和辞典の引き方として、「部首」による検索を指導されます。

漢字を学ぶ上で、部首を知ることは、とても大切です。

 

ところが、この検索方法は実に厄介です。
そもそも小学生の子ども達にとって、辞書を引くという行為は、決して楽しい勉強ではありません。

 

「部首」による検索は、上級者向け

五十音順に並んだ国語辞典でさえ使いこなせない段階で、なにやらよくわからない「部首」(部首に辿り着くまでが一苦労でしょう)で検索する漢和辞典なんて、煙たい存在になってしまうのも仕方がありません。


そこで、次のような漢和辞典の引き方を試してみてはいかがでしょうか。

 

子どもに苦手意識を持たせない「漢和辞典の引き方」
1.読み方で検索する

まず、読み方で検索する方法を習得させます。

国語辞典と同じ方法で漢和辞典を引くことで、漢和辞典に対する「敷居の高さ」を解消します。


その時に、当該の漢字の「なりたち」の説明を、しっかりと読ませるようにします。

更に、前後に配列された漢字にも、目を通すようにさせます。


そうすることで、当該の漢字の意味や読み方だけでなく、部首への興味・理解を引き出すことができるようになります。

 

例:「にんべんの漢字には、人の動作や状態に関係するものが多いことに気がつく」など

 

部首を部首として学習するのではなく、なぜそのようにグルーピングされるのかに気づかせる学習法です。
小学校低・中学年であれば、これで十分だと思います。

2.総画数で検索する

読み方がわからない場合は、総画数で検索するようにします。

 

この検索方法は、自然と筆順に意識が向けられます。

自分の筆順では当該の漢字に行き当たらない場合は、プラスマイナス一画、二画で検索させ、当該の漢字の正しい筆順を習得させます。


この場合でも、1の学習内容は行なってください。

3.部首での検索にチャレンジする

部首での検索というのは、実はかなりの高等テクニックです。

この方法でスイスイと漢和辞典が引ければ、漢字の仕組みが基本的に理解できているといっても良いと思います。


例えば、テストのときに、正確な意味や読み方(特に音読み)を知らない漢字が出ても、類推することができるでしょう。

中学受験を志望する小学生なら、1の方法と併せてチャレンジして欲しい方法です。

 

おわりに

近視眼的な見方をすれば、「漢字ドリル」で詰め込むのも早道ですが、漢和辞典に慣れ親しむと、漢字力や語彙力のアップに繋がると思います。

 

是非ともお試しください。

 
 コラムニスト情報
米田淑恵
性別:女性  |   職業:数教研千里中央教室 指導員

こんにちは。
数教研千里中央教室の米田です。
豊中市・千里中央の新千里西町会館にて、週2回皆さんと楽しく学習しております。
子ども達の「わかった!」という言葉を聞くのが何よりうれしいです。
ブログも毎日更新中です。一度のぞいてみてください。「数教研千里中央教室へようこそ」で検索。

 

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